石油はどこから来たか
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地球内部の炭素源から(無機物から)
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海中の生物(魚油やプランクトン)の堆積物から
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内部炭素源+生物堆積物
地球内部の炭素源から(無機物から)
最初に石油が地球の内部で生成すると考えたのは周期表で有名な ロシアのメンデレーエフです。
最初に地球で存在し得た有機物(無酸素)
有機物 |
化学式 |
耐熱温度 |
メタン |
CH4 |
1000度以上 |
エチレン |
C2H4 |
2000度以上 |
アセチレン |
C2H2 |
3000度以上 |
彼は地球の内部の炭化物が水と反応してアセチレンを生み出し そのアセチレンが石油の元になる様々な炭素化合物を生み出したと
考えたわけです。木星の大気はメタン、金星のの大気は 二酸化炭素ということを考えれば理解できます。
彼は炭化カルシウム(カーバイト)からアセチレンを製造する過程を 考えていました。
CaC2 + H2O ⇒ C2H2 +CaO
炭化カルシウム 水 アセチレン 酸化カルシウム
この反応で出来たアセチレンは反応しやすい炭化水素ですから、地殻内を 上昇しながら温度を下げていくうちに簡単に他の炭化水素に変化します。
600度
3C2H2 ⇒ C6H6
アセチレン 触媒Al(アルミニウム) ベンゼン
C2H2+ H2 ⇒ C2H4
エチレン
C2H4+ H2 ⇒ C2H6
エタン
C2H2+ H2O ⇒ CH3CHO
アセトアルデヒド
CH3CHO+ O ⇒ CH3COOH
酢酸
触媒として金属炭化物が地球の奥深くに大量にあるという証拠はないが
こうして出来た化合物が石油の元になったと考えたわけです。
参照として「Fischer-Tropsch反応」をお調べください。
海中の生物(魚油→プランクトン)の堆積物から
その後石油の中に生物からとみられる化合物が含まれていることがわかり、 石油の成因説は有機根源説になっていくのです。その化合物とは
ポルフィリン(注1)や糖類などの光学活性物質で、偏光面を右旋させたり左旋させた
りする炭水化物の類です。これらの物質は生物体内でしか生成されないもの と考えられています。
このため、エングラーという人は、イワシ油などの魚油を油田地帯にある粘土類
のケイ酸アルミナ質土壌などと混ぜ、高圧釜で高温高圧にし、石油に類する 炭化水素が生成することを確かめた上で”海底に堆積した魚の油から”
石油が生成したのだと結論しました。一昔前はこれが定説だったのですが、 地史学的にこれほど大量な魚油の堆積は理由がつかないことから
現在、プランクトンだとされています。
(注1)ポルフィリン
・・・・(ポーフィリンとも言う)植物の葉緑素が起源と見られる特殊な化合物
内部炭素源+生物堆積物
確かに生物由来の光学活性有機化合物はあるのだが、花崗岩の岩盤から 天然ガスや石油は存在し得ないとされているのに、スカンジナビア半島の
花崗岩岩盤から出てきたり、インドネシア諸島では火山脈に沿って天然ガスが
見つかったり、スウェーデンの大隕石孔に出来たソジャン湖の底から 石油や天然ガスが見つかったりで、アメリカのゴールドという人達の新説(生物由来の
油田に地下から上昇してきた地球内部の炭素源の炭化水素が捕捉されたという説)
が、石油業界では、かなり現実的に取り扱われています。 また、内部炭素源の上昇説とは別に、シベリアなどの凍土地帯に
メタン水和物として今日認められている石油埋蔵量を凌ぐ天然ガスが存在する
ことが認められています。 このメタンは地球温暖化の脅威となっています。
石油に含まれる有機化合物は自然に存在したのか?
火山の熱や雷によって、単純な有機化合物が出来ます。原始大気は 水素H2・メタンCH4・アンモニアNH3・水蒸気H2O・二酸化炭素CO2
などがあり、それを元にさらに電気火花(雷)に通過させてくり返して反応させると、生命に必要なアミノ酸など(グリシン、アラニン、アスパラギン酸など)が
出来ます。エネルギー源を変えたり、原始大気の成分に含まれると思われる成分を変えたりすると、
ほとんどすべての普通に見られるアミノ酸、DNAとRNAのプリン塩基とピリミジン塩基、何種類もの炭化水素と脂肪酸、
それに40以上の糖類などが生成します。 生命のない地球環境には遊離した酸素がなかったと考えられるのは、酸素はすでに燃焼という酸化作用によって
化合物になっていたと考えられるからです。
宇宙に目を向けると、アミノ酸と核酸プリン塩基(アデニン、グアシン)の合成の鍵となるシアン化水素HCN、
硫黄を含んだアミノ酸(システイン、メチオニン)の合成の鍵となるチオホルムアルデヒドCH2S、
核酸ピリミジン塩基(シトシン、ウラシル、チミン)のためのシアノアセチレンHC3N、
RNAのリボースを含む単糖類のためのホルムアルデヒドH2CO、
DNAのデオキシリボースのためのアセトアルデヒドCH3CHO、
ポリペプチド、多糖類、ポリヌクレオチドの結合を形成するためのシアン基C2N2と、シアナミドH2NCH、
そして、さらにメタノールCH3OH、エタノールC2H5OHなどが
莫大な量で見つかっています。
ですが、原油として埋蔵される場合、生命が誕生してから今日までてつかずだったとも考えられず、
その量として考えてみても、上記のように、原油は間違いなく生物が関与して出来たと考えるのが自然と思えます。
金属の触媒作用
無機炭素化合物から有機化合物を生成させるには、ほとんどの場合 触媒が必要になります。金属原子を取り込んだ有機化合物か、金属自身の化合物が
触媒といわれる物ですが、一番誰もが知っていて、身近にある物といえば、 ”光合成”を指すことが出来ます。
光のエネルギー(電磁波)
H2O+CO2 ⇒ {CH2O}+O2
(112kカロリー) 炭水化物
この反応の触媒は葉緑素(クロロフィル)ですが、その中心には 金属元素のマグネシウムがあります。
その他に”CO+H2”からメタン、パラフィン系の油,
ガソリン(炭素数5〜8)、メタノール、エタノール、 ブタノール、などを生成させるのに、
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メタンは鉄系(ニッケルなど)の触媒
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パラフィン系炭化水素油はコバルトとケイ藻土、{ガソリン(CxHy)は酸化コバルトと酸化トリウム}
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メタノールは銅と亜鉛(または酸化クロム)に圧力
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ブタノールは銅とクロムとアルカリ
といったように特定の触媒を用いて特定の生成物を製造しています。
ケイ酸アルミナなどは石油化学工業では極めてポピュラーな触媒です。
化学合成油といわれるオイルや添加剤などは原油からいろいろな行程で出来た生成物を元に
”ああでもないこうでもない”とこのような触媒技術を用いて製造されています。
自動車は基本的には、燃料の軽油やガソリンからオイル、添加剤、金属を除くボディ
のほとんどが石油化学の産物から出来ています。(パソコンもそうですが・・・)
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