ボロン=ホウ素系添加剤
成分としてエンジンオイルに入っている場合が多くありますが、どちらかというと
セラミックス系添加剤の感が強く、
ホウ素系添加剤がメインに入っている場合もあります。
ボロン(ホウ素)はC炭素(カーボン)の性質と少し似ています。金属との化合物も多く
TiB2二ホウ化チタンやCrB2二ホウ化クロムなどは融点が高くて、耐火性もあるので、
また窒化ホウ素(BN)は金属との間で二硫化モリブデンのように層状構造
になるために入れられている可能性があります。
エンジンオイルには成分として入っている場合が多い元素です。
身近なものとしてはガラスにホウ素を混ぜて、耐熱硬質ガラスとして売られています。(フラスコ、ビーカーもそうです。)
商品としてはマイクロセラがありますが、固体潤滑剤として、金属の凹みに入り表面を平坦にならす効果があるようです。
最近ワンコーティング剤としてのボロン系添加剤を別に知りました。
アメリカでの製品ですが、内容は下記のとおりです。
-
「空気中で100度C以上に熱せられると、ホウ酸(boric-acid)は徐々に水分を失っていき、
-
まず過渡的状態のホウ酸(HBO2)になり、3種類の溶融点を持つようになります。
-
様融点はそれぞれ、176度C、201度C、236度Cです。
-
脱水は加熱時間が長くなるか、温度が150度Cに上がるまではHBO2の状態で止まっています。
-
さらに加熱が続いたり、温度が高くなるとすべての水分が取り除かれ、その後に無水酸素とB2O3(3酸化2ホウ素)が結晶体の
-
形で残ります。
-
(この状態で共有、イオン、水素結合により、金属基質に非常によく結合するようになります。)
-
この時点での溶融点は450度Cです。
-
非結晶の形態の場合は絶対的な溶融点はなく、約325度Cで軟化し、約500度Cで完全な液状になります。」
-
実はボロン系潤滑剤は宇宙での使用目的で研究されたのですが、
-
結局は無酸素下では思うとおりの潤滑性能が得られず、酸素下で使用されることになりました。
-
このあたりの特許は生産出荷量の多いアメリカが多く所有しているようです。
-
モリブデン系も生産が多い国です。
-
テストデータは頂いておりますが、
-
実際には値段が非常に高いので、こちらでは試していません。
-
また、その耐加重能の比較データもはPTFEとの比較でしたので、
-
どれほど効果が出るのか良く分からないといったところが正直な感想になります。
-
摩擦係数は境界摩擦においてはあまり関係ないような気がするからです。
-
まれに極圧剤としても使用されるようですが、データを見る限りは他の製品と比較して特に優れていると言うこともなく、
-
最大の利点は資源的に多いと言うことと
-
環境問題に適合している事になるのかも知れません。
-
この固体潤滑剤が金属にボロン膜を形成し、低摩擦係数を発揮しますが,
-
摩擦係数低減効果は、モリブデン系と同じく層状構造によるものと思われます。
-
-
耐荷重能力ではなく、この組成がフィルム状に連なることで
-
この膜の形成によってピストンなどの気密性が向上する=エンジン出力の向上がえられますので
-
固体潤滑剤では知られている要素が相乗的に作用すると思われますので
-
モリブデン系添加剤が効果の良いと思われる人には
-
こういった固体潤滑剤はおもしろい商品かもしれません。
なお普通の一般のオイルにはボロン系添加剤をオイル中に含んでおりますが
(使用されていないオイルもあります)、
上記添加剤タイプとは異なり、定着力が弱いそうです。
添加剤タイプとしては十分なボロンを含みますので、膜に関与しないボロン成分がオイルとともに排出され、
廃油として処理されるようです。
それだけ定着しにくいとも言えそうです。
ごめんなさい。まだ資料がそろってません
ホームページへ