元素の一般知識

オイルや添加剤で使用される化合物に良く出てくる元素の基本的な性状です。 化合物になると、全く別の性質を持つ場合が多くなります。

取り扱う元素名


オイルに含まれる成分分析

例:ペンゾイル・10w−40
ただし、ガス化する元素Cl塩素、Fフッ素、H水素、O酸素、C炭素、etc.は含まない。
また、”−−”は調べていないため不明
 
 
元素名 分析量(1ppm=100万分の1)
Bホウ素=ボロン 156
Pb鉛 11
Fe鉄
Alアルミニウム
Cu銅
Crクロム
Ag銀
Siケイ素=シリコン(silicon)*注
リンP 759
Caカルシウム 1106
Baバリウム 156
Zn亜鉛 653
Mgマグネシウム 410
Sbアンチモン
Cdカドミウム
Mnマンガン
Moモリブデン
Niニッケル
Tiチタン
Snスズ 10
Vバナジウム 5(原油には多く含まれる)
Sイオウ 10
Naナトリウム −−

*注(別物のシリコーン(silicone)は有機ケイ素化合物の共有結合の重合体)

オイルの成分−灰分(95年度SHグレードによる)

なお、”−”は検出出来ず=0かどうかは不明
メーカー 商品名 Zn亜鉛 Pリン Caカルシウム Mgマグネシウム Naナトリウム Bホウ素 Moモリブデン
シェル TMOプレミアム 980 873 1968 11 2 206 44
TMOウルトラ 1255 1179 1353 972 13 - -
モービル モービル・ワン 1156 1198 2240 531 15 44 187
ラリーフォーミュラ 1196 1267 2268 556 10 69 182
スーパーXHP 1189 1175 1580 1260 21 14 -
スーパー 901 820 1770 4 9 58 -
カストロール GTX−7DCターボ 907 776 2036 5 5 21 -
ハイメカ660 724 626 1840 5 7 132 -
フォーミュラRS 1194 1106 1900 13 4 - -
シントロンエクストラ 859 726 2164 505 6 9 -
XF−08 1128 960 2020 21 4 82 -
BP ミニターボ 854 847 1706 4 3 51 -
バービス・コランダ 854 873 1897 3 4 52 -
バービス・フォーミュラ 961 920 1951 4 2 49 -
バービス・プラス 831 768 1653 4 3 14 -
バービス・セーブ 892 836 1652 3 3 46 -
ビスコバービス 884 791 1819 7 6 - -
クエーカーステート チャレンジャー 1279 1123 1171 454 244 5 -
パワーブースト 1201 1127 1066 391 419 - -
パワークエスト 1148 1050 964 254 504 - -
バルボリン ターボエクストラ 1028 999 445 341 503 - -
XLDエクストラ 1186 1091 486 370 491 - -

人体に対する影響

生命は海から生まれたと言われています。 原始の海には様々な元素が含まれ、現在とは多少異なる成分分布に なっていますが、
生命にとって”金属原子”はとりわけ”触媒”として 生体に必須である場合が多く、人体には酵素というかたちで微量に取り入れられて います。
多量に摂取すれば害になる場合でも、少量なら健康維持に役立つ元素も 少なくありません。
ここでは、色々にかかれている元素を、特に”オイルや添加剤に含まれる” ものを抜き出し、考えてみました。
人間には必要な酸素でも有毒になる生命がいる一方、 大部分の生命にとって有毒であるHg水銀でも、無毒化できるバクテリアが存在します。
最近では、地球温暖化にバクテリアも有効になるという話題がありました。

 しかし、ここでは誠に勝手ながら人間中心で書かざるをえません。
れいによって専門でもありませんので、専門の方のご助力を お願いいたします。
 
 

生体に必要な金属

1)人間に必須(微量)金属

(オイル中に含まれる元素も必須外でも加えてあります)
元素名 役割 適正摂取量(単位mg/1日) 欠乏症状 過多症状 体内存在量/70kg成人 必須性
Vバナジウム 脂質の代謝・糖尿病に効果 4.5以下 不明、(成長が遅れる、生殖機能が衰える) 不明 1.5mg O(実験動物)
Moモリブデン 酵素構成元素 0.1-0.5 重要酵素が作れなくなる 銅欠乏症症状(体重の低下、貧血など) 10mg O(人体・実験動物)
Cu銅 タンパク質・酵素構成元素 2-3 貧血、毛髪異常、骨・動脈異常、脳障害 肝硬変、下痢、吐き気、運動障害、知覚神経障害 80 O(人体・実験動物)
Crクロム インシュリン活性化 0.05-0.2 糖尿病、動脈硬化、高血圧(コレステロール代謝) 発ガンの原因?(六価クロム) 2 O(人体・実験動物)
Snスズ 不明 不明、0.2-3.5/1日を食事から摂っている 欠乏症状不明 2gで中毒症状(有機スズ化合物は神経障害性)船舶用のトリブチルスズ化合物は有毒な為トリフェニルスズ化合物に代わっている 14−20 O(実験動物ラットなど)
Naナトリウム 赤血球の形態維持、細胞のイオンバランス維持 7-8g イオンバランスのくずれ(外液担当)/TD> 高血圧 105000(105g)・塩化ナトリウムとして250g O(人体・実験動物)
Pb鉛 健康を害しない最大摂取量0.4ぐらい 欠乏症状 中毒(疝痛、貧血、神経痛、脳疾患)特に有機鉛は毒性が強い=神経症 120000 O(人体・実験動物)
Mgマグネシウム 酵素類の活性化(蛋白質、核酸、脂質)、軟骨・骨の成長、脳と甲状腺機能維持 2-5 筋肉の震え、脈の乱れ 過多症状 105000(105g)or20-30gとも O(人体・実験動物)
Caカルシウム 骨の構成元素、生体膜構成元素、筋肉収縮、外分泌・内分泌、酵素・酵素系の調節・活性・阻害 600-1400 骨粗しょう症、けいれんなど 尿毒症(腎臓の石灰化) 1500000(1kg-1.5kg) O(人体・実験動物)
Fe鉄 血液の構成成分(ヘモグロビンなど) 6-40 貧血 過多症状 6000-3000(6g−3g) O(人体・実験動物)
Cl塩素 胃液の成分 欠乏症状 有機塩素化合物としては少量でも有毒 105000(105g) O(人体・実験動物)
Zn亜鉛 酵素構成物質、血球中の炭酸脱水酵素など 15 発育不全、貧血、腸性肢端性皮膚炎、脱毛、味覚・臭覚障害 中毒、発熱、吐き気、腹痛、下痢 2000(2g) 必須性(人体・実験動物)
Siケイ素 欠乏症状 二酸化ケイ素のうち、石綿は発ガン性 2 O(実験動物)
Mnマンガン 酵素の活性を促進、スーパーオキシド(O-2)の還元酵素 2.5-5.0 細胞不活性化、人の欠乏症は滅多にない 頭痛、倦怠感、運動機能障害、言語障害、甲状腺肥大・腫瘍 12000(12g) O(人体・実験動物)
Seセレン 抗炎症性、免疫促進効果 0.1 子どもの心不全など 急性中毒(顔面蒼白、神経障害、皮膚炎、胃腸障害) 12 O(人体・実験動物)
Tiチタン 他の元素と共存(Al,Pb,ba,Fe,V)し、何らかの相互作用をしている 適正量不明 知られていない 毒性は弱く知られていない 0.015-0.11 必須性(不明)
Coコバルト ビタミンB12構成元素・血液、細胞膜生成 ビタミンB12として、0.0001-0.00015 貧血、精神障害 過多症状 体内存在量/70kg成人 必須性(人体・実験動物・不明)
Iヨウ素 役割 0.02-0.05 甲状腺機能低下 甲状腺肥大、2mgで中毒、35-350gで致死量 12-20 O(人体・実験動物)
Niニッケル 鉄吸収の補助、遺伝子の活動など補助促進をする 適正量不明 欠乏症状不明 皮膚炎、アレルギー、発ガンに影響する 10mg O(実験動物)
Cdカドミウム 役割 適正量(単位mg) 欠乏症状 イタイイタイ病(骨軟化症、骨多孔症、肝臓障害) 50 必須性(不明)
Fフッ素 役割 緑茶に含まれる 欠乏症状 フッ素ガスは劇薬 3g O(実験動物)
Sbアンチモン 役割 食事から0.002-1.3mg摂っている 欠乏症状 100mgで中毒 必須性(不明)
Sイオウ ビタミンB1、アミノ酸構成物質 適正量(単位mg) 皮膚炎 過多症状 140g O(人体・実験動物)
Pリン 核酸構成物質 適正量(単位mg) 欠乏症状 過多症状 700-780g 必須性(人体・実験動物・不明)
Bホウ素 役割 適正量(単位mg) 欠乏症状 過多症状 10 O(実験動物)
Asヒ素 0.1 ヤギ、羊など草食動物では発育不良 無機のヒ素は+3価が毒性が強く致死量は0.1-0.3g 2 O(人体は可能性大・実験動物)
Hg水銀 役割 メチル水銀は中枢神経細胞を冒す水俣病の原因物質 13 必須性(不明)
Alアルミニウム 役割 適正量(単位mg) 欠乏症状 骨の脆弱化、筋肉の萎縮硬化、脳細胞の萎縮化(アルツハイマー痴呆症の疑いあり) 60 必須性(不明)
Baバリウム 役割 適正量(単位mg) 欠乏症状 水溶性+2価のBaは毒性があり1-1.5gで麻痺 17 必須性(不明)
Rbルビジウム 役割 適正量(単位mg) 欠乏症状 過多症状 320mg 必須性(人体・実験動物・不明)
Srストロンチウム 役割 適正量(単位mg) 欠乏症状 320mg O(実験動物))
Kカリウム 役割 適正量(単位mg) 欠乏症状 過多症状 体内存在量/70kg成人 O(実験動物)

毒性を持つ金属や両面併せ持つ金属・疑われている金属

化学物質の毒性に対して詳しいページがありますので そちらの方がいいかも知れません。
ICSCホームページです。こちらが詳しそうです。



見に来てくださった人、ごめんなさい。まだまだ工事中です。

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