オイル・燃料などの濾過と循環

自動車で使用される液体は目的に応じて選ばれた化学物質で出来ており、
混合物ではありますが、どちらかというと精製された成分の混合物で出来ているようです。

使用してゆくにつれ、成分が酸化したり重縮合したりもとの成分とは異なる液体へ変化してゆき、
機器を循環する液体が化学変化を起こし大きなかたまりとなる場合、
金属片など摩耗による異物が発生する場合、
混入してきた異物、
あるいは、機器そのものから異物が発生するような場合など、
その流体から、不必要な成分を分離する必要が生じてきますので
「フィルター」と呼ばれる濾過装置が取り付けられ、不十分ながら精製するようにしています。

循環する液体が不純物と分離されなくてはならない理由は、それらを分離しないで使用すると
機器の異常摩耗やシールの性能を劣化させたりするからで、
稼働寿命を短くしてしまう事になるので、取り付けられていますが、
必ずしも十分なフィルターが付いているとは限らず、
製品の寿命期間をクリアーしていると思われる循環系に関しては
(コスト面も影響してますが)フィルターがついていない・簡単なフィルターという場合が多くあります。

分離する成分は、酸化によって重合した炭化水素成分、添加剤劣化成分、混入した、あるいは必然的に発生する水分、
又は、空気中の砂やホコリに至るまで、さまざまとなるのですが
ある程度「稼働時間=寿命」と関係してきますので、フィルターは使用期間や距離で定期的に交換・清掃されています。
いわゆる濾紙が吸湿性の良い紙で出来ている場合がほとんどですので、
固体のみならず、液体の「水分」まで吸着出来るのは便利と思われます。

最近ではATFにもカートリッジ式フィルターが取り付けられていたり、
エアコンのエバポレーター前にダストカバーが取り付けられていたりもします。
後者は家庭用エアコンのフィルターと同じ意味合いになります。

自動車を毎日使用している場合は当然、使用によってトラップする物質(いわゆるゴミ)がフィルターへ溜まって
フィルターの性能劣化=目詰まりなどがおき、交換される時期等が、フィルターの状態などから判断できるのですが
一番問題となるのは、「年単位」の長期保管かもしれません。
循環する液体が(エンジンオイルも同じですが)ストレーナーやフィルターと関係ない箇所で劣化してしまい、
そこで、固体物質に変化したり(例えばスラッジ、ワニス、ラッカー、炭酸カルシウムなど)、錆を発生させたり、
ホースや耐油性ゴムを侵して、ひどい場合は膨潤してゲル化してしまったりする事が多く、
フィルターを通過した後でこういった物質が出来てしまいますと
取り除く事が出来ない結果、その先の機器が正常に働かなくなる=故障となったりします。
機器が動かなくなるまで稼働させるわけですから
大抵の場合は掃除などの簡単な分解修理では難しく、故障した部品の交換となってしまい、修理代も
高くなる事が多くなってきます。

自動車で使用されている液体は保管時間にも影響を受けやすいので、
それなりの対策をされた方が良いと思われます。

エンジンオイルの循環

エンジンオイルは通常のレシプロエンジンの場合もロータリーエンジンの場合も
下記のように全流濾過圧送式で最初に濾過されてから各機器へ循環するようになっています。
濾過装置はで記載します。

A.レシプロ・エンジン

オイルパン→オイルストレーナー→オイルポンプ→オイルフィルター→(オイルクーラー)→オイルギャラリーへ向かいます
(ここから上下2方向へ分かれます)。

1.上方へ向かうオイルはオイルギャラリー→(オイルプレッシャースイッチで油圧が検出され)カムシャフトなどを潤滑し、
シリンダーヘッド・ブロックなどを冷却しつつ、オイルパンへ落ちてゆきます。
シリンダーブロックにオイルジェットが付いている場合は、ここからピストン内部へオイルを吹き付けています。
  
2.下方へ向かうオイルはクランクシャフトなどに作られた、クランクジャーナルやクランクピンへの油路を通り、
  オイルジェットという穴から霧状に噴霧されシリンダーやピストンの内部の潤滑や冷却を行ってから、オイルパンへ落ちます。
 
最初のストレーナーは網のような目で大きな物を分離するだけですが、オイル管理が悪く、
オイルがスラッジ化してきますと、網の目を詰めてしまい、ポンピング流量が少なくなって、オイル循環が出来なくなる場合も
起こります。通常ここが詰まってしまうと、バイパスするオイル流路がありませんから、オイルが入っていないのと同等に
シリンダーの焼き付きとなります。
しかし余程オイル管理を怠らない限り、まずここでオイルの閉塞が起こることは少ないでしょう。
 で、どちらかというとオイルフィルターの方が濾紙の目が細かく、
ガソリンエンジンでは通常は40ミクロン程度(高性能タイプで20−30ミクロン程度)の濾過を任されています。
大型ディーゼルなどの場合は2次側が5−3ミクロン程度の大きさの固形物を濾過しますので
固形物の大きさでフィルターも分けているのですが、
それぞれ目詰まりした場合の緊急用に、バイパス流路を設けている構造になっています。
(目詰まりの場合は濾過しないで、そのまま素通しさせます。)
ちなみに、オイルのレベルゲージの「L=LOW」側はオイルパンに入っているオイル液面が揺れてもストレーナーの位置関係
から、エアを吸い込まないレベルを考慮して設計されていると言われています。
反対の「H=HIGH」側はもちろんクランクシャフトとオイルとの干渉を避けるための位置を保っているようです。

濾紙は最初は大きい物を捕捉し、小さい物を素通しさせますが、目が詰まってきますと、捕捉した物で目が細かくなったように
変わってゆき、次第に今まで素通ししていた細かい物も捕捉するようになります。
ある時点から急速にフィルタ−能力の寿命となりますので、オイルの状態なども観察して、
オイル交換時にあわせて交換するのがいいとされています。
そのまま放置しますとエンジンの寿命に大きく影響します。

通常はオイル交換2回に対し、フィルターは1回とされていますが、高性能で濾過面積が大きく、目詰まりし難い製品も
増えてきましたし、このあたりは本当に「適当に」と言わざるを得ません。
普通一般的に交換時期としては2万キロに1回となっていますが、
まあ、走行距離的には1万キロに1回交換されていれば問題ないと思われます。
オイルフラッシングや溶剤系の燃料添加剤など入れた場合は
その後は汚れが多くなっているでしょうから
ある程度臨機応変にということで交換されるといいと思えます。

目の細かい高性能フィルターほど、要求する油圧が高く、寿命が短くなるわけですが、
これは濾過する面積が同じ面積として比較した場合です。
当然、早く目が詰まってしまうのは困りますから
高性能な製品の方が濾過面積を多く取って、オイルの流れを妨げないようにも設計され、
現在では寿命も同じかそれ以上に長くなっているようです。
濾過性能としては
市販されている高性能タイプのフィルターで大体20ミクロンまで(普通25〜30ミクロン程度)の
異物を防ぐものもあるようですが、
一般に使用されている通常製品は40ミクロン前後(デンソー談)で、
良質とは言えない製品では50−100ミクロンぐらいしか濾過できません。
なお、現在のところ20ミクロン以下の高性能を出そうとしますと
濾過寿命が極端に短くなったり、オイルが流れにくくなったりと弊害になるようです。
5ミクロン以下までトラップ出来るようなフィルターでは、やはり寿命が長い設計が難しく
ガソリン車でも直接オイルポンプからの圧力で循環させる製品が待たれています。
フィルターメーカーとの話しでは製品としては1ミクロン以下の濾紙がありますので
製作は可能ということですが
実質上はオイル循環の障害となり、いつもフィルター交換が必要となり、製品コストも高くなるため
(高性能タイプでさえ2倍以上の価格ですから)
実用的ではなく製品化には積極的ではないそうです。
なお、オイルクーラーのようにバイパスを通してその分だけをゆっくり濾過するタイプですと
1ミクロンでも可能です。
この1ミクロンというのは、濾過性能に対するコストと
摩耗から見たエンジン保護の目的での異物の大きさを考えた上で
合理的な判断となっています。
現在私も使用しておりますが、初期投資コスト的には高価ですが、自動車が変わっても
オイルマウントなどの一部のパーツを変更をするだけなので
オイル寿命を2−3倍に出来れば、途中のエレメント交換や添加剤投入を入れても
採算的には十分合い、
資源の長期有効利用として環境にも優しい製品と考えています。
ただし、フィルターへ流れてこない=各パーツに付いてしまったスラッジはやはり濾過できませんので
完璧なものとも言えません。
1ミクロン程ではないのですが
こういった目の細かいフィルターが使用されているのは大型トラックなどですが
通常のフィルターに加えて、バイパス通路を通って別の2次フィルターとして設置されているか
一体型でも同じフィルター内に別室を設けて多段階式の濾過方法を取っています。
また、油圧が下がり、オイルランプが点灯する場合は、配管内に閉塞箇所がある他に、
アイドリング時に異常に低い回転数(400−500rpmとか)になっている場合とか、
プレッシャースイッチの油圧を計る穴がスラッジ等で詰まってしまっている場合や、
クランクメタル部のベアリングの摩耗により、オイルクリアランスがジャーナル部で外側に漏れてしまうことで起こってきます。
オイルランプはオイル残量計ではなく、オイルを圧送しているオイルポンプから各部へ油圧がきちんとかかって、
流れているかどうかをオイルプレッシャースイッチ部で測定した結果を判断しているだけですから
ランプが点灯し、気泡が含まれるようなオイル消費状態(オイルがほとんど無い状態)となった場合は、
エンジン自体が既に焼き付いている場合も起こるわけです。
オイルチェックと水(冷却水)のチェックはたまにされた方が良いでしょう。

 
 

B.2stエンジン

混合用のオイルはリザーブタンクからクランクメタル部へ行くものと、燃料に混ざってシリンダーなどを潤滑するものへ
2つに分かれています。
フィルターとしてはリザーブタンクの給油口にメッシュのストレーナーが設けられています。
オイル自体がガソリン同様に消費される構造ですから、4ストロークのようなフィルターが必要ないことになります。
 

C.ロータリーエンジン


オイルラインではオイルがシリンダーなどの熱を受け取り、冷却水などやエンジンのブロックを通して放熱します。
ですから、オイルの酸化劣化などによりスラッジやワニスやなど不溶解成分がオイル中に増えてきますと、
そういう劣化物はラインの側面に付着し、
通路が狭くなったりしますと、オイルの流れが悪くなってしまい熱を運ぶ能力が落ちてきますし、
放熱しにくいわけですから、更にオイル劣化を促進させ、悪循環を起こしてゆきます。

オイルに添加されている清浄分散剤で落とせないほどひどくなる頃は、通常の管理下ではないのですが、
 

燃料の循環

A.ガソリン
フューエルタンク→(メッシュフィルター)フューエルポンプ→配管(フューエル・パイプ)→フューエルフィルター※→デリバリーパイプ→
ここから
2方向へ向かいます。

他の車種やキャブレター車では燃料がリターンした後でフューエルフィルターに入り、
燃料タンクへ戻るなど、取り付け順が違う車種もある。
下記図のインジェクション用などに使用されるフューエルフィルター
曲がっている管の方が上に付き、デリバリーパイプへ向かう。(分解図は下段

1.デリバリーパイプ→インジェクターフィルター(メッシュ)→インジェクター→インレットマニホールドor燃焼室
2.デリバリーパイプ→プレッシャーレギュレーター→リターンパイプ→フューエルタンクへ

蒸発ガスなど:フューエルタンク→チェックバルブ→チャコールキャニスター→パージコントロールバルブ→サージタンク→
インレットマニホールド→燃焼室

錆の多いフューエルタンク
(拡大)

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このタンク内のフューエルポンプは錆のため作動せず、取り付けステーも同様に錆で覆われていました。
約1年半くらい、一度もエンジンをかけることはなく、停車しておいたそうです。
燃料は約半分ほど(30L程度)入れていたと思われますが、
実際に残っていたのは約20L程度でした。
切断して内部の様子を見ると、燃料の液面があった位置に模様が見られます。
なお、この写真のように通常は樹脂製の囲いにポンプのストレーナーが収まり、板状の仕切がある構造になっています。

使用しない場合は、ガソリンを完全に抜いてしまう事が出来ないので、満タンにしておくと良いと思われます。
給油口のふたに、スタンドでの「水抜き剤」のステッカーが何枚も貼られているのが印象的でした。
また、フューエルポンプの固定に振動防止用(?)の耐油性ゴムが取り付けられていたりしますので
そういった部品や配線などが変質したり、膨潤し溶け出したりするケースも見受けられます。

あまり長い放置をしますと、インジェクターのニードルバルブなどを固着させたりもしますし、
特にキャブレター車の場合はキャブレター内部でのガソリン劣化で起こる故障が多いので注意が必要となります。
フィルターで防げる事とは異なる上記のようなガソリンの蒸発や劣化による故障が起こる場合もあります。
中古車で過走行の場合、燃料フィルターの錆などでの詰まりや燃料ポンプ自体の不具合が発生することも多いのですが
きわめて距離が少ない低年式車の場合も、そういったパーツのチェックが必要なことがあります。

B.ディーゼル

吸入される空気

A.エアコン・エバポレーター
ゴミが詰まったエバポレータ−
(拡大写真はこちら)
(拡大写真)
(拡大写真)

フィルターの構造

フィルターの不思議
円柱形になっているフィルター、例えばオイルフィルター、フューエルフィルターなど、また一部エアフィルターなど
必ず、オイル・燃料・空気は外から進入して内側で綺麗になって、各部へ運ばれてゆきます。
濾過方式とすれば、コーヒーのドリップ式(ネル式もサイフォン式も同じ)などのように、内側から外へ濾過しても良いのではないかと
思ってしまうのですが自動車ではそうなっていません。
なお、こういう構造になりますと、目詰まりして濾過出来なくなると、その圧力で濾紙などが破壊されたりしますので
逆構造を取っているのかもしれませんね。
確かに、半透明の樹脂製フューエルフィルターなどの場合、外側から、フィルターの汚れ具合が確認できて、大変便利ですし、
エアエレメントなどでも、確認する際に、せっかく濾過したゴミなどをキャブレター内へ落とさず済みますし、
機能的と言えばそうなのかもしれません。
ですが、インジェクター式や直噴式でガソリンの圧力が高くなりますと
下記のように密閉式で金属で被われた構造となり、値段も高くなりますし
交換時期は走行距離によって決まってしまいます。
おおむね10万km毎が良いと思えます。

上記は12万km走行後のフューエルフィルターで、
走行中にエンストが発生したため交換。交換後は症状も出ないため、目詰まりしていたと思われる。
なお、フューエルフィルターの目詰まりでは、走行中でもエンストが発生するが、
しばらくして(すぐに掛かる場合もある)セルを回すと普通にエンジンが掛かる事が特徴。
なお、
似た症状では燃料ポンプの故障やそのオンオフを制御しているリレーの故障も考えられる。
燃料ポンプやイグナイターの場合は完全に回復しないか結構回復まで時間が掛かる。
制御系リレーの場合は、5−10分程度で回復することもある。
もう一つ同じような症状が出るのは
エアフローの故障を疑うと良いと思われる。
だが、これは診断機をかけると出てくるはずなので、ディーラーで判断してもらった方が
良いかもしれない。



この中央の細い線のような部分がヒーターとなっており、吸気する際の風で冷やされる事で
抵抗値が変わるため空気の流量が計算される。
当然、流量計算の基準となる外気温度は別のセンサーで測定されている。
 

とりあえずフューエルフィルターは
走行距離が多少多い場合や年式が古い場合などで、高速走行で急に出力が下がってきたなどと感じた場合は
交換しておくと良いかもしれない。


工事中
 

フィルタ−を付けていない箇所はどこか?
A.冷却水
ヒーターコアやラジエターなどのコア、あるいは配管に錆やカルシウム分、あるいはクーラントの劣化成分、
サーモスタットに使用されているゴムなどが劣化して剥がれ落ちてコア部に引っかかったりし、
目詰まりしてしまうことがあります。

このラジエターは比較的新しく5年間で10万キロ使用したラジエターですが、
水垢のようなゲル化した異物が挟まっていることがわかります。
(拡大図)
また、液体ガスケットの量が多すぎて、冷却水へ剥がれて、最終的にコア部に溜まって、コア自体が
フィルターの役割をしてしまい、閉塞することもあります。
冷却系のパーツ内の劣化物としては、上記がほとんどと言えますが、
クーラントに含まれる添加剤成分が希釈する水と反応して、沈殿物を形成する事もあり、
硬水などの使用が避けられる理由となっています。
もちろん、ウオータージャケットも金属ですし、アルミや真鍮など金属の配管やコアを冷却水が循環するわけですから
金属の溶解も起こり、腐蝕は避けられない事と思われますし、
冷却水が腐ったように匂う事があることから、水自体の腐蝕も影響があると思われます。
腐蝕は酸化反応を引き起こし、ますます金属の溶解を早めると思われます。
(拡大図)

ウォーターポンプの羽根の部分はボディに比べて特に腐蝕しやすく、
場合によっては、錆びて全てなくなってしまう場合も珍しくありません(図の右側)。
ただ、そうなるには、必ず兆候があります。クーラントの防錆剤がほとんど無い状態か薄すぎてほとんど
機能していないかになります。
何らかの原因でクーラントがにじみ出し、それを水で補充し続けたのか、
腐蝕して羽根が欠けたポンプのクーラントを送り出す能力が下がり、水温が上昇し、オーバーフローとなり、
リザーバタンクへ水をたし続けるという事で、更に防錆力が落ちてこうなったのか、理由は定かではありませんが
新車から7年目くらいでこういう状態にもなってしまいますのでクーラントの濃度や防錆剤の状態にも
注意が必要です。フィルターがなくともリザーバは半透明な樹脂製ですから、クーラントの状態も確認された方がいいでしょう。

冷却系では、特にフィルターを設けてませんので、ラジエターコアがフィルターとなってしまう場合が多いわけです。
上記の錆の大きな破片が流れてくれば、コアあたりで堰き止められ、コアが塞がってゆくと思われます。
通路が塞がれてきますと、冷却能力は格段に落ちて行き、防錆剤の劣化進行から
新たな目詰まりとなる錆を発生させたりします。悪循環によって加速度的に腐蝕は進行します。
フィルターによって、コアやバイパス配管などの目詰まりを未然に防ぐ必要があると思うのですが、
構造の問題からか、きちんと冷却水を管理していれば間違いなく錆を防げると考えられているのか
(クーラントだけでは保証期間だけの防錆能力と思われますが)
一部の企業がラジエタークーラント管理用に特別にフィルターを販売している以外に、
自動車メーカーが積極的にそういった機能を持った製品を取り付けていたり、販売する気配はありません。
もっともこのフィルターはLLCの交換時期を目で見て判りやすくするために、透明樹脂製で作られており、
濾過をする為のフィルターとしての役割は少ないようにも思えました。

アッパー、ロアタンク自体が樹脂製になったことで、ラジエターの寿命もコア以上に耐久性が落ちているように
思えるのですが
比較資料がありませんので、新車から10年後にどちらの方が機能を保全しているかは判りません。

クーラント液を薄める水質によっての事ですが、
冷却水にカルシウム分が含まれている場合は必ずと言っていいほど、コアの入り口に層を形成します。
最新の10年持つと言われる冷却水の場合は、希釈された状態でそのままラジエターへ入れるように
水質まで考えていますので、使用地域による劣化速度の格差は少なくなっています。
 

B.ウオッシャー液
ちょくちょく掃除するので、あったらありがたいのが、ウオッシャー液の配管詰まりを取り除くフィルターですが、
配管を閉塞させている異物のほとんどは「水垢」か「砂」か「カビ」などです。
ワックス掛けをしたときの塊がノズル部分の穴を塞いでいる場合もあります。
確かに、水ではなく「ウオッシャー液」を入れているタンクの方が、こういった閉塞は少ないようなのですが
フィルターを取り付けていなくとも廃車までモーターと共に動いている場合がほとんどですから
今後とも、採用されないかも。
 

工事中。



図は自動車整備士の教科書より抜粋

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