肩の凝らない、しかし、嘘かもしれないページ89

エンジンからの異音を消すには

工事中

自動車で気になるのはいわゆる「異音」という、通常消すことが可能な部類の音となります。
何らかの方法で小さくできるということですね。
本来なら発生してはいけない音なのですが、
回転したり、振動したり、こすれあっている面からは、大なり小なり音が出て来るのが当たり前で
こちらは諦めている方も多いのではないかと思います。
で、音ですから物の振動が関わっており、このHPに記載しているとおり
固体同士が摩擦している図を見れば振動がどのように生まれているかがわかります。
凸凹面で物が擦れますと、物は乗り越えるため絶えず上下して当たり前ですから少なくとも
ここで不特定な周波の振動が起るわけです。
話が逸れそうなので・・・。

前のページの油圧ラッシュアジャスターなども、最近のエンジンでは使用されることが段々少なくなって来ました。
極端にラッシュアジャスター音などのような音が発生しませんので
シムなどと呼ばれる摩耗を少なくした金属板でクリアランスを調整するエンジンが増えて来ています。
(参照:カムの下にある丸い金属板HPはこちら
もちろん摩耗して来ますと交換になりますが、
傷やオイルの管理が悪いと発生しやすい油圧と異なり、異音は発生しにくくなっています。
 

なお、繰り返しにもなりますが、
お寄せ頂いているラッシュアジャスター音の中には(走行すると異音が消えるケースなど)
オイルが劣化して発生するケースも多々見られるようです。
多くの場合、オイルの燃料希釈などが極端にあり、かなり劣化して粘性が低くなりすぎているものがあり、
停車中にオイルを保持できなくなってしまって鳴る場合など、
単にオイル交換だけで始動時の異音はほとんど直ってしまうこともありますので
オイルを酷使したと思う走行をされた場合など(下記条件で突然起こる事があります)オイル交換を
まずされて2−3日様子を見られても良いでしょう。
・交換までの期間が長い。
・アイドリングが長い。
・短距離走行が多い。
・高速連続走行が長い。
・消耗部品などのメンテナンスを手抜きしている。などなど。
なお、強力なフラッシングなどで逆に配管を詰めてしまって起きてしまう場合もありますので
このタイプのエンジンは特に慎重にしてください。
で、
エンジン音とは言えないのですが
運転席では、エンジンルーム内から発生する音はすべてエンジンの音となって聞こえてしまいます。
このため「最近エンジンがうるさいので」とオイル交換に来られた方のボンネットを開けますと
エアコンのファン音だったり、ファンベルトの音だったりとなることも多く、
エンジン周りからの音でもこのような別メニューとなるケースも出てきています。
というか、機械ですから、時と共に音質も悪くなって、大きくなって来るので
こういったエンジン音として出てくる箇所を探ってみました。

エンジンルームあたりからと限ってみても下記のような箇所が音を出しています。
○エンジン内部(オイルが循環している箇所)
1.クランク、メタル類のガタによる打音
2.タペットなどの打音
3.プーリーのガタを含むタイミングチェーンのゆるみによる雑音
4.ピストンの摺動・首振りによる打音
5.その他

○燃焼室内部などオイルが循環していない箇所
1.ノッキング音などの異常燃焼に関わる音
2.インジェクター作動音など
3.その他

○エンジン本体外
1.ファンベルトなどのベルト類(タイミングベルト・バランサーベルト含む)やテンショナーなど
2.プラグコードや配線などの振動音、接触音、打音。リーク音も。
3.パワステポンプ、エアコン、ダイナモ(オルタネータ)、クーリングファン、ウオーターポンプなどやその他の補機類(ターボを含む)
4.ショックアブソーバーやエンジン、ミッションなどのマウントゴム関係の吸振材(のへたりによる音)。
5.ドライブシャフトなどを含むリンク部のブッシュ・ブーツ。
6.ミッション・トルクコンバーターなど駆動音
7.取付けボルトなど固定部。
8.前輪タイヤ、ブレーキ周り、その他(リヤホイールベアリングのインナーカラー摩耗図

一つずつ調べてゆくと音の出る箇所はあらゆるところにあり、説明が大変になります。
ユーザーの側から一応「直せそう」な箇所の中から、
オイル・グリース関係の潤滑域で添加剤などで音を小さくできた箇所に限定して見てゆきますと
下記のようになります。

○ファンベルト類・・・鳴き止めスプレーなど(ただし応急的に)
○ベルト類のプーリーのベアリングの異音・・・グリース充填。ただし通常はベアリングの交換になります。
○パワステポンプなどの異音騒音・・・PSオイル交換や添加剤で解消・あるいは音質の改善・低減。
○ドライブシャフトの異音・・・・状態による。が、チキソグリースや鳴き止めグリースなどでほぼ解消。
○ウオーターポンプの異音騒音・・・NEW−MWなどで気にならない程度まで軽減。ただしガタのないこと。
○ATのギアやCVTの異音雑音・・・オイル交換や添加剤である程度うるささは低減される。
○エアコンコンプレッサーの異音・・・・添加剤添加で解消か低減。バルブ音の場合は無理。
                       (バルブ音は低圧のHC冷媒に変えると軽減することがある)
○ショックアブソーバーの擦れ音・・・潤滑剤の塗布である程度消えることが多い。


 
 
 
 
 

逆に、燃費向上グッズやそれらの添加剤、またはチューンなどの補助装置で異音が出てしまう事もあり
下記のような場合は、確認のため一旦外すとか、使用を中止するとかをされ
再現するかのテストを必ず行ってからメーカーに相談すると良いでしょう。

○燃費向上グッズ(取り付けタイプ)
○燃費向上グッズ(塗装・加工タイプ)
○燃費向上添加剤(燃料添加剤タイプ)
○燃料添加剤一般
○オイル添加剤
○スポーツエアクリーナー
○メーカー社外品マフラー
○その他プラグなどを含むチューニング・グッズ

これらのなかでノッキングに関係する場合があるのは
燃料系の添加剤やグッズやエアークリーナーが多くみられまして
取り外すと症状が消える場合が多いし、再度取付けるとまた発生すると言うように
再現性が多くみられています。
取付けた装置にこういった再現性がない場合は別を探す必要が出ます。

通常の対策では、ガソリンのオクタン価をあげる=レギュラーならハイオクに変える事で
解消する場合が多く、
取付けた装置に問題点がない場合はそれだけで十分な効果が得られます。

あるいはハイオクでも特定の箇所のスタンドで発生する場合は、
給油所を変えるなどで直ったりひどくなったりする場合は、
給油するガソリンのオクタン価の差が原因かもしれないと判ります。
スタンドが近くに何件もないと比較しにくいかもしれません。

オイルやATF交換前後で発生する場合もあり得ることですが、
これより困ったことには
市販の添加剤を使用しているうちに逆に異音発生の原因になる製品がある事です。
というのも、添加剤を入れているうちに異音が出るようになったケースを誰にも言えず、
メールなどでのご相談によって解決した場合が多少なりともあるからです。
特にオイルフラッシング剤は気を付けてください。
最近(05’1)オイル管理の悪いエンジン(h10式、走行39800km)のタペットカバーからの
オイル滲(にじ)みで
開けましたら・・・。
拡大はこちらのページで
と言うような状況で、(これはひどいですね。でも時々こんなになっているのはあるのですよ。)
このままフラッシングしますと良いはずがありませんので、これは先に掃除が必要です。
とりあえず、一部ですが下図のように、山のように出てきまして、

その後に、企業秘密(笑)のカーボンとスラッジ落としを行い、まあ下記ぐらいにしました。
(ユーザーさんの予算がありますし・・・)
それから、オイルで汚れをある程度流した後に
オイルシールやパッキン等の組み付けし元のように組み上げます。
それからもう一度、フラッシング用のオイルで簡単にフラッシングをし、
ゴミを取り除いた後、オイル交換。多分これからは大丈夫でしょう。

整備をされたことのある人なら判るのですが
炭化して薄い炭の膜ようになっているスラッジなど簡単に溶剤などで剥がれる事がないのですが
むやみに剥がしたらどうなるか
配管閉塞、プレッシャスイッチやクランクやラッシュアジャスター油路閉塞などで
オイルが回らなくなり
エンジンが壊れたかと思うほどの打音が発生するケースも多々あります。
ですから表面からゆっくりじんわりと落としてくれる添加剤が良いわけですが
そう言う添加剤は実際に走行して落とすようなタイプが好ましいと思われます。

参考までにH4式のセレナのガソリン車で226819km走行したタペットカバーを開けた写真ですが
(5倍以上の距離を走っていますし、使用期間も13年経っていますが・・・)
ディーラー推奨のオイル交換距離は3000kmなのですが、GRPを添加しているので、
オイル交換はその3倍から4倍の9000kmから12000kmぐらいでの交換しています。
そのままの状態でも上記の汚れを落としたエンジンより綺麗です。

良かれと思って入れて行くうちに逆に悪くなった事を相談されて
(もちろん当方で施工した例ではありません。念のため・・笑)
理由を聞いて、
「待てよ、ひょっとして・・・」と思い、
オイル交換や信用できる添加剤を入れる事で症状が緩和されたり
異音が消えて良くなる事が起こってきています。
こうなりますと、どこかで勧められた添加剤やフラッシングが原因になるわけで
相談された方と同じように、これでは本当に私も「添加剤嫌い」になりそうなのです。
(売るだけなんですね)

下記にも書きますが
ゴミが取れただけでも直ることが良くありますので
そう言ったゴミを詰めるようなケースにならないようにする事も大切です。

いつも口癖のように言うわけですが
インプレやデータが記載されていても、そう言う商品は最初から売るためなら
インプレも自作自演で誇大広告や嘘を平気で書くので
注意が必要です。
気を引こうと「これで○○がなおる!」等とあれば、まず避けましょう。
GRPのような製品の説明は逆に
「修復剤ではありません」ときわめて正直に書いています。
潤滑の問題で改善されることがあっても
一度起きた摩耗面が元のように盛り上がってくる事はありません。
共晶膜や油膜で代替え的にそれを行っているだけですから
(この事が特筆する効果なのですが・・・)
GRPを抜きますと元の摩耗面に戻るだけなのです。

記載しているとおり
オイル交換だけでも、ラッシュアジャスターの異音など直るケースはありますし、
(これはオイル交換でオイルラインを塞いでいた小さなスラッジが移動しさえすれば消えるケースがほとんどなのです)
調子の良い事ばっかり書いている添加剤では
ほとんど偶然的な要素で直るケースを書いているだけかもしれません。
内容に乏しい記事でしたら
パスする事をお勧めします。
その添加剤が本物でしたら、記載内容が技術的、化学的になるはずです。

そうだからといっても、わざわざ悪い添加剤をHPに書くこともためらわれ、
そう言った添加剤のことを書かないことで
その商品に疑問をもって頂ければ・・・と、暗に思うだけです。

あれ?また脱線・・・。

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