メンテナンス・メモ(その5)

このページ内容

  • アッパーマウントの亀裂
  • プラグの中心電極部の碍子破損
  • モーターの接触不良はゴミによる絶縁
  • ラジエターホースからの洩れ
  • 原付のタイヤ交換
  • アッパーマウントの亀裂

    ボンネットを開けて、点検しても
    アッパーマウントに亀裂が入っていることに気が付くことは無いため
    下記のような状況になって
    初めて気が付くことになる。
    なお、通常の走行でも大きな違和感は感じないので
    タイヤ交換やボディをジャッキアップするような点検時に発見される事が殆ど。


    見事にマウントゴムが外れてしまっている。

    プラグの中心電極部の碍子破損

    ユーザーの旅行中に起こったようで、行きの長時間登坂時はすんなりと加速していたが、
    帰りは登坂路で減速してしまい、ノッキングを起こしたようにカラカラ音が出るという。
    暑い時期だったのでガソリンの品質の問題でノッキングが発生していたためか、
    ハイオクに変えるとしばらく調子が良かったというので見過ごされてしまっていた。
    寒くなって、再度高速登坂走行をする事があり、ほぼ同じ状態になったため入庫。
    テスト走行でふつうの走行は全く違和感がない。
    かなり急な坂もある程度ふつうに登る事を確認したが、
    登坂時の急加速では(3000rpmから一気に6000rpmへ)ノッキングが発生したためプラグの点検をした。
    下記のように、1本だけ中心の碍子がきれいで、割れており、
    他のプラグと比較してもねじ部が濡れているので失火しているのがよくわかる。
    また写真では新品と比較して外側電極側へ中心電極の碍子は若干スライドしているのが判る。
    この部分はセラミックだから延びることは無いので、中の方で割れているはずで、
    実際後で触ってみたら、碍子が回転して出てきた。
    通常、プラグは下向き(このエンジンでは斜めに入っていた)になっているので
    振動で更に割れると、碍子が燃焼室へ落ちていたと思われる。

    同じようにノッキングとか加速しないとか似た症状を起こすのは、プラグコードのリークが
    典型的で、最近のエンジンでは
    プラグのターミナルに直接取り付けているイグニッションコイルの不良の場合でも同じ。
    やはり点火しないわけだから、こちらも同様に加速不良が起こる。
    ちなみにプラグ毎に付いているダイレクトタイプでは無いイグナイターの場合は
    全プラグ、あるいは2つの共有しているプラグに同時に点火しないので
    ほとんどの場合、不調時はエンジンが止まるので判りやすい。


    こちらに大きい画像があります。
    通常、外気が高いとオクタン価不足でノッキングは起こるが、特殊な場合もあるという例。
    ピストンリングの欠けた物の場合もそうだが、この欠けた碍子もどこへ行ったのか・・・。

    モーターの接触不良はゴミによる絶縁

    エアコンやヒーターなどに付いている送風用のモーターが作動しなくなったので分解しました。
    ブラシはまだ十分あるのに、何やら茶色い、まるで錆か銅粉のような色の物が見えています。

    モーターとしての構成パーツはほぼ同じで
    ですから、これはセルモーターにも、パワーウインドなどのモーターにも当てはまります。
    外側の金属についている磁石と回転するロータが接触しますとロータは回転しませんので、
    そのローターの軸の上下の端にベアリングで固定されます。
    (隙間の広さが広いと要求電流が多くなりますので、出来るだけ狭くしています=高い精度が必要ということです。)

    このベアリング自体の取り付け台座にも多少のガタは出ていましたが
    空転させれば、ガタが出ている様子もなく、故障したか判らない様に回りますので
    それらの接触による故障ではありません。
    こちらに大きい画像があります。

    で、実際に、このままの状態でも、元のように組み立てて電源を入れますと、勢いよくモーターが回ります。
    ということは、故障の原因は接触不良となります。

    電流が流れるのはブラシと
    コンミュテータ(写真の左下にあるアーマチュアコイルという電線の巻いた部品の手前の「ストライプになった部分」)ですが
    この表面に傷や偏摩耗、あるいは焼損(電気火花でよく起きる)がありますと
    ブラシと引っかかったりし、回らないことやブラシの急速な摩耗が起こりますので
    注意して確認してください。

    ポイントとして明らかに他のセグメントと異なる変形、隆起や割れがある場合は
    他の中古と交換した方が無難です。また故障が再発する可能性が高いからです。
    自動車で使われているモーターでの故障はこういった接触不良、絶縁が原因の場合が多く、
    セルモーターでも、他の機構になるヘッドライトなどのスイッチでも同じ事が多いと言えます。


    なお上記の絶縁体となったゴミを集めて見ますと、ほとんど服などの繊維質、毛髪などでした。
    茶色いのは、銅の酸化物と思われますが、

    テスターで上記の導通を調べますと、絶縁体との結果でした。
    絶縁物を少なくする意味で潤滑剤を塗る場合は再付着しやすいので最小限にした方が
    良いかもしれません。そういった意味でグリース系のものはブラシとコンミュータの間には塗らない方が良いでしょう。


    ラジエターホースからの洩れ


    ラジエターホース自体も柔軟性があり、ゴムも劣化していない様子。
    なのに、サーモスタット上部からラジエターへ向かうアッパーホースに滲みがあるので
    サーモスタットやガスケット、また同時にその周辺の下部でクーラントが付着しているバイパスホースなどを
    交換する作業となりました。
    不思議に思ってホースクリップを挿んでみると(右の金属の端の出っ張り)、うまく広がってくれません。
    ホースからのクーラント滲みの原因は
    どうもこのクリップの亀裂によるものと判ったわけですが、
    この亀裂がどうやって起こったのか?(金属疲労か製品の不良?)
     

    原付のタイヤ交換

    原付のタイヤ自体はタイヤのバルブから空気を抜き、バールなどで外せば
    ある程度簡単入れ替え出来ます。
    組み替え時にタイヤの回転方向がありますので
    下記右の写真ように矢印マークを見て
    間違えないように注意すれば誰でも出来ますので試してください。


    大抵の原付はフロント側はセンターのネジを外すだけで
    ホイールが外れます。ショックアブソーバをずらし
    ドラムブレーキもそのまま外れます。
    ネジの取り外しには12mmと14mmのメガネレンチ使用。
    フロントタイヤを浮かすためボディの下にジャッキなどを当てて
    浮かした方が作業しやすいです。(普通は専用スタンドを使います。)


    これはDIOですが、後輪のホイールを外すのに手間がかかる場合があるかもしれません。
    タイヤがマフラーに当たるので、マフラーは外します。


    まず座席は数ヶ所のネジで止められているだけです。
    大抵は10mmのソケットとプラスのねじ回しはあれば外せます。
    この中の下にマフラーの取り付け部があります。


    マフラー取り付け部はガスケットがありますので
    壊さないように抜きます。


    マフラーを外せば22mmのレンチでセンターボルトをゆるめるだけ。
    なお、外すときはブレーキをかけ、接地させて回せば楽です。
    (上記はタイヤ交換済み)


    ブレーキライニングが減っていたら、この際交換した方が良いですね。
    タイヤ自体の交換は
    空気を抜いてタイヤの端からレバーを入れて、
    (面倒なら足で踏んでタイヤを一旦内側に押し込む)
    バールなどでタイヤをホイールの外へ外し、
    リムにそって回せば外れます。
    出来れば、バルブ自体も新品に交換しておきましょう。
    (この後はチェンジャーで外しましたので写真無しです。)
    空気圧はボディにシールなどで記載されていますので規定量入れて
    後日もう一度確認してください。
     
     

    メンテナンス・メモ(その1)
    メンテナンス・メモ(その2)
    メンテナンス・メモ(その2-1)
    メンテナンス・メモ(その3)
    メンテナンス・メモ(その4)
    メンテナンス・メモ(その6)


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