スーパーFV

極圧剤と洗浄剤のバランスがいい添加剤

ワコーズの新しい添加剤です。
エステル系ベースオイルに亜鉛系(ZnDTP)+有機モリブデンを配合して、
清浄分散剤としては高塩基性カルシウム(Ca)スルフォネートと
マグネシウム(Mg)スルフォネートに加えコハク酸イミドを加えています。
代表性状は下記の通り。
 
 
密度15度C(g/cm3 動粘度cSt(40度C) 動粘度cSt(100度C) 全酸価mgKOH/g 全塩基価mgKOH/g 値段/単位 引火点 流動点 粘度指数
0.9437 53.57 8.926 5.01 45.8 2500円/350ml 226度C −45.0度C 146
資料提供 WAKO'S

 

 

清浄分散性自体は前からある「フォアビークル(=FV)」の方が優れているけれども、
耐摩耗性などは勝っています。
特に合成油が増えてますので、そういったオイルには向くようにしています。
エンジンの維持管理に有効です。

比較データ

試験油にダッカムスの「NAスポーツ」5w−40を使用。
ハンドチムケンなので誤差が多いかもしれないが、極圧性は下記の通りです。

 他の製品と比較しましたので、参考にしてください。
なお機械の性能上の最大荷重は700kgです。

 テスト日時98’11’21−晴天−外気温約20度C
テスト機器:チムケンテスター(ハンド式)
なお耐圧荷重値の機械による違いは(ある機械で200kgfでも、別の機械で300kgf出たとか)
同一機種、同一時間でないと(であってもと言う方が正しいのですが−−
後の方がオイルの温度などで良いデータが出やすかったりします。)
比較できませんので、違いはこのデータの内部だけでしか判りません。
製品名 最大荷重(ロックするまでの耐圧性) テストピース削れ
基油(NAスポーツ) 300kgf前後(これは結構良い数値です) 5−7mm
スーパーFV 500−550kgf 4mm前後
ミリテック 600kgf前後 4mm前後
水溶性添加剤(RA−−) 300kgf前後(変化が判らず) 5−7mm
GRP 700kgf以上(ロックできず) 2−3mm
参照
スキル−E(テストせず=参考値) 700kgf以上(ロックできず)
なおGRPに関してはベアリングをパーツクリーナーで洗浄して、オイルがない状態で再度テスト。
やはり700kgfかけても、ロックできませんし、テストピースも先のテストで2-3mmの削れから ほとんど増えていませんでした。ちなみに同一テストピース使用です。
また参考データとして、他でテストしたスキルEの場合、やはりGRPほどではないにしても オイルレスでしばらくは最大値までロックしませんでした。
また、ミリテックは表面温度に関係し、処理される添加剤ですので、こういうテストでの成績は 不利になる可能性がありますので、ご了承ください。

 また、スーパーFVは製品が新しいためデータが少なくテスト車での実車もしておりませんので、 ご了承ください。

 また同時に水溶性添加剤をテストしましたが、基油オイルだけよりも本来は焼き付き圧力は高く
なるはずですが、(PAOやエステルの基油よりも極圧性能がいい場合も多くあるのですが、あくまでもベースオイルでの比較上の向上ですから・・。 大体が300kgf前後のようです)NAスポーツの添加剤の性能(有機Mo配合です)が良いため、 比較できなかったものと思われます。
後日、最大極圧が半分の機種で調べてもらったところ大体340kgf以上の極圧性があるようです。
ただし、オイルとの攪拌がうまくゆかないのか、1%−2%の添加率で効果が現れました。 (メーカーの推奨添加率0.1%)
また、このタイプは金属に結合膜を形成しないらしく、拭き取ると元のオイルだけの極圧性に戻り ロックするようです。

 GRP社に「MW」と言う水溶性添加剤がありまして、比較するとこちらは0.1%ですぐ 極圧性が出ますので、いずれ比較テストも考えています。
本来、油性極圧剤とこういった比較テストをする事自体無理かもしれません。
オイルとの分離の問題や腐食性の問題も考えなければいけません。

inserted by FC2 system