肩の凝らない、しかし、嘘かもしれないページ


よく、
”1リッター3000円もするからいいオイルだ”とか
”安いので 1000kmごとに交換してる”とか
”いいオイルは洗浄力が高いので 早く汚れる”などなどと
巷の会話を聞くのですが、いったいどこまでが本当で どこまでが嘘なのか・・・。
少しづつ私見を交えて、嘘もあるかもしれませんが
よもやま話として思いつくまま見てみました。

エンジンオイルの値段と性能について

オイルのメーカーではないのでオイルの原価などはよく分かりませんが、 オイルはディスカウントショップの
1リットルあたり200円ぐらいから プレミアム的な5000円ぐらいまでの価格帯があります。
どこが違うのか、普通はまず分かりません。

定価または標準小売価格というのは消費者が決めたものではなく、
生産者か流通業者間によって決まるのかなので、一般の人はとにかく、
”高いものは、いいものだからだろう”という”感じ”としてしか判断できません。

中身が同じものを別々の容器にいれて、一方をもう一方の2〜3倍 の値段で売ったとします。
よく、ドッキリ的な番組がやるようにしてみたら、どういった反応が返ってくるのかな? と思うことがあります。
何故かというと、自分自身、気分の違いだけで エンジンの調子が良かったり悪かったりを感じるからです。
実際の性能の僅かな違いは、かなりわかりにくいものです。

ですから、その性能を機械的な評価にしてデータを出すように、
メーカーでも 努力しているわけですが、同じ機械で同じテストをしているわけではないので
データで評価をすること自体が非常に難しいのです。

また、同じ機械を使っても、テストピースの表面精度や、材質の差があったのでは、
差が出てきても当たり前という状態になってきます。
実際、テストでは、同じオイルが全く性能の異なるものと見えるほど、いろんな結果を 出すことだってあります。

測定誤差はどんなに測定機器が優秀になってもつきまとう問題なのです。
ましてや、オイルの場合10も20も添加剤が入っていれば、出来上がったオイルが
いつも同じであるとは思えません。
中にはベースオイルの品質が違うものさえ あるのですから・・・。

では、どうやってより性能のいいオイルを見分けるのか、というと、実は
私も分からないわけでして・・・。
ホームページを書いている割には、何とも情けないわけです。

しかし、ひとつだけは確実にわかることがありました。
それは、定価の安い高いではなく
流通の卸の段階のことなのですが、 卸値が高いオイルは、性能も高いと思える。
ということです。

一応、オイルも消費者に選択される余地がありますので、定価に沿った値段も 考えられるのですが、
ブランド代や宣伝費がかかってますので、意外に 一般ユーザーさんとは違った評価になります。

一般には売られていないオイルが自動車関連業者の間では使われている事が多くあります。
性能は高品質である場合が多く、値段も安いのですが、最低でも20リットルペールかドラム缶単位になり ます。
業者にとっては、軽から3ナンバーまでカバーするオイルですから品質を問わざるを得ません。
しかし、安くなければ採算が合いませんので、オイルメーカー各社とも、特別扱いの商品を 業者向けに当てています。
流通の卸でこの辺りのオイルがひとつの基準ともなります。

いろんなオイルをテストしてきましたが、
いろいろと手を尽くして調べた卸値の高い製品は やはりそれだけの性能があるのではないかという考えが持てるようになってきました。
1つのオイルを200リットルまとめて仕入れれば、かなりよく分かってきます。
でも、どのオイルがどうだということは業者の立場からは、言えませんので ごめんなさい。

 ちなみに、ここページ記載時点での現在比較しているものは、
グレードは”SJ”ベースオイルとしては ”部分合成〜100%合成”APIは”10w−40”で、

1.初期性能の違い
2.オイルの耐久性
だけを、調べています。
目的は、添加剤との相性に関することです。

初期性能の違いとオイルの耐久性とは意外と関係深く、
初期性能がいいと
耐久性つまり長期間使うと最初の状態からはかなり劣化してしまう

初期性能があまり良くなくても値段が高いものは
長期間使用してもそれほどは劣化した感じがしないという傾向があります。

そのため、長期使用しても劣化しにくく、オイルを入れ替えたとき、
そこそこの 満足感が得られるような、商品を使用したいと思っているからです。
添加剤を入れることも考えていますので、極圧剤があまり多く入っているような 製品は、少し避け気味。
後に入れる添加剤の方がいいものであるため、 最初の成分を抜いてもいいと思っているからです。

その添加剤の値段分、ほかの性能を伸ばせる方がいいからです。

以上は添加剤を入れることを前提とした考え方なのですが
普通のオイルだけの交換を考える場合は極圧剤や減摩剤が多く入っていることがいいオイル ということになります。

 実際、安心できる価格帯はといいますと、使用条件で大きく変わりますが、
4リットルで定価5000円 以上ではないかと思います。
はっきり言いますとそれ以上の性能を求めるなら 添加剤のいいものを入れた方がよっぽどいいと思うからです。

 もちろん、添加剤の性能も気にしなければならないのですが、販売上のコスト対流通価格を考えると、
高価なオイルはベースオイルの方を重点に置いて設計されることが多く、その方に多くの コストがかかってしまい、
添加剤に多く出費出来ないという経緯があります。

 例えば、4リットルで6000円するオイルがあるとして、添加剤を3000円分余計に入れて 4リットル9000円で販売しようとしても、
性能がいくら良くても果たしてどのくらい売れるでしょう?

 ましてや、その添加剤が他社から仕入れて入れる場合は、商売としてもっと利の薄いものになってしまうのです。
それに、オイル交換の回数も、製品の耐久性が上がれば減ってしまいます。

 実際にオイル関連の経営にとって悪い方向へ向かいます。
(自然にとってはいいことかもしれませんけれど・・・)
けれども、
低品質のベースオイルに高級な添加剤を入れてもあまり効果ある事とは思えません。
入れないよりは入れた方がいいのですが、今までの結果から見ていると、
やっぱり、いいオイルを使った方が いい結果が出ています。念のため・・・。


際限なく続きそうです。次のページへ

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