肩の凝らない、しかし、嘘かもしれないページ55

オイルや添加剤でどれぐらい、自動車自体の使用期間がのばせるかと言うことに関して考えてみますと、
普通はエンジンより他の所の方が壊れやすいわけで、
特に「動けばいい」と言う考え方なら、定期的なオイル交換や一般的なメンテナンスだけで
済んでしまうようになりました。
ですから、最小限必要な交換部品をすれば、1500ccクラスでも20万キロぐらいは
耐久性があると言えそうです。

私の小さい頃に走っていた自動車と異なり、部品の耐久性も格段に向上しましたので、
今の自動車なら最初のメーカー保証期間ぐらいで壊れる部品も滅多になく、
早期に新車を乗り継ぐかたにとって、それさえも必要のない程度のメンテナンスで済んでしまうようになってしまいました。
ですから、してもいないのに整備記録簿を書いて、車検ラインが簡単に通ってしまうわけです。
それぐらい部品の耐久性は向上したと言うことになります。

まあ、それなら自動車のメーターの走行距離を改ざんできなくし、
部品耐久性を使用期間と使用距離の両方からメーカーが保証しているように車検もそういった形式で
すればいいように思えてしまいます。
(ブレーキの整備などは車検時にそういった傾向も出てきました)
そうすると最初の車検だけは乗る人と乗らない人で、その時期がバラバラになってしまうわけですが、
国も最初に重量税をその期間取っておけばいいわけで、
途中で抹消しようと返金されないのですから、丸儲けと言うわけです。
(自賠責保険と自動車税は申請すれば未使用期間分は返金されます。)
ただし、自動車税滞納者の数は増えるでしょうし、国も税金の収入源が期間が長いと不安定になるので
しないでしょうね。
陸運局の方との雑談で、局の方はもっと過激(?)で、
「税収さえあるなら、車検など無くても国は何も困らない」様なことをお聞きしており、
車検と言うものも含めそういった金銭的なものが中心的な世界にいることを
改めて考えさせられる思いがしました。
ちなみに今まで1年車検だった「貨物」もここ2−3年の内に「2年車検」となるわけですが、
これも税収対策の1つなんでしょうかね?

と、冗談(?)はさておき、
メンテナンスコストのうち一番先に来るものが「エンジンオイル交換」なのですが、
新車を買ってから車検までにメンテナンスとして費用がかかるものと言えば
ガソリン代とオイル代ぐらいの方も相当おられるのではないかと思われます。

実際、消耗部品として車検までの3年間で出てくるのは、使用距離を1万キロ/年としてみれば
3万キロぐらいですから、ほとんど何もありません。
オイルやガソリン以外に、強いて言えば、使い方によって、
タイヤの摩耗による交換かバッテリー上がりなどによる充電や交換か、フロントブレーキパッド交換などなど、
そんなところでしょう。
ミッションオイルやデフオイルなど別に新車充填のもので、交換せずとも壊れることはないでしょう。
もし、これぐらいで壊れる部品があってはメーカーも保証など怖くて出来ないことになります。
(リコールはこの際例外とみなします。)

と言うことは、オイルや添加剤について高級なものを使用すると言ったことは、
ほとんど「趣味」と見なされても仕方のないことでして、
年間1万キロで走られる方にとって7年間で償却を考えていれば
車検3回=7万キロですから、まず大きな部品交換も無いわけです。
オイルだって普通のオイルで十分とも言えます。

ですが、これはあくまでも個々の自動車の製品のばらつきが無い状態と考えての事であって、
設計上の耐久性はともかく、実際に途中で壊れる場合だって十分起こっています。
乗り手(使用状況)次第で耐久性が随分異なる事は周知のことと思われます。
ですから実際に走行距離「7年間で7万キロ」を走った場合、
新車を購入された時点で、すでにその自動車の全体的なバランスは決まっていますので、
その後どこか調子が悪くなるかどうかは初期状態によるのかも知れません。

7年間で約30万キロ走行したエンジンでもそれほどメンテナンスをかけていないにも関わらず
(もちろんタイミングベルトやその他の定期交換はしていますが)ノントラブルだったり、
5年で3万キロしか走行していないのに故障したりなど、あります。
1つのパーツ不良が元で全体を悪くしてしまうことも多々あることでして、
時間が経つほどその差が開くことも事実と言えそうです。
普通「当たり外れ」と言われる事なのかも知れません。

特に中古車を扱っていますとこういったことが顕著に現れているようでして、
昔のように10万キロが耐久性の目安ではありませんので、
ちょっとしたメンテナンスをしているかどうかが、その自動車の耐久性を決めているという事実も同時に
わかるわけです。

仕事柄としては、そういったちょっと悪くなっているパーツを探し出すのが仕事なのかも知れません。

前のオーナーがわかっている車を扱うことが多いのですが、
そういった自動車はメンテナンス歴もわかっていますので
整備するにも楽なのです。

特に不具合が出ていなければ、後は部品の耐久性にかかっているわけなのですが、
それでも大体察しがつきますし、
ある程度走行した自動車ばかり扱っていますとたいていの場合、
どこをチェックすればいいかが経験上わかってきますので、
購入される方が「2年後は乗り換えるので・・・」と言われても、ほとんど無視して、整備してしまうわけです。
大抵、そういっておられる方も、エンジンなどの調子がいいと、
車検に持ち込まれることも、承知しています。
(だから、いつまでも大きくなれないわけですが・・・)

全く元のオーナーのわからない自動車の場合、
不具合と思われる箇所がその自動車のパーツとしての不良なのか、
そのユーザー自体のメンテナンス不良によるものなのか、
あるいは別の理由なのかを見つけだすのには結構時間がかかりますし、
特殊な部品の不具合だったりした場合なども、面倒です。

しばらく乗ってみなければ症状が出てこない不具合箇所や、たまにしか発生しない症状の場合も
ありますので、それがどこの症状かを確認する事が難しいのです。
また、そういった症状がその自動車特有の現象だったりする事もあり=故障ではないというケースも
しばしばみうけられます。
ただ、そういった事があってもエンジンの状態が良ければ修理されてしまうことが多くありますので
「やっぱり自動車はエンジンの状態」と言うことが言えるのかもしれません。
(最近はATも高いのでATが壊れても乗り換える事がありますが反面修理される方も多く、このあたりは
修理代と車両の価値とのバランスなのですが・・・)

で、どうしてオイルや添加剤なのかと言いますと、
電気系は除いて、ほとんど具合が悪くなると「音」が出るからですし、
信頼できるオイルや添加剤を使用していますと、少なくともエンジンから発生する音が小さくなりますので、
少しでもエンジンの始動性が悪くなったり、
加速感が落ちたり、違和感があったり、異音が出てきますと
ユーザ−自身が気がつくから、整備に持ち込まれたり、質問されたりしますので、
早期発見も出来、メンテナンスが周到に行われるからです。

また、そういった添加剤の使用によって、余程のことがない限り「エンジン関係でのトラブル」と言うことを除外でき、
故障個所の正確な診断が下せるようになる事も事実です。
故障でなくても、オイルや添加剤などで、自動車の調子がいい状態になっていますと、
その状態が普通の状態になってしまうわけですから、
逆に「どこか悪くなってきた」場合には顕著に感じることになるわけです。
僅かな性能アップはあまり感じられなくても、僅かな性能ダウンの方は気にかかりますものね。
オイルの交換などもそういう事で判断されている方が多くいらっしゃいますが、
意識されている方にとっての感性は結構鋭いとおもいます。
(それがこうじてきますと、マニアとかおたくとか言われてくるわけですが・・・。笑。)

エンジンの調子を維持するためには関連部品全体のバランスが大切でしょうが、
その中の1つのパーツとして考えてみますと
本来そのエンジンが持っている性能を出し切るオイルや添加剤と
普通使われる妥協型のオイルや添加剤との間には
全く違う感性の方向があるわけで、
2つの感性がいつまでも相容れないということは仕方ないことでして、
それはそれで
またいいことなのかも知れません。
 

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