成分で添加剤の効き目がわかる?
1)オイルと分離するタイプか溶融しているタイプか
うまくまとまりませんが類別しました。
1.固体の有効成分
層状物質系・軟質金属系・硬質粒子系・高分子材料系・その他の化合物などがあります。
層状物質系
ボロン系(Bホウ素化合物)窒化ホウ素
フタロシアニン
C(グラファイト)系・フッ化物
ヨウ化物
硬質粒子系
セラミック.Al2O3アルミナ.Si3N4窒化ケイ素
ダイアモンド粉末
チタンTI
軟質金属系
Pb(鉛化合物).CaF2
Cu銅.Pb鉛.Sn錫.Au金.Ag銀などの混合物、または合金
Tiチタン
Bボロン.窒化ホウ素
高分子材料系
テフロン(PTFE.ポリテトラフルオロエチレン.フロロカーボン)
ポリイミド
高分子ポリマー(ほとんど液体ですが)粒子
その他の化合物
Siケイ素.シリコン(有機ケイ素化合物は液体が主)
低剪断材料(フッ化物・硫化物・酸化物)
微細ガラス繊維類
波動、振動などを利用した触媒的成分(不明)
2.液体の有効成分
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1.主に極性を持ち金属表面に潤滑膜を形成するタイプ
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2.成分自体が摩擦熱などによって変化し固体潤滑膜を形成するタイプ
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3.金属自体に浸透し(拡散)その組成に変化を与えるタイプ
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4.粘度向上剤として働くタイプ
などに分けられるように思われます。具体的にはまだ分類できていませんが下記のようなものがあります。
有機金属系(C+金属元素).Caカルシウム.Mgマグネシウム.Ti.Zn亜鉛.Fe鉄.Mo.Liリチウム
動物性油脂−−スクアラン(鮫の肝油・・植物油から合成されることが多い).鯨の脳油.牛脂など
植物性油脂−−ホホバオイル(サボテン油).パーム油.ひまし油など
ポリマー系樹脂−−液体高分子樹脂類、特殊なポリマーなど
パラフィン(ナフテン、ベンゼン系もある)系鉱物油−−塩素化パラフィン(ハロゲン化ハイドロカーボン).イソパラフィニックハイドロカーボン.高分子クロロ.また、特殊な異性体構造を持つ炭化水素を”触媒”として利用するとされる添加剤などもあるようです。
合成油−−ジエステル.リン酸エステルなどエステル系合成油など
共晶膜形成化合物、化学薬品的化合物、
※固体へ化学反応する反応被膜
化学反応を起こした反応膜が潤滑を向上させるタイプ・・・硫化水素(処理)など
添加剤の分解によって摩擦面に異なる化合物(固体膜)を生じさせるタイプ・・・いわゆるin situ(インサイチュー)膜を形成するもので有機モリブデンなど有機金属系やボロン系の一部などが入ります。オイル添加剤としてはここでは固体膜形成以前の状態で考えます。
※添加剤ではなく(オイル側に添加せず)摺動面表面や金属自体を処理する方法
この場合は固体潤滑と言えますがオイル添加剤ではありませんね。
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メッキ・・・基本は電気メッキで、すずメッキ・クロムメッキ・ニッケルメッキなど、複合分散メッキなどもあります。
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スパッタリング・・・加速した粒子を固体表面に衝突させると、その表面の物質は原子状に飛び出します。その原子を(粒子を)別の金属表面へ堆積被膜をつくる方法。代表的には二流化モリブデンがあります。
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イオンプレーティング・・・メッキ材をイオン化して、電場で加速し固体表面に金属被膜をつくる方法
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溶射・・・フレーム溶射・プラズマ溶射などがあります。材料を加熱して溶融または半溶融にし、柔らかい材料の状態で高速度で母材(金属表面)に吹き付ける表面処理。フレーム溶射はほとんどの金属を、プラズマ溶射はそれ以外にもあらゆる材料を吹き付けられます。
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窒化・・・塩浴窒化・ガス窒化・イオン窒化などがあり、拡散浸透処理になります。浸炭・ホウ化も同様で、被処理材と固溶体もしくは、化合物を形成することによって、合金元素の硬さなどを変えることが目的になります。
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焼結・・・合金・セラミックスなどに異なる材料を加圧成形したものを加熱して結合させる方法。ブレーキパッドなどもこの方法と言える。
2)摩擦係数(あるいは摩耗)を下げる成分
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上記添加物すべて(摩擦係数または摩耗を下げない添加剤はない)
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固体潤滑剤全般、油性剤全般、表面改質剤(化学結合型)全般
摩擦係数については実際は変化が無い場合もあるのですが、
金属面の表面の粗さを滑らかにする事により 摩擦が減り、結果として摩擦係数が下がったようになるものもありますので、
極論的には摩擦を減らすということになります。
もちろん、摩擦係数を下げたのと同じ効果と言えます。
また表面硬度を上げることによる摩擦係数低減や摩耗量減少の効果もあります。
ただ、気を付けたいことは、違う成分の添加剤を同時に使用すると、相乗効果を起こし良くなる場合もありますが、
逆にお互いの添加剤成分の効果を十分発揮させなくなる場合もありますので、
添加する場合は同時使用は出来るだけ避けた方がいいと言えます。
例えば亜鉛系酸化防止摩擦調整剤のZnDTP+有機モリブデンは相乗効果が確認されていますが、
有機系PTFEと有機モリブデンは余り相性が良くないなどと言われております。
オイルに含まれる添加剤成分との関係やそのオイルに含有できる許容量などもあり、
効果を期待できないこともあります。
一応こういったことは、添加剤メーカーである程度確認されていますが、商品の開発が遅れてしまうこともありますので
「鉱物油には効果があり、合成油にはあまり効果がない」と言うこともあったように思われます。
また、同じ成分が主成分である添加剤が違う商品名で販売されていたりもしますので、
よく確かめておかれた方がよいでしょう。
摺動部において、2つの固体(金属)が凝着を起こさないようにさせることが目的なのですが、
一般的には硬い表面に柔らかい膜がある方が摩擦摩耗においては好条件になるようです。
摩耗を減らすには表面が硬い方がいいわけですが、それでも金属は摩耗するため、
ある圧力以上になると換えってその硬い摩耗粉のためにアブレシブ摩耗が促進されてしまうことも
あります。
3)金属表面上にコーティングする成分
表面改質のうち、防錆防食、低摩擦や耐摩耗性を付ける事が添加剤でのコーテイングになるわけですが、
普通は「被膜処理」がある場合のすべてを指しています。
添加剤のパッケージに記載されている表現としては、「油性剤」も含まれるようですが、
その成分によって、耐摩耗性酸化膜を形成する場合もありますのでそれらも含めます。
テフロン系は一般的にオイルや金属との親和性(くっつく力)が弱いため、無潤滑油を求められる製品に複合材料として
添加されることが多い。オイル中では摩擦係数低減剤として以外にクリアランス充填剤としての記述が記載されているようですが
その性格から理由が不明。
ポリマー系は粘度を保持することでクリアランスを充填しており、粘性抵抗と気密性の関係から、
昔から使用されているわけですが、
非ニュートン流体として粘性抵抗を下げるような商品が今後も開発されていくでしょう。
合金系はどちらかというとメッキに近い形態で、膜圧は低負荷で保持されやすいと思われますが、
境界潤滑に対しては剥離し易いと思われます。
ある程度金属に対して修復効果を謳っている商品もあります。
油性剤などとともに
化学結合を伴う表面改質は表面の硬度を上げたり、酸化物を形成したりするため、
最もポピュラーになっています。
ただ、化学結合による金属へのダメージも考慮する必要があります。
膜厚から考えますと気密性だけを取れば
合金メッキ系>ポリマー系>テフロン系>化学結合型表面改質剤系
と言えそうですが、
摺動条件で変化しますので、
実際の所は使用されての結果と言うことしか答えになりません。
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テフロン(PTFE.ポリテトラフルオロエチレン.フロロカーボン)
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Cu銅.Pb鉛.Sn錫.Au金.Ag銀などの混合物、または合金
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ポリマー系樹脂−−液体高分子プラスチック樹脂
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共晶膜形成化合物、化学薬品的化合物
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モリブデン(Mo.二硫化モリブデン)C(グラファイト)
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有機金属(C+金属元素).Caカルシウム.Mgマグネシウム.Ti.Zn亜鉛.Fe鉄.Mo.Liリチウム
4)金属表面を柔らかく(表面処理)する成分
切削油などで使用されることも多く、表面活性を
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塩素化パラフィン(ハロゲン化ハイドロカーボン)
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化学薬品的化合物、極圧剤(りん、イオウ、塩素などを含むことが多い)
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リン酸エステル系
5)スラッジなど汚れを落とす成分
6)速効性(入れたらすぐ効果が現れる)タイプ
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モリブデンなどの固体潤滑剤
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有機金属系やポリマー系
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塩素化パラフィン系の表面処理剤や化学薬品類
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動・植物油脂系やエステル系合成油
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テフロン系
7)遅効性(効果が現れるまで時間が必要)タイプ
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機能性化学薬品や共晶膜形成化合物
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Cu銅.Pb鉛.Sn錫.Au金.Ag銀などの混合物、またはそれらの合金(メッキ系)
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テフロン系(漏れ止めなど)や液体高分子膜をつくるタイプ
8)効果がなくなる時期
添加剤の効き目が切れたかどうかを判断することは、非常に難しいのですが、
一般的に判断して大体次のように考えてみました。
比較的早く効果がなくなるタイプ=有効成分が役目を終えて減っていく
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速効性固体成分(ピストンやメタルベアリングと比較して柔らかいタイプ)Cカーボンブラック.Moモリブデン.Cu銅.Pb鉛.
Sn錫.Au金.Ag銀.Zn亜鉛などの混合物、または合金
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粘度増強剤として働くポリマー系樹脂や油性剤は物理的剪断や熱劣化によって効果が薄れる。
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テフロンなど、オイルと分離しやすいタイプの固体粒子はスラッジ化して沈殿しやすい。
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有機系金属で熱や剪断によって反応しやすいタイプは別の化合物に変わる。
ごめんなさい。まだまだ工事中です。
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