BP系>BCP系>BK系>DCP系
けれど品番からその「互換性」はある程度わかります。
大ざっぱに言えば、
・エンジン側のねじになるかどうか=ねじの径・ねじの長さ
・燃焼室内で外側(接地)電極がピストンに当たったりしないかどうか=燃焼室内の長さ
・プラグ穴にプラグが入り、プラグキャップがきちんと取り付けられるかどうか=六角部と絶縁体の大きさ・ガスケットからの長さ
がわかれば、一応取り付けられるはずです。
ただし、「PFR」タイプや「PZFR」タイプなどのプラチナプラグには
特殊プラグが多くなっていますので、
注意が必要です。
BP・BCP・BK・DCPの関係です。
1.ねじ径・ねじの長さと六角対辺寸法
ねじ径・ねじの長さ・ねじ先から接地電極までの距離は
数字の後の記号まで同じであれば燃焼室部分には関係ありません。
BPR6E=BCPR6E=BKR6E≠DCPR6E(ねじがあわないため)Rはレジスター入りEはねじの長さ。
文字 | ねじ径 | 長さ=E | 六角対辺寸法=普通20.6か16.0。二輪は18.0(D=ねじ径12.0に多い)がある。 |
BP | 14mm | 19.0mm | 20.6mm。(Pは絶縁体が突出しているタイプをさすが、普通はこちらが一般的) |
BCP | 14mm | 19.0mm | 16.0mm。Bに続くCは六角対辺寸法をあらわす。
Cが先頭文字ならはねじ径10mm六角対辺寸法16.0mmで別タイプ。 |
BK | 14mm | 19.0mm | 16.0mm(BCPタイプのISO寸法でガスケットからターミナルナットまでがBCPより2.5mm短い) |
BU | 14mm | 19.0mm | 16.0mm(Uはセミ沿面or沿面放電タイプ) |
DCP | 12mm | 19.0mm | 16.0mm |
I | 14mm
12mm |
19.0mm | 16.0mm。イリジウムタイプはIRIWAY=BKR_E、IRITOP=BCPR_E、IRIMAC=DCPR_E |
その他 | P(白金)・Z(突き出し型)などいろいろあります。ISOタイプ(BKRに対応)も熱価番号の後に追記号で、
入れられていますので、注意が必要です。 |
2.絶縁体の大きさ・ガスケットからの長さ(キャップ部)
全長は
BP>BCP>BK>DCPの関係が成り立ち、ガスケットからの長さが短くなります。
ですから、
BP=(BCP+約5mm)=(BK+約5mm+2.5mm)=(DCP+約5mm+2.5mm+?調べてません)
コルゲーションなど絶縁体の太さは
BP>BCP=BK>DCPになります。
ですから、ここでの最大の問題はプラグキャップでしょうね。
太さも長さも変わりますので、
他のプラグコードを流用して無理矢理使用するか、
あきらめるか、です。
ただしBCPとBKでは2.5mmの差ですから、
プラグキャップの形状によってはほとんど問題がない(メーカーは脱落の危険性を注意していますので、
問題がないとは言えない立場のようですが)
場合があります。
一応、応急的には使用できそうです。
3.燃焼室内の長さ
追記記号、例えばBPR6ESなら、
「E」の後の「S」になりますが
ここは、ねじの先から接地電極までの長さを指定している場合もあります。
違う場合は使用できない場合があります。
ただ、「S」が「Y(BPR6EY)」になっても約1mm長くなるだけで、
メーカー側もグレードアップとして互換性は表示していますので
問題ありません。
この場合、燃焼室中央に突き出すほど、燃焼効率は良くなることが判っていますので、
突き出し型プラグは無理でしょうが、ピストンなどに干渉しなければ良いわけです。
多分何ミリか判りませんが、ゆとりはあると思われます。
ですから、メーカーが互換性を表示しているグレードアップ商品であれば大丈夫と言うことです。
違う場合は何らかの追記記号が入るはずです。
(取り付ける前に、寸法を測り比較されると良いと思います。)
NGKの記号
記号(例:BPR5ES-11) | 説明 |
S | 標準タイプ |
Y | グリーンプラグ=デンソーは「U」であらわされるタイプ。 |
V・VX | 中心電極が細い。V=1.0mmでゴールドパラジウム。VXは0.8mmで白金。 |
J・C | J=2極斜面電極。C=斜方電極。 |
B | CVCCエンジン用 |
527・529 | 熱価5の後は絶縁体突き出し寸法「2」=2.5mm
「7」は発火位置7.0mm。「9」=9.5mm |
K・Q | 「K」=接地電極が2極使用。「Q」=4極。中心電極の側方に接地電極がある。 |
U | セミ沿面プラグ |
その他 | N・P(白金)・C・G・A・B・M・D・Zなどで特殊仕様。 |
記号
(例:W16EXR−U11) |
説明 |
A・B・D | A=外側2極電極。B=3極。D=4極。 |
N・Pt | N=レース用(Ni電極)。Pt=レース用(Pt電極)。 |
P・X | P=プロジェクトタイプ(突き出し1.5mm)。
X=フルプロジェクトタイプ(突き出し2.5mm)。 |
S | ノンプロジェクトタイプ(突き出し0mm) |
M | ミニプラグ(ショート) |
V | 斜方電極 |
T | 外側2極電極 |
−U | 外側Uカット品 |
−L | 特殊プラグ |
−S | セミ沿面タイプ |
−C | 外側カットパック |
−P・−Z・−ZU | −P=外側2層白金。−Z=φ0.7白金中軸。
−ZU=φ0.7白金中軸+外側Uカットテーパ付き。 |
4.他メーカーに対応プラグがある場合
他メーカーに互換性のある高性能プラグを製造している場合があります。
特に注目されていますイリジウムなどの場合、
「NGKのイリジウムは現在使っている番手よりも高いプラグしか設定がないが、
使用しても大丈夫か」どうかを聞かれます。
NGKの場合「熱価」が標準的使用より高くなっていますので、
(高回転型エンジンのために特に製作しているねらいがあり、
一般標準のエンジンにはVXを薦めれているようですので、)
ノーマル使用の場合、特に熱価を気にされる方は、
デンソーを使用すると熱価もギャップも同じということであれば良いかも知れません。
NGKの場合、0.6mmの中心電極を持つイリシリーズのプラグギャップは
0.8mmとしていますので、標準タイプになりつつある1.1mmのギャップより狭くなっています。
同様にデンソーの場合、エンジンが高回転型になるほどギャップを狭くしています。
1.1mm=IQ・IK・IWのそれぞれ16・20。
0.9mm=IXU22、IXU24。
0.8mm=IW22、IK22・24・27、IQ22・24・27。NGKイリシリーズプラグ全商品。
ギャップが広いと要求電圧は高くなりますが、特に低・中速域での燃焼には効果があります。
ただし、高回転では電界密度が弱くなり、一般車では問題なくとも、競技を目的としたエンジンには
狭い方がいいと思われます。
どのメーカーもそういう場合の使用には「熱価が高く」「プラグギャップが狭い」と言う
傾向があるかも知れません
またこちらには、「PB系」があります。
デンソーは「IW16」「IW20」がそれぞれBPR5E−11とBPR6E−11。
「IW22」がBPR7E(ギャップは0.8mmですからノーマルタイプ)に相当します。
ですから、
「IW20」はBPR6EVXと全く同じタイプのプラグ形状になり、中心電極の細さと、素材の違いだけになります。
こういったことはメーカーにある資料から調べた方がいいでしょう。
5.ギャップや熱価などの違い
普通のプラグから高性能プラグへ変更する場合、ノーマル使用の場合、プラグギャップは同じか
広く取ってある方が、性能が出やすいとされます。
同じプラグの場合で標準より狭いギャップの場合、特に低速・低回転域のレスポンスが優れないことがあります。
また、熱価も同等か1番手(メーカーで表示が異なりますが)冷え型を使用する場合がありますが、
こういったことについては先のページで確認してください。
標準設定のプラグは一番対応性の良いものが使用されていると思われますが、
使用状況が異なる場合は、それ相応に変更する事も必要でしょう。
これはオイルの選択などと似ているのかも知れません。
ですから、エンジンをチューンしている場合はそれ相応に熱価を変更する必要があります。
高速回転させる場合、高めの(放熱性の良い)プラグが効果的ですが、
要求電圧にゆとりがある方が、失火などに対しての対策になるため
あまりギャップは広く取られていないプラグもあります。
(反対にロータリー車などは要求電圧に対応した点火装置を付け、広くしている場合もありますが・・・)
また、メーカー側としては、耐久性の問題から、絶縁体をねじ部へ下げたり、
設計を考えている場合が多いようです。
このあたりの関係は外気温やエンジン回転数との関係や放熱性・着火性など、多くの要因が
絡んできますので、いろいろ試されても良いでしょう。
「高性能プラグ」は標準プラグと比較して、
もう一回り守備範囲が広いか、特定の用途に合わせた設定がなされています。
ただし、ノーマル仕様車ではそのプラグの性能をフルに発揮できない場合も起こってきます。
プラグの発火部が「最適運転温度」(450度C−870度C)であることが、エンジンを良い状態に保つことにも
なるわけなのですが、アイドリング時や低速運転では150度C−250度C(それ以下と言うデータもありますが)ですから、
低温時の始動性や加速性に優れた高性能プラグを使用することで、それらの状況での性能アップは期待できる反面、
3000rpm以上の中・高速回転を使用しなければメリットは十分堪能出来たと言い切れないからです。
まあ、そう気にしなくとも、フィーリングが向上すれば満足出来るわけですから、
熱価だけ大きく変更しないよう注意していれば、違いは期待できるものと思われます。