火花がより明るい理由

明るさの原因

明るく見えるプラグの理由には以下の2つが考えられます。
 
 

1)プラズマ化された金属原子の出す”光の色や強さ”

ものが燃えると、光を出します。この光は、燃えるものに”特有の光の色”(=波長)を もっています。ガスバーナーで燃やしてみると、燃える色の違いがわかります。 ガスバーナーだけなら”少し青っぽい色”ですし、みそ汁をふきこぼしたときなどは”オレンジ色” (食塩NaCl)の色が出ます。

 これらは、ものがプラズマの状態になって出す光で、真空放電や気体(空気)放電の時も同じ現象が起こります。
例えばネオンの光は”あか”ですが、これはNe(ネオン)の出した光です。

 プラグの放電の時もやはり同じような”いろ”が出ます。 これは、放電によってプラズマ化された金属原子が出す光と言えます。 ですから、外側電極や中心電極にどんな材質の金属を使うかで、その明るさも変わって見えるわけです。

 けれど、本当はどんな高性能プラグでも、同じ電圧をかけてテストしてみると、 まず、違いがわかりません。はっきり言いますと「同じ明るさになる」=「明るくならない」のです。

 では、どうして明るく見えるのでしょうか。
 
 

2)放電の時間を長くすると明るく見える

コンデンサーや、CDIなどは、放電の時間を長く延ばすことが出来ます。

 放電に関わる時間は、瞬間的な出来事で、実際よく見えないのです。 例えば、”まばたき”など、急に暗くなるはずなのですが、わかりません。 また、映画のフィルムに1コマだけ全く違う”絵”が入っていたとしても、全く わからないのです。

 ところが、ある程度の時間、光っていると、はっきりと”明るさ”がわかってきます。 これが、あの”明るく”見える正体だったのです。
ところが、長く放電していれば良いプラグかというと、そうではないらしいのです。 コンデンサーは蓄電器ですから電流をいったん”ためる”ことが出来ます。 そのかわりに、長く放電するためには、それだけたくさんの電気が必要になります。
火花はある一定の量の電流を瞬間的に飛ばしていますが、それは同じように”瞬間的”な出来事なので あの、エンジンの回転数に追いつけるだけの電気を次々に飛ばすことが出来るのです。 コンデンサーで電気を蓄えるのにかかる時間が、火花を飛ばす時間よりかかってしまったら、 どうなるでしょう。間に合わず、たまった分だけしか放電できず、場合によっては、火花自身が弱くなって 、失火してしまいます。こういったデメリットもあるわけです。また、抵抗入りのプラグが8割にもなった今日に 至っては、ほとんどコンデンサーというものは、機能できない状態になり、意味のないものになりつつあります。
(抵抗入りプラグはコンデンサーの機能を壊してしまうということですが、ここでは深く掘り下げません。)

 実際のテスト試験では、火花の太さはほぼ変わりませんし、エンジンのプラグ程度では火花の太さは、関係ないのです。 また、その時間も、火炎伝播を起こすのに十分で、長くする必要もありません。

 実際に熱量で換算しますと、約30mmJ(ジュール)で、充分です。10倍の300mmジュールもあれば かなりの太い放電は起こりますが、自動車には無意味な大きさです。

 ですから、明るく見えることは必ずしも良いこととは限らないのです。

なお、参考までに、プラグなどのリークや放電テストの装置で、シリンダー内部に近づけるように圧力をあげますので
通常より、火花が明るく見えます。
これは、要求電圧が高圧力下の場合の方が高いため、自動的に装置が電圧を上げている結果でして、
ですから、当たり前の事となります。
火花は飛ぶ要求電圧が低い方が好ましいのですが、あまり高い電圧を必要とするプラグですと
リークを起こす可能性が増えますので、失火確率から言えば増えてしまうものとおもわれます。

3)参考資料電気的な性能と点火電源の種類と特性

4)プラグの互換性・・・保証出来ませんが。



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