オイルの流動点降下剤

一般的には、「鉱油系潤滑油に添加し、低温でロウ分が網目構造に結晶化し、
間隙に油を含んで流動性を失うことを妨げ、流動点を低下させる添加剤。」とされるものですが、
パラフィンワックスの低温結晶化する面への吸着による、結晶化防止・成長抑制を目的とします。

 
種類 化学構造
ポリアルキルメタクリレート
(PMA)
ポリアクリレート
(PA)
アルキル化芳香族化合物
フマレート−酢ビ共重合体
エチレン−酢ビ共重合体(EVA)
参考資料:<トライボロジストVol40/No.4/1995><Vol52/No.12/2007>

潤滑油のベースオイルは留分によって、ワックスの分子量や構造が異なります。
低沸点油〜中高沸点油では分子量300から450程度の場合は、
いわゆる、ろうそくや錆止め剤に用いられる「パラフィンワックス」の主成分に当たる「n−パラフィン」が
多く含まれます。この場合は「短い」アルキル基やアルキレン基の流動点降下剤が適し、
最近の高粘度指数オイルのように、高沸点油に多く含まれる「i−パラフィン」には長いタイプが適しています。

鉱物油は温度を下げて行きますと結晶化しますが、この結晶化はパラフィンが直鎖ですので
縦方向(長く伸びている方向)に起こりにくく
横方向(瓦が重なるような方向)に広がります。
そこで、重なろうとする部分に別の成分の似た構造の分子を挟み込んで、
それ以上重ならないようにしてしまば、
結晶が大きくなることが出来なく、流動しやすくなるわけです。

ですから挟み込む分子の構造や長さも合っていないと共晶してくれませんので
オイルの基油によって、効果の出方も変わってきます。

燃料のガソリンは凍りませんが、軽油は上記オイルと同様のワックス成分によってゲル化し=いわゆる凍りますので
軽油中にも上記のようなCFI=Cold Flow Improverが添加されます。

工事中



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