肩の凝らない、しかし、嘘かもしれないページ10

オイルはいつ進化しているのか

カストロールRSなどは以前は15W−50だったのに、いつの間にか 10W−50になってました。(ニュースが古いかな?) 15Wの時は、ライトスポーツでもやや重く感じ、冬などははっきり「重い!!」 と体感された人も多くいたのではないでしょうか。昔のシントロンも同様で同じ5W−50なのに 冬場は少し重い感じがしました。

 ところが15Wが10Wになったとたん、軽自動車でも冬にさほど重く感じさせないほど 柔らかいイメージに変化しました。もちろんシントロンも気にならないほど柔らかくなっていました。

 また、ディーゼル用でも、冬のことを考えて10Wの方がいいと信じていたのですが、新製品として 出たとき(ピュアレーシングなどは、販売店を確認して、 メーカー直送しか、しなかった時代もあるんですよ、もちろんバックスなどには並んでいませんでした。)、 RV−S(ディーゼル用)は15W−50 しかなかったので、夏を考え定番オイルとして購入していました。

ですから 冬は10W−40の他社のオイルを用意していたのです。ところが、ユーザーさんから 「いつものやつを入れてくれ」と言われたとき、そのユーザーさんにとって、10Wが良いのか 必ず夏までオイル交換を しない走り方なので、15Wを使うべきか迷いました。今までは部分合成10W−40を使ってたのですが、 新製品はやっぱり使いたいですから「今までと比べて少し重くなるかも知れない」と断った上で、 15W−50を入れることになりました。ところが以外、冬なのに「重くないよ!それに良く走るし 静かだし・・・」うーん。やっぱり新製品はどこか違うと感じてしまいました。

 1年ほど、そのまま使い続けたある日、 オイル屋さんから「冬は重いというのでやっぱりRV−Sに冬用が出ましたよ」などと言われ、返答に 困ったものです。それは本当に寒いところで使うのなら必要でしょうが、2−3回のスキーくらいなら 問題なく使えるとの結果が出ていたので、今でも冬でも15W−50です。

 新製品が出るには、それなりの理由があります。
ピュアレーシングが出たとき、私はスカイラインNAツインカムの2000ccAT(RB)に 入れてテストしていましたが、夏でも多少重いのですが秋口から徐々にその 重さが苦痛に変わってきました。通勤30分なら重いまま会社に着いてしまうほどなのです。

 もともとシントロンでしたので余計そう感じたのかも知れません。冬の寒い日は1時間ほどは 重いままで、ユーザーに勧めるのをためらったほどです。それでも10W−60で下は10Wなのです。 何が良かったかというと、その30分なり1時間を超えてオイルが柔らかくなったときからの爽快感!! いやー、良い体験をさせてもらいました。(当時インテグラに入れていた人も、同じ体験をして 不思議な共感を覚えたものです。[だからいったでしょ、高いからと言って自分の車に合うか分からないよって・・・])


ところで、この前、カタログを整理していたら、シントロンの1番最初らしきカタログを見つけました。 「新たにSG規格を余裕でクリアした・・・」などと銘打っているところは、レアものですよ。
そこで、驚いた情報をひとつ。
オイル耐久性テストなのですが、SGグレード(CCMCではG3にあたります)は今から十年ほど前1988年の API分類なのですが、それでも そして、やっぱり「・・・あくまでも目安なのだと言うことをご承知おきください。」 と締めくくっていました。
今は、もちろんSJですから、この10年ほどで最低SG、SH,SJと3回はグレードアップ したことになりますが、オイルメーカーからは、その間に3回か4回ほど中身が変わったと、 聞いていますので、少なくとも6回ほど性能が上がったといえそうです。 つまり、最低でも2年に1回は中身が変わったとすることが 出来ます。

 つまりオイルは2年ほどの間隔でグレードアップしているか、またはその銘柄が「廃止」されて 、新しい名前で新商品を出しているかだ、と言うことが出来ます。

 オイル選びの難しさは、この辺りにもあるようです。 知らないうちに(そのオイルを使ってる場合、私たち”業者”は事前に知らされるのですが・・ けれど、使わなければやっぱり分かりません。) オイル自身が別の性能を持っているとしたら、これだけ多いオイルの銘柄から、自分の自動車に適した オイルを選んでいる間にもモデルチェンジが起きてしまい、・・・・。絶句。

 自動車のモデルチェンジも早いですが、オイルはもっと早い。
さらに早いのはスタッドレスタイヤかな?毎年モデルチェンジしてますよね。


もうそろそろSJの次のグレードが出てくるようです。来年あたりでしょうか。
オイル自身は添加剤や、ベースオイル の精製や合成の技術の進歩で10年前と比較して 見違えるほど進歩しています。
実は、現在進行中のオイル改良点のメインは「耐久性」だと言うことです。
ここにも、地球温暖化防止の影響が出ています。 オイルが使い捨ての時代はもうとっくに終わっています。しかし、危機が 知られるようになったのはここ2−3年ではないでしょうか。数年前までオイルは、ガソリンやその他 化学工業の原料の残り物的な位置に貶められてきたわけで、ここに来て「化学 製品」的扱いを受けるようになってゆくと思われます。 オイル自身の銘柄もしぼられるように なるでしょう。 けれど、このあとどんなオイルが出てくるか 楽しみです。


「シントロン」と「RS」と「0W」の違い

話しのついでに、メーカーに問い合わせたところ、大体次のようなお返事でした。(聞き違ってたら勘弁してね。)
実はベースオイルとしてはほぼ同じもので「PAO+エステル」で作られていますが、粘度が異なるため、 添加剤成分などに変更があるようです。
特に「0W」については、有機モリブデンが含まれているのが特徴です。 そんなに柔らかくしても、”ポルシェのようなメーカーに認証されている” ということは、”いかに良いオイルであるか”と 物語る、いわゆる「商業戦略」として利用しているわけです。
実際”すごそうだ”と言うことがポルシェから連想されますから、私もまんまと乗せられたわけです。 しかし、戦略はともかく「良いオイル」が出来たと言うことはうれしいことです。
「0W」は確か昔むかし「ピュアレーシング」の冬用として開発していたはずなので、納得してしまいます。

 このオイルで気をつけたいのは、油温が120度C以上になる使い方をする人にはあまり向かないようです。 また、多少オイル減りがあることも頭に入れてということでした。私自身は基本的に冬用と考えています。 燃費は期待できそうですが、このオイルを入れる人にとってその言葉が意味あるかどうかは疑問です。

 良く引き合いに出される「シントロン」と「RS」の違いは同様に「油温」といえるかも知れません。 「シントロン」はそこそこのハードな走行でも大丈夫ですが、「RS」は基本的にレース向きに開発されている以上、 油温にはさらに強く作られています。ということは「耐久性」に差があるのでは?と思ってたのですが、 肝心なところは聞けずじまいでした。ただ”燃費はRSより良くなる”とだけでした。 まあ、こんな事聞いても仕方ないですよね。カストロールさんとはTEL出来ますので、ご質問のある方は、 直接か、メールでもお問い合わせください。これってカストロールさんの「商業戦略」??。


際限なく続きそうです。次のページへ

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