肩の凝らない、しかし、嘘かもしれないページ15

オイル添加剤やガソリン添加剤の悪い効果?

オイル添加剤やガソリン添加剤の効果は最初どのくらい感じられるのでしょうか?
大体、1回使ったときはびっくりするほど効果があった添加剤でも、2回、3回と使っていくうちに
「効果がないんじゃないか?」などと感じられることがあります。
使ってみて効果がはっきり感じられる場合の1つは、ガソリン添加剤なら
バルブやインジェクターや燃焼室などをきれいにするので、ガソリンはスムーズに流れますし、
オクタン価向上剤やそれに類する添加剤の効果で、
ガソリンが良く燃えてくれるようになるからだろうと言われています。

 ガソリン添加剤の多くは、次に使ったとき本当に良くなったかどうか、
余程注意してみなければわからない製品が多いようです。あまりガソリンに
他の成分を入れるのもどうかと思いますが、1度だけ休んでから、
次も確かに効くというタイプの場合はその「他の成分」の効果と言えるでしょう。
けれど、ほとんどが燃焼速度を上げたり、ノッキングを防止したりするタイプのものと思われ、
それらの効果で完全燃焼を促進する事のおがげのようです。

確かに、故障の原因のひとつには、ガソリンが燃えずにオイルと混じってしまい、
それがスラッジの原因を作ったり、 ガソリンの中の不純物がデポジットとして燃焼室にたまったりする事で、
火種の原因になったり燃焼室の容積を少なくしノッキングの原因となったりします。
場合によっては、オイルの蒸発成分などと一緒にEGRやPCVのバルブを詰めたりして エンジン不調を起こすことがあります。

例えば、まだ理由ははっきりしませんが、GX81などはエアコンを使用したとき
アイドリングが上がるようにインテークマニホールド側の情報を
コンピューター制御して行っていますので、インジェクションより手前の部分の汚れによって
不調になることが多いのです。単に空気の通路と思われる部分でも10万キロもメンテしていないと
汚れがこびりついてました。エアコンをONにしたときアイドリングが上がらないため、
回転数が400−500位まで落ち込み、コンプレッサーのクラッチがON−OFFを繰り返して
しまいます(回転が下がりすぎるとエンストを防止するためクラッチを自動的にOFFする構造)。
電気系の故障なのか、汚れによるものなのか現在メンテ中ですが、これなどはブローバイガスの
中の成分が元で起こる場合が多いようです。

またSR20などはカムシャフトへ給油するように細いラインがありますが、オイルをカムに
落としている穴が1mmあるかないかの細い穴ですので、こまめにオイル交換していても
走行距離か多くなったりすればスラッジなどでふさがってしまい、
給油不良でカムが音を出すこともよく起こります。
(現在は穴を大きくした対策品に交換されてますので、それほど問題はないと思います。)

オイルメンテナンスが悪いターボ車のオイルラインなども清浄分散剤のせいで
逆効果だったり、オイル下がりしているエンジンにフラッシングをしてかえって
白煙をひどくする例も多く見受けられます。


しかし、ガソリン(軽油)添加剤のせいでかえってひどくなる場合も過去には多くあったそうで、
こういったものは、早めに使っていれば効果も期待できるのですが、あまりにも古くなったり、
過走行になって「ひどすぎる状態の場合」は注意が必要です。 安易に考えず、
ちょっとメカニックに相談してみるという方法が得策かも知れません。
(ただし、 そのメカニックに対して信用できるかどうかはまた別の問題ですが)
単に、エンジンオイルでオイルフラッシングするだけでも結構良くなる場合もあれば、
全くなんにも変わらない場合もあるように、人によって意見もまちまちです。

こういったことは、上記の例やエンジンの構造によって効果に差が出てくる場合もあるのですが、
最初は効果があった場合でも、オイルフラッシングを毎度毎度しても、 常に体感できるほど変わるはずがありません。
しないよりは、はるかに良いのでしょうが、かえって入れない方がいい添加剤が存在することも否めません。

オイル添加剤を使っても大抵の添加剤の中には多くの清浄分散剤が 含まれているのが普通です。
そのため、最初は安い添加剤でもそれなりの効果を感じ る事が出来るのです。
しかし2回3回と続けるうちに、最初の驚きが 段々疑いに変わってゆくこともあります。
それは、今までと比較すれば良くなったのですが、
良い状態になってしまうと今度は それほど、変化がわかりにくくなるためとも言えます。

エンジン内の汚れ(=カーボンやデポジット)がなくなり、ピストンリングの動きが良くなって コンプレッションが出やすくなったり、
オイルラインのじゃまになっていた汚れが取り除かれることに よって、
冷却能力が良くなったり、添加剤に含まれる上質のベースオイルや成分が潤滑性を高めたり、
などによって 最初は効果が結構はっきりしています。

清浄分散や酸化防止などを中心とした添加剤があることにもうなずけます。
(ただ、効果がどれくらい持続するか ガソリン車やバイクなどではほとんどテストされてない場合が多く、
寿命が100万キロも持つ大型ディーゼル車で のデータ中心というのはいただけないのですが。
また、損害賠償保険には簡単に入れますので、 それが付いていることを全面に出す事もないでしょうに・・・)

 と、悪いイメージを並べてみましたが、エンジンが壊れる理由には添加剤のせいではないもう一つ二つの理由も存在します。
それは、製品の耐久性のばらつきや精度の問題であったり、
ユーザーの点検ミスであったり(症状が出ていてもわからない場合や、 いい加減な判断の場合もあります。)

 製品側の場合はメーカーの姿勢による対処が望まれますが、
ユーザー自身の問題の場合どうしようもないと言った事も感じます。
明らかに添加剤では無理な症状なのに、
「なんとか」と添加剤などで済まそうという考え方も多いのではと思われます。
偶然、 良くなったとしても、ほとんどは効果がないどころか、かえってひどくなる場合だってあります。

例えば、プラグコードの不良でエンジンが吹けず、アイドリング不良の場合、
添加剤を入れるとスラッジなどによってコンプレッションが保てていた状態が悪くなって圧縮抜けを起こし、
かえってエンストを起こす場合があります。
またその状態でさらにガソリン添加剤などをそのままガソリンキャップから入れるだけですと
添加剤が濃い状態で運ばれ、
さらにエンジンがかからなくなるなど。
また、プラグだろうと判断しプラグを代えても、
少しはましになりますがすぐ元の状態に戻るでしょう。
(今の整備はどちらかというと症状からの判断によって診断する場合が多く、
いわゆる「センス」みたいなものが要求されますので、整備する側も大変ですが)

オートマチックのオーバーホールをしている業者の方も、すべて解っている訳でなく、
こういった「センス」でオーバーホールせずに直してしまった例が多くあるようで、
配線の問題(錆びによるもの、アース不良、配線の脱落など)や制御するコンピューター側の故障で
あったりする場合が増えてきたとのことです。

オートマチックのオーバーホールをしても直らない場合に、
たどってゆくとそういったケースがよくあったようです。
これってもったいない話しですよね。
もちろん修理代はユーザー側ですが、
もし「オーバーホール」という前に、「症状を的確に」伝えることが出来たら、
ひょっとして「配線その他」と判断して貰えたのでは・・・・と思う例です。
わかる場合は修理をお勧めするので、まず問題はないのですが、
最近は、ユーザー車検をしても「メンテナンス無し」で乗る人が多く、
困ったあげくに来られても手遅れの場合もあります(修理代が高く付くだけの事ですが)。
知らないことは 相談してからでも遅くありませんので、
むやみやたらと添加剤などに頼って勝手に処方しても良いわけがないのも事実です。

ユーザー車検について

 ガソリンスタンドなどで盛んに「ユーザー車検」をしてますが、
不思議なことに、 新しくてそれほどメンテナンスが必要でない時はしっかり点検しています
(最初の車検か2回目まではちゃんとした整備をする場合が多い)。

そういったいわゆる安い車検には出さないで、 古くなって整備が必要になった車ほどユーザー車検で済まそうと 考える人も多くいます。
理由が判らないわけでもないのですが、 実は本当は逆。
古くて将来故障が考えられる場合こそ、しっかり見なくてはいけないと思います。
大体、メーカーも故障が起こる理由がよく判っているからこそ「保証」をするわけです。

つまり、5万kmぐらい、あるいは5年間ぐらいではほとんど故障などしないから、保証出来るのです。
そうでなければ、とっくにメーカーはクレームなどのため莫大な出費でやっていけるわけがありません。
新しい車や、走行が少ない場合は確かに故障は少ないわけですが、「確認しなくても良い」というわけではありません。
「自分でユーザー車検」+「自分で整備or故障が判断」が出来ないとお思いでしたら、
「ユーザー車検」をして合格しても、見ていないなら、人任せでも確認作業をしっかりする方がいいですよ。
車検というのは簡単なテスターで調べ、検査官の目で見えるところだけの箇所の「確認」作業ですから、
「車検に通るのは当たり前」なのです。

例えば、ブレーキの部品のディスクパッドという制動に関わる部品が摩耗してほとんどすり減っていたとしても、
その部品を検査官は見ていません。
制動力が規定範囲であればOK。
後はユーザーの責任です。
その程度ですから、ブレーキのマスターシリンダーから僅かにオイル漏れがあっても、
オイルを拭いておけば合格してしまいます。
いわんや、ホイールシリンダー内部のオイルの漏れなど余程でない限り、素通りです。

エンジンオイルだって、ほとんどなくてもand極端に汚れていても確認しません。
プラグもファンベルトも間違いなく確認しません。
「あくまでも見えやすい箇所」の不具合だけが対象になるわけです。
故障したら責任は余程でない限り自分に来ます。
もし、早めに確認した方がいいリストを知りたい場合は「整備保証書」をよく読むとわかります。
保証対象外のリストがそれに当たります。
基本的には油脂類+LLCなどの定期交換部品に当たるものと、
ブレーキパッド、ファンベルトなどの摩耗消費部品などです。
いろんな本にこの辺りは詳しく書いてますので、 今更ここで書く事もないでしょう。
ただ、「何故交換しなければならないの?」と疑問を持てば、その耐久性や劣化の目安を知りたくなり、
自分で、注意して行く習慣が生まれると思います。交換の必要性や不必要性もわかってきます。


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