肩の凝らない、しかし、嘘かもしれないページ17

燃料添加剤に対する疑問

最近、燃料添加剤に対しての質問が多くありますが、
それらの燃費テスト、パワーテスト、 排気ガスのテストなどのデータを眺めてますと、
改善される自動車とあまり変わらない自動車 が混在してまして、
本当はどれぐらい効くのか、安全なのかなどと考えてしまいます。

 オイル自体、発癌性が言われておりますので、安全なものとは言えませんが、
空気中にばらまかれるガソリンの燃焼排気物に危険なものがあるようでは、もっと始末に負えません。
空気は直接体に入りますので、影響が大きいのです。

仕事柄、有機溶剤系(いわゆるシンナーと同じ)成分 が含まれている、エンジンコンディショナーや
キャブレタークリーナーなど使った日は、やっぱり気分が優れません。
結構影響を受けているでしょうね。
板金塗装をしている人など、シンナーをいつも知らず知らず、吸ってますから
本当は防毒マスクをつけた方がいいのですが、そうもいきません。

 で、どれぐらい溶剤で影響があるかというと、
簡易防毒マスクをつけていても、シンナー(ポリエステル樹脂液に含まれるアセトン、トルエンなど) で充満した部屋で 作業していますと
(例えばタンク内)、まず涙が出てきます、約20分もするうちに鼻水が出てきますが、
そのうち よだれも出てきます。
勝手に出てきてしまいます。
こうなるとちょっと危険で早く脱出しないと倒れて・・・です。

 特に有機溶剤などは危険物として、取り扱いに「資格」(国家試験)が必要とされてます。
詳しくはそういった本に細かく記載されてますので読んでみるとよく分かります。

 人体にもベンゼン環などを取り入れた酵素やビタミン、タンパク質はあるのですが、
それとは別に やはり肺などから多量に吸い込むことは危険でしょう。
塩素系の有機溶剤などは神経に作用しますし PCBに含まれているダイオキシンなども恐ろしい。
有機金属も以前はガソリンに添加されていたなど、
燃料用添加剤なども分からずに使うととんでもない結果が 生じる可能性があります。

 ということで、一部で有名な添加剤の成分を教えていただきましたが、
「地球にやさしい=公害防止、省エネ、出力向上」ということですが、やはり入ってました。
ベンゼン環を持つ「トルエン、エチルベンゼン、オルト・メタ・パラのエチレン、
ベンゼン環を持つ C3からC8までの化合物」がしっかり含まれています。
その他は 灯油に分類されるC8からC16が主成分になります。
また、ページで紹介していますガソリン添加剤にもそれらが溶剤として含まれています。
いかに微量とはいえ、ガソリンにこれ以上そういった物質を入れてもいいのかなぁと疑問でした。
実際ガソリンの成分にもベンゼンは含まれてますが、排気ガスに出てくる可能性は無いとは言えません。
TVのCMからあれほど宣伝文句に出されているのですから、そうだと思ってしまいます。
ただしトルエン、 キシレンは充分入ってます。

 ベンゼンは発ガン性がありますので、ガソリンへの添加は5%以下に決められています。
将来的には1%以下に する予定ですが、1リッター中に50ccも入っているのです。
さらにトルエン、キシレンなどはそれ以上含まれている場合がほとんどです。
それぞれ5%づつとして15%=150cc以下のBTX(ベンゼン、トルエン、キシレンの頭文字)が 入っていることになります。
その量に比較すれば、ガソリン添加剤のBTXなど1%以下がほとんどですし、
大半は燃焼室内で 燃えてしまいますので、添加剤を入れて燃焼室を綺麗にしたり、
ガソリンを完全燃焼に近づけた方がプラスの効果は あるのですが、なんだか、スカッとしない気分です。

 効果のほどはともかく、安心できるように説得性のある説明が欲しいのですが、
どこも企業機密でして (当たり前ですが)教えてくれません。環境を破壊するということでは、自動車自体そうなのですが、
どう考えていいのやら。
なんだかこうやって書いていること自体が悪いことをしているようにも思えてくる のです。

 とまあ、反省をしつつ、話を進めてゆきます。
また、良く知らないため、間違いがあるかもしれませんが、その際はご指摘ください。


ガソリン添加剤には大まかに下記のタイプがあります。
そして潤滑剤としての効果もあるのですが、潤滑剤を主要成分としているものとして加えて 5種類としました。
この区分は個人的なものでして別に根拠はありません。
 
  それぞれ完全燃焼を促すことにより、排気ガスをクリーンにするわけですが、
製品としては 2.のタイプにBTXを含まないものもあります。
この場合清浄効果は2次的と言うことです。

ともかく、それぞれ使用目的が異なっているのですが、 使用する「有効成分」によって洗浄効果や、
パワーアップや、燃費改善効果が異なります。
また 期間を置いて定期的に使用するタイプ、常時使用するタイプと分かれます。

 具体的な商品としては、
1.が窒素系を含むいわゆるニトロ系や紹介しているF−1やクリーンプラス(これらは4.にもなります。)
2.が呉工業のパワーブースターなど。
3.はナプロの燃料添加剤の一部やクリスタルC-3000など、また、添加剤ではないのですが磁石などを使った燃費改善製品。
4.はエンジンコンディショナー、キャブクリーナーも含み、いわゆる従来のメンテ商品
5.はGRPの効果を燃焼室の温度にまで対応させた「TE」やマイクロロンの燃料添加剤など。また添加剤に含まれる成分の一部。
その他として燃料に含まれる潤滑剤成分。
ということになります。

 気になる内容なのですが、F−1やクリーンプラス、また従来のメンテナンス用品などは比較的 分かり易いのですが、
パワーブースターやクリスタルC-3000などは説明が難しいのです。
例えば、小型爆弾のように燃焼室内で作用するポリエタノール(エーテル)アミンなどなら、
爆発力が 加わる事も完全燃焼になることも分かり易いのです。
また、5.に当たるものは大体、燃料自身にも含まれているようで、ジェット機のイオウ分を含んだ成分や
軽油成分などに入っています。(TEは現在公害になるイオウ成分に変わる潤滑剤としてジェット燃料にも使用されています。)
過去に潤滑・アンチノック剤としてガソリンにも鉛成分(4エチル鉛)が含まれていましたが、
現在は人体に非常に危険な成分ですから禁止されています。

 そういうわけで潤滑は非常に重要なので大抵の燃料添加剤には
そういった潤滑効果を兼ね備えた添加剤が配合されていると 考えてもいいのではないかと思います。

 で、2.のパワーブースターはガソリンの成分にあるBTXやMTBEメチルターシャリーブチルエーテルなどの
オクタン価が高いオクタン価向上剤ではないようです。
どちらかというと、オクタン価が高く、早く蒸発し低温で良く燃えるという特性を持つ
アルキレートガソリンという航空ガソリンに似た灯油に当たる成分を理解すること がポイントのようです。

成分自体はマル秘ですが、ガソリンが燃える時間が僅かに長くなることで、
ピストンを最後まで押し続けることが 出力向上に役立っているわけです。
ですがメーカーさんは「パワーアップをするのではなく、潜在的に持っているパワーを最大限に出す」 というお答えでした。
何となく理解できそうな添加剤で試してみようと思っています。

 で、困ったのはクリスタルの説明なんですが、BTXを含み、
灯油・軽油ぐらいまでのパラフィン系とオレフィン系やシクロパラフィン系 を含み、なおかつ精製上の不純物まで含んでいるのに、
特殊な装置にて成分を改良することによって完全燃焼させるというもののようです。
その作用を含んだ成分は 分子.原子団というガソリン成分のかたまりを細かくする作用があるそうですが、
同じような効果が推定される磁石との併用は避けてくださいとのこと。
「燃焼促進剤」と書いてあるので、1.か2.に入れても良いのかも知れません。

物理学者の発明らしいのですが、物理学では理解できない内容を持つ理論ということで、
なんのことか分からずじまいでした。
一応どんなものか試して結果をご報告いたしますが、
物理系専攻の知人は、そのHPを見て「科学にあまりくわしくない素人に、 科学に良くでてくる 単語をでたらめに用いて
なんとなく科学っぽい印象を与えようとしている商品は嫌いです。」
と嫌悪感をあからさまにしていました。
私ももっと書き方があるのではないかと思ってしまった次第です。


4.にあたる製品は一般的で、プラス−アルファ効果を持った製品が多く出されています。
簡単なエンジンフラッシング剤として「灯油」が使用されてますが、
燃料添加剤なども 灯油に分類される製品が含まれている場合が多く見受けられます。
「灯油」は洗浄性が良く元々燃料ですから良く燃えるわけで、少量なら問題なく洗浄剤として使えそうな気がします。
添加剤成分にC8からC16ぐらいの成分が含まれるのはそのためなのかも知れません。
匂いを嗅ぐと灯油・軽油と同じような場合はまさしくそういった類と分かるのですが、成分の化合物自体が 同じかどうかは分かりません。

 自動車のガソリンと同様、灯油と同じ分類になるジェット燃料があります。
これはハイオクタンガソリンなどにも入っているのですが
その分類上のアルキレートは軽くてオクタン価が高く、低温時でも良く燃えます。
オクタン価向上成分MTBE( メチルターシャリーブチルエーテル)と共によく使われます。
ただし、オクタン価はモーター法・リサーチ法・その他など エンジンの回転域の違う測定方法で調べられていますので、
ガソリン自体特性が異なり、「A社のガソリンは低速でノッキングしやすい」 とか、
「B社は高速でノッキングしやすい」などというように、ガソリンのブレンドによっても違いが見られます。

 また、四季によって成分の変更がなされますので、
燃料添加剤による比較は本来「それぞれの同時期」「同銘柄ガソリン」でしかも 「すべてのメーカーのもの」を調べなければ、
きちんと比較できないわけです。

 その上、自動車による性能上の問題点、排気量の違い、燃焼方式の違いなどによっても異なってきますし、
それぞれの自動車によって異なる改善点があるわけですから、
名のあるメーカーはほとんど、効果をメンテナンスに置き「洗浄剤として」の製品を中心にせざるを得ないわけです。

 次のページへ続きそうです。 


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