肩の凝らない、しかし、嘘かもしれないページ40

最近話題になっているダイオキシンに代表される「環境ホルモン=内分泌攪乱物質」
とオイルや添加剤や排気ガスの関係について書こうと、
文献を探していたら、とても難しくて、やっと
3冊程度読めたぐらいで、とうてい書ききれるはずがないことがわかって
断念しました。

オイルのことについてだけでも、まだまだと言う段階で、
ちょっと時期が早すぎる感もあります。(不明な点があまりにも多いみたいですね)
家庭から出る食塩みたいな無機物からでも塩素が分離して
一緒に比較的低温で燃焼させると
ダイオキシン類が発生するらしく、
入っていないはずのオイルからも燃焼によっては発生しうる可能性があり、
自動車からも排気ガスとして排出されるとなれば
調べてみたくなったからです。
参考文献としては、
講談社ブルーバックス、B−1027「しのびよるダイオキシン汚染」著:長山淳哉
B−1227「環境ホルモン」著:筏 義人、B−1237「エコロジーテスト」編:高月 紘
講談社現代新書1425「環境ホルモン・何がどこまでわかったか」読売新聞科学部
なのですが、
その他にも「トライポロジスト」を調べたのですが、こちらには
ダイオキシン類については詳しく書いてないようです。
非塩素系有機化合物としてベンゾ(a)ピレンが一応環境ホルモンとされるわけですが、
オクタン価を上げるための塩素系化学物質もガソリンに使用されなくなりましたので
自動車の排気ガスにはダイオキシンやダイベンゾフランは問題にならない量とされています。

で、問題となってきそうな事柄としましては、使用されたオイル中に含まれる成分の問題と言えそうですが、
何も塩素だけの問題でもなく、オイル自体が発ガン物質であり、燃焼すればリン、塩素、窒素、イオウ、
また銅、アルミ、すず、鉛、亜鉛などの金属も出ますし、
環境にとって良いはずはありません。

こういうことが段々とわかってきますと、オイルのロングドレーン化や、再利用への研究にも期待が寄せられるわけですが、どうも期待とは裏腹に難しい経済的問題が頭をもちあげて来まして、
なかなか・・・と言った状態のようです。

いっそのこと、と思ってみても、今更快適で便利なそう言った機器からは離れられず、
(喫煙習慣も今更やめられず・・・ダイオキシン類が入ってます。)
古紙を出すときぐらいは歩いて運ぶといったような、地味な環境に対する姿勢だけして満足する始末です。
(自動車で古紙を運ぶと、ほとんど環境貢献度は帳消しで無くなってしまうばかりか、かえって出さない方が
環境に優しかったりする事になりかねませんので)

ともかく、きちっとした知識の上に立って、警鐘者の意見を聞き、まあ出来るだけといった曖昧な態度でも
相当改善できると言うことですから、
今後も資源の無駄使いに注意して行きたいと思います。
そうそう、オイル類は垂れ流ししないのに、クーラントなどどうしたらいいのだろう?
 



学会の数も多く、各分野の研究も専門化しすぎているため、ちょっと知りたいと思っても、
普通の人には、相当な勉強が必要になっています。
入門書を読もうとしても、それすら難しくて、理解することが困難になってきていますので、
知識自体も相当片寄ってきてしまいます。
そのための弊害も相当生まれてきているのでしょう。

ボーダレス化が言われているのですが、それは学者や学会にとっての事で、
何か本当に総合的な、分かり易い解説が欲しいのですが、
専門家にとっては、そう言ったことをしていては時代に乗り遅れてしまうという事からでしょうか、
それとも、また別のことなのでしょうか、
分かり易いものが非常に少なく感じられます。

例えば、オイルに添加する「固体潤滑剤」などを調べようとすると、
摩擦に関する知識が必要で、
表面の化学反応の知識も必要になり、
それらを含めた試験結果を読む必要があり、
と、言う具合に、止めどもなく知識やデータを知って行かなければなりません。

とはいうものの、知ったところでそれは製品になるかならないかさえわかりませんし、
果たしてオイルにそう言った製品が必要かどうかも問題となるところです。
メーカーから言われるままの製品、技術者から説明されるがままのアドバイスを、
「絶対的信用」としてうけ取る他はなく、
いちいち調べていたのでは、いくら時間があっても足りないでしょう。

オイルメーカーが「固体潤滑剤は入れない」と言うことには、
そのメーカーの(製品の耐久性目標と、それを使用する部品の摩耗などに関する)
技術的データと、理論的背景と、経済的理由などが背後にある事は確かなようです。
そう言ったことを調べていく内に、
段々専門的になってしまうことは否めませんが、
「潤滑」と言った問題が各分野に及ぶためでしょうか、
不思議な感覚に襲われることがあります。

もちろん私は専門家でもなく単に一般のユーザーでしかないわけですが、
どういって良いのか分かりませんが、
こうしてHPを書いていることにふと「疑問」が浮かんできてしまうわけです。
「こういう事って、オイルメーカーなり、添加剤メーカーなりが書いてくれたら、
良いことなのではないのかな?」

もちろん製品の比較テストなどは、紳士的な企業にとって
「もってのほか」なのでしょうが、
自社の各種の技術的資料をどうして公開してくれないかなど、
本当に理由が分からない側面とも思えてしまいます。

まあ、そんなことを考えながらも、ともかく知ろうと思えばある程度は
知ることが出来るわけですから、
まあ良いか・・・などと
納得してしまう、おめでたさで、
書き続けて行く合間の「ひとりごと」でした。

つづく・・・。


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