結論から言うと、話は終わってしまいそうですが、やっぱりある程度業者の 仕入れ値に関わってきてしまうのです。しかしそれは製造値→流通値→小売値 の間のマージンだけであって、性能とはちょっと異なるかもしれません。
仕方のない話ですが、添加剤はそれ自身でひとつの会社が作れます。例えば ”有機モリブデン”のところでも書いてますが、本当に優秀な有機モリブデンを 造っているメーカーは世界でもアメリカと日本だけと言われています。その メーカーがいろんな会社に原材料として提供しているわけです。
商品名が違っていてもほぼ同じ内容の商品も多くあります。 実際、オイルだって製造メーカーは各社の純正品を造りながら、 添加剤のブレンドなどを企業秘密にして 出来上がっています。外資系メーカー製品も日本製だったりします。
よく分かるのはPCです。分解せずともふたを開けるだけで、様々な国の メーカーのロゴが目に入ります。しかし、そのようなパーツとは違って オイルやら添加剤やらは成分が企業秘密なので一部だけしか成分を表示してない場合が ほとんどです。
まして、薬とは異なり、どの成分がどういうふうに効くなどとは、余程の理由がない限り 説明されません。こういったことがあるため、使ってみるしかないのです。 使ってみて、効いてほしかったところが良くなれば満足がゆき、満足の度合いで 安い高いがはじき出されるブラックボックスと言う感は否めません。 もし、100%満足なら(1000円で流通されている商品でも)、 小売値5000円に満足でしょう。反対に製造コストが非常に高く流通値3000円 でも、気に入らなければ小売値4000円でも高く思えてしまうのです。ひどい場合は 無難な添加剤を寄せ集めて高価なものとして売ることも可能です。
実際、製造費自身も原材料値も分からないのですから、いくらの小売値がついていても 本当にそれが優秀な?添加剤か、見分けがつきません。高そうな成分だと知っていても 普通”◯◯が入っています”とだけ書いてあるだけで、どのくらいの割合なのか書いてもいません。 あるメーカーから聞いた話によると、アメリカなどでは誇大広告ばかりで商品を販売し、 クレームに耐えられなくなるとわざと倒産させてしまうといった会社組織もあるそうで、 本当に目を疑いたくなる世界です。
こういうことがあってかどうか、オイル業界では粘度表示10W−40とか、オイルグレードの 認証SG、SH、SJやA3などといった、共通のテストによる表示がすすめられてきましたが 添加剤に至っては、まだ、なにも規制や承認組織がないようです。 (そのおかげかこうやってHPを書けるのですが・・。)
オイルに添加する場合、市販の添加剤総量に対して約3割入っていれば多い方で、 1リットルに直すとオイルの1〜2%ぐらいの量にしかなりません。
それでも、摩擦係数は某社のデータによると基油(=0.15として)より0.01下がった、 0.14ぐらいしかなりません。
有機モリブデンとなると、同じ量を入れると、0.05まで下がるので( ただし、安い有機モリブデンは二硫化モリブデン並の場合もある)圧倒的に効果が 分かってきます。エンジン音も静かに感じられ体感出来る性能アップが期待できます。
(SRV試験機:線接触測定、油温80度C、振幅1mm、振動数50Hz、測定時間15分間、 荷重200N−ヘルツ圧=209MPa、 使用金属材質SUJ−2、表面の粗さRa=0.16マイクロメートル、 試験基油=100ニュートラルオイル、 動粘度19.6mu/S、粘度指数VI=106、流動点PP=−15℃)
しかし、同量の値段の差はかなり離れており、硫化モリブデンが1000円で60cc( 200ccぐらいの容器ではこれくらいでも多い方です) 入っていたとしたら、多分有機モリブデンはその8倍ぐらい8000円となるでしょう。
もちろん、荷重をもっと下げれば摩擦係数も変化します。 期待される”効果の長さ”ですが、大体においてこれらの固体潤滑剤では、約3000Kmぐらい が、相場になっています。もって5000Km。と言うのも オイル交換を延ばすために造られたと言うより ”減摩剤”として造られているからです。3000Km辺りからゆっくりした劣化が感じられ、 ”そろそろオイル交換かな”と感じさせるのです。
調子が急に良くなるタイプは、固形有効成分が劣化してしまうと、いくらオイルの劣化が少なくても、
エンジンの調子は元のオイルだけの状態に近づきます。
すると、普通はエンジンの調子が悪くなったと感じてしまうのです。 悪い状態から良い状態になった時も、
感動的なら、良い状態から少し悪い状態に戻るだけでも体感度としては劇的に感じてしまうのです。
そのため、次から次へと添加剤を継ぎ足すか、オイル交換を早めに (あるいは今まで通りに)してしまう人が多く、結局、不経済となってしまう場合があります。
心情的にはよく分かります。せっかく良くなったのに、悪くなってしまうのが、たまらなくいやに
感じるのですから仕方ありません。
お気に入りのGRPでさえ3回目以降の投入では、そんなにそれ以上良くはなりませんので、
何か不満が残る感じが しました。オイルの劣化分が良くなっただけのように感じたからです。燃費などは、
初めて入れた時大幅に 改善されて以来、ほとんど劣化も改善もしませんので、
本当に何とも言えない虚脱感に襲われたものです。 ですから、現在2万キロ2年間以内は交換していません。充分耐久性があるため、
そう決めてしまいました。 ユーザーさん達も段々そうなりつつあります。
また、スキルEなどは1レースのみ良ければいいと言うコンセプトで造られていますので、
長期には向きません。 それぞれ、それなりの添加剤使用方法がありますので、
安い高いは使用目的で考えざるを得ません。
古くなってから添加剤を入れた人は、改善が感動的だったために、 新車に入れた時がっかりしてしまうことが多いと言う事にも
うなずける気がします。
ですから、添加剤を次から次へ探す人の気持ちも良く分かります。
すでに充分良くなっているのに、もっと良くなるのではないかと期待してしまうのですね。