肩の凝らない、しかし、嘘かもしれないページ66

冬用のオイルを夏場を越えて使用するには

冬用のオイルと夏用のオイルは、外気温の差が大きいので変えておられる方が
結構いらっしゃると思われます。
普通は「マルチグレード=オールシーズン」と言う目的で、
オイル交換をことさらしなくても良いようにオイルの粘度が広く設定されているわけで、
一般のエンジンではそう問題はなく使用できるのが通常です。
1年を通して使用される場合は、エンジンにダメージのかかりやすい「夏」を基準に
考えればいいのですが、
エンジンによっては、どうしても冬場が始動時からの粘度抵抗が強く感じられて、
エンジンのふけも悪く、柔らかいオイルを使用したいと思われる方も多くおられます。

高級なオイルと言っても、元々粘度が低い場合は、ハードな走行では3000kmが限界と言われ、
粘度維持は結構難しく思われます。(もちろん普通走行ならもっと持ちますが・・・)
ガソリンなどの燃料希釈やブローバイガスの混入がありますので、特に粘度が柔らかいオイルは
「持ち」が良いとは思われず、
趣味と言ってもそうそう高価なオイルを使用できませんので、
車の走行距離と共に、段々「スタンダード」なオイルへ変えて行かれる傾向が強くなってきます。

特別高級なベースオイルを使用している場合は、その代替え商品は見つけることが難しく、
輪をかけて特殊な添加剤を使用されているとなりますと、
最高の状態を維持するのは相当費用がかかり、どうしてももう少し長く使用したいという要求が生まれてきます。
レースなどに出ておられる方は、毎回新しいオイルに交換されていたり、気に入った添加剤を入れていたりしますので
その費用は相当なものになります。
知人も「スポンサーが欲しい」とつぶやいておりました・・・。

で、オイルに対して、そこまでの性能維持をお考えでない方で、
冬を主体に粘度を選ばれておられる方は、
夏には「粘度増強剤=ポリマー剤」か、同銘柄で「粘度が違うオイルを混合しても良いタイプ」のオイルがありますので、
そういった商品を一度試されてはどうでしょうか。

例えば5w−30を使用されていて、夏場だけもう少し粘度が欲しい場合、
10w−40か15w−50のオイルが混合可能オイルであれば、
5W−30の方を抜いた分だけ、10w−40か15w−50を入れてやれば粘度は上がります。
ポリマー系添加剤の粘度増強剤的な性質を持つ商品も同じようになります。
先のページにも書きましたように、
新しいオイルを継ぎ足すことで、それ相応の添加剤を入れることにもなりますから、
途中で一部オイルを抜き、粘度の固いオイルを抜いた分入れることで、全量交換よりコストは少し抑えられるかと思います。
ただし耐久性の向上があると言っても、全量交換と比較すればそこそこの耐久性しかありませんので
その見極めが難しいところです。酸化劣化などは連鎖的に進行するので、
オイル自体は新油+旧油=旧油ですから
劣化速度は新油を入れた割合だけ延びると言うことはないでしょう。
けれど基本的には全量交換が好ましくとも、経費の問題から交換が難しい場合、
フィーリングの良くない状態で自動車を運転するよりはまだ「まし」とも思われますし、
それ相応の良いオイルを使用していれば、すこしぐらいであれば無理も利きますので、
過走行にならない程度であればこういった選択も良いのではないでしょうか。

5w−30ぐらいの粘度のオイルが標準とされているワゴン車の場合、夏期の高速長時間走行などでは、
構造的な問題もあってか、どうしても熱ダレが起こるようで、5w−40でぎりぎりのフィーリングが保てるみたいです。
特に普通の走行をしていれば、高速でもそれほど違和感はないのですが、
追い越し時、登坂時には特に出力の伸びかたが良くなかったように感じられました。

同様に0w−40を使用したフィーリングでは、過酷な登坂路において5w−50と比較して
非力に思えてしまいます。
これも車種やエンジンの排気量によって異なるフィーリングになるでしょうし、
使用するエンジンの回転領域によっても異なってくるのが当然ですから、
夏期のそういった走行だけで判断してしまうのはどうかとも思います。
一般走行には全く問題ないと思われたからです。

低粘度オイルは燃費を考えて使用されるようになってきたわけですから、
そういった走行を想定していないのでしょう。
どうしても冬の始動性は低粘度オイルに歩があり、抜群に良いのです。
ということで、この冬はテストも兼ねて5w−50シントロンから
ワコーズ「EXシンセ」5w−40、100%合成油にしました。
インプレとしては、ATFなどが暖気を必要としますので、暖気が終わるまでは、
エンジンレスポンスが向上しても、僅かながらATの方が付いていっていないという感じは
拭い切れませんでした。ATFの方はどうしようもないのかもしれません。
始動時の5分間は、アクセルワークをいつも通りと心がけましたが、
回転数がいつもと比較して上がり過ぎるような軽さです。
暖まれば、ついふかしてしまいますし・・・。
(逆に燃費に悪そう・・・笑。)
また、夏期限定ですが、同様なフィーリングの違いは、プラグの熱価を変える事でも感じております。
夏は熱価を2つぐらい上げた方が、始動性もほぼ問題なく、高速ツーリング時(だけ)の伸びがよくなります。
冬は熱価を戻してやれば良いことになります。
着火性を重視するのであれば、パラジウムやプラチナやイリジウムも元々が冬用に開発された商品ですから
熱価を1つ上げたぐらいで、冬の始動性が悪くなるようなこともないようです。
夏用・冬用でプラグ熱価を変えてみてもよいように感じます。
まあ、無茶をしない範囲で、自分の好みにあった粘度を発見することも、楽しいものです。
経済的に許せるのであれば、季節や走行条件にあったオイルなどを選んで行けば一番良いのです。
ATFと比較すれば、エンジンオイルは結構許容範囲が大きいと言えますので、
ポリマー系添加剤使用もそれなりに面白いものですし、
低粘度オイルもそれなりに使用すれば気分転換にもなります。

最近欲求不満かな・・・笑。

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