肩の凝らない、しかし、嘘かもしれないページ8

異なる添加剤を入れたらどうなる?

時々、添加剤とオイルの相性とか、添加剤Aには添加剤Bを入れない方がいいとか言われることがあります。 また、添加剤Aの後に添加剤Cを入れても効果が薄いとか、添加剤Dと添加剤Eとは相乗効果があるとかという ことも聞きます。一体どういうことなのか考えてみたいと思います。
オイルメーカーは大体において、出回っている業務用工業用”添加剤”や自社開発した”添加剤”をブレンドして、エンジンオイルとして 売っています。そこで添加剤のバランスや、添加剤同士の反応が起こりにくいようにブレンドしています。
そのため、オイルに最初からブレンドしていないものを”添加剤”として加えると、オイルにもともとブレンドされている添加剤の 配分が変わってしまい、”オイルの性能に悪い影響を与える”という懸念を持っています。
そのため、オイルに他の添加剤を加えても保証はしておりません。(しかし、他の添加剤を加えても大丈夫なようにテストしているらしいのですが・・・)
一方、添加剤メーカーは、いろんなオイルに対して悪い反応を起こすかどうかを充分テストして商品を出していますので、 余程のことがない限り、市販オイルとの相性は大丈夫だと思われます。
問題は、添加剤同士の反応です。固体潤滑剤に分類されるタイプの添加剤は その”固体潤滑剤”自身が他の”固体潤滑剤”と反応することはまれです。 しかし、その”固体潤滑剤”を溶融させている添加剤(分散剤や乳化剤など)が、他の添加剤成分と 反応を起こすことは充分考えられます。そうなると、固体潤滑剤が沈殿したり、化学反応を起こして オイルに悪い物質をつくったり、エンジンの金属を腐食させたりなどなどと 何のために添加剤を入れたのか分からないような状態になってしまうことも起こり得ます。

 反対に互いに補い合って良くなることもあります。例えば、相乗効果として良い結果が出ているのは、 金属の表面を処理するタイプの添加剤と有機・二硫化モリブデン系添加剤です。過剰な表面処理をやさしくコート する事によって、金属の削れを押さえています。

また、全く異なるタイプの添加剤の場合、どちらかの成分の方が他の成分より摺動部によく定着、結合するため、弱い方は全くと言っていいほど効果が発揮されずに終わってしまうこともあります。 こういった場合は時期がずれていると、効果の高い添加剤の”効き目”が普通より遅くなってしまい、早急に判断すると”効かない”となってしまいます。
その他、金属面に他の成分があると効果のないものや、特定の温度や圧力がないと反応できないもの、金属の成分によっては くっつかないものなど、様々な制約を持った添加剤成分があります。


添加剤を使っていると、よりよい効果のものを使いたくなるため、様々のタイプの添加剤を 次々と使うことも多くなり、結果としてどの添加剤が良かったのか分からなくなる場合もきっと出てきます。

 決まって言えることは、無添加状態に添加した場合が一番効果がある製品を見つけやすいと言うことです。 ですから、普通、テストなどは他の製品のあとに入れてみて良くなった箇所のデータ をテストデータとして公表しません。伸び率が悪くなるからです。必ず、無添加オイルに対してデータを 出します。

 そういう意味では、即効性のある添加剤は、最初のうちに、効果が100%近く出てくるため、 すごく良い添加剤として認められます。遅効性タイプはいつの間にか良くなっていた、 という遅い場合も多く、瞬時に比較することが出来ずに”大したことがない添加剤” の部類に入れられてしまう可能性が高く、真価を発揮できずに、判断されて かわいそうに思える事があります。

 もちろん、性能的にも低品質な添加剤をあたかも”最高級”かのごとく広告しているものなどは、 いつまで経っても良くなるどころか、他の良質な添加剤のイメージにも悪い影響を与えますので もってのほかなのですが・・・。


添加剤同士が反応しあい、悪い影響が出るかどうかは、添加剤メーカーがその成分を 表示していない関係上、判断しようがありませんが、添加剤を混ぜるなどということは、出来るだけ やめた方がいいでしょう。
例えば、燃料添加剤では、新しいタイプの”GDI”や”D4”などに対しては、出来るだけ使わないように 燃料添加剤メーカーから通達が出ています。実験データが少ないことや、燃料添加剤を入れることによって 燃焼効率が変化するので、悪い影響が出る可能性が否定できないからです。もし入れるとなれば、そういう タイプ専用の燃料添加剤を開発し、”◯◯エンジン専用”と注意書きが入るはずですから、そういったタイプの 燃焼方式の自動車を持っている人は、待った方がよいでしょう。

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