オイルについて書いていながら、具体的なオイル交換方法とか、適量とか解説しているページを持っていませんでした。
理由ははっきりしています。実はいつも行っているのに、その場で決めてしまうからで
はっきりと説明できる理由を根拠を持って説明出来ないからでもあります。
実際はある特定の方法に準拠していますが、その場によって異なることが往々にして起こりますし、
使用目的・次の交換時期(距離)によっても、エンジンのコンディションによっても、変わるためです。
とはいうものの、気分で変えている訳でもありませんので、
二者択一でどちらを取っているかも振り返って考えてみました。
また、これはあくまでも私見ですから、判断はご自分で決めてくださいね。
オイル交換とはいえ、「自分の考え」で、抜き方・量の調整などなどと決めるって言うのは本当に楽しいですよ。
Q:安全にオイル交換出来るかどうか?
A:オイルをドレーン抜きするからには、自動車の真下に体を入れなければなりません。
4WD車など車高が高い場合は、タイヤをつけたまま潜るだけでオイル交換可能なのですが、
乗用車など、アンダーカバーもあり、ジャッキアップしなければオイル交換が出来ないのが普通で、
かなりリスクのある仕事とも言えます。
(ですから、人任せがこの際一番安全ですね。笑。それも一つの方法です。)
私の場合は仕事ですから人任せに出来ないので、必要以上に気を遣います。
※自分でする場合、くれぐれも無理しないことが肝心です。
エンジンオイルが熱いならある程度さめてから行うとか、潜っている最中「地震が起こっても」大丈夫くらいに
ジャッキだけでなく、出来るだけ「馬」を使うようにしましょう。
時間が掛かろうと、お金がかかろうと、怪我をしないことがまず1番大切なことです。
必要な道具を揃える気持ちがないなら最初から自分でしない方がましです。
良い方法としては、ジャッキアップを行わず、自動車の下に入る事が出来れば安全となります。ドレーンボルトの閉め忘れ、オイルシールなどの入れ忘れによるオイル漏れ、オイルによる火傷などもありますし、
エンジンをかけたままでは排気ガスの充満で危険ですが、昔から「ピット」として、地面に穴を掘り、その中で
作業をするのが安全とされてきました。今も陸運局での車検の際は使われていますね。
で、そういううまい方法は排水用に大きな溝がある場所などではそのままオイル交換程度なら使えます。
ただし溝にタイヤを落とさないよう注意が必要です。
あるいはジャッキアップした時、前輪タイヤの下に中古ホイールなどを下敷きにしてジャッキを降ろし、
下に入り込める程度の空間を作る方法も安全かもしれません。ジャッキだけで持ち上げて作業するのは
出来る限り避けています。
また、こちらでは、米松(L:120cm*w:50cm*h:25cm )をスロープ状にした台形の板を利用して、
オイル交換など簡単な下まわりの点検・作業用ピットとしています。
「ドレーンボルトをどこに付けるか」はいろんなエンジンを見ていますとよく分かるのです。
作業性も関係してきますが、これはエンジンを設計した人の意図したオイル交換の概念が反映されていると
思えるわけです。レベルゲージからオイル交換をする方法で設計されているなら
たぶん、いずれ私もその方法に従うと思います。
また、初めてオイル交換される方は「ATFドレーンボルト」と間違わないように注意が必要です。
普通はエンジンの位置からすぐ真下ですので、分かると思われますが、
どうしても不安な場合は、ボルトを抜ききらず、滲んでくるオイルの色・匂いで判断してください。
ATFのにおいは、ミッションオイルと同様の変わった(?)においがしまして、オイルの色も赤みがかった色です。
エンジンオイルはどちらかといえば琥珀色から茶色。あるいは濃いグリーン系色です。
(オイル交換時ですから、場合によっては真っ黒。特にディーゼルは。)
比較としては、交換用に買ってきたオイルの色・においと同じようであればエンジンオイルと分かるはずです。
(目次へ)
Q:必要な道具など
A:すべて揃っている状態なので、初めて交換される方に道具を説明するのは難しいのですが、
車載工具は本当は使い物にはなりません。私もですが素人はスタンダード以上の工具を購入し使った方が安全で確実といえます。
(これは経験から学んだことで、良い道具が必要です。)
一生涯使えるぐらいの道具の方が本当は良いのですが、とりあえずオイル交換だけですから
めがねレンチくらいは揃えた方が良いと思います。車種によりソケットレンチでしか外せない場合がありますが
通常ソケットレンチは使用しない方が良いと思われます。
オイル交換とはいえ、こちらでは”ネプロス”のロングストレートを使う事も多いわけです。
どこでオイル交換されたか分からないので、ドレーンボルトの締め付けトルクなどもばらばらですし、
良い道具を使いますと、ボルトの状態も良く手に伝わります。
めがねレンチの形状は出来ればストレートタイプが良いでしょうね。無ければ別のタイプでも良いでしょう。
オイル交換でさえ、最低「油圧ジャッキ」「馬」「めがねレンチ」「廃油パン」「ウエス」「軍手」は揃えてください。
目にゴミが入る場合が多いですからゴーグルなどあった方が良いかもです。
寝板の代わりに、段ボールを下に敷いておきますと、何かと便利です。
服装もオイルまみれになっても大丈夫なように着替えてくださいね。
代替利用できる物として:
油圧ジャッキ=車載ジャッキを2機
馬=ホイール付き廃タイヤなど2本以上、
「廃油パン」=2Lペットボトル2−3個を加工して代用。または4Lオイル缶を加工した物等々。
ウエス=いらなくなったシャツなど「ぼろ布」
(目次へ)
Q:ボルトを外す工具は?
A:ドレーンのボルトやオイルシール(パッキン)は予備がありますので、普通にめがねレンチで外しています。
(出来るだけ前もって揃えておきましょう。)
軽く柄をたたけば、すぐ指でも回せるはずです。異常に堅い場合や、ねじ山が削れている場合など
即交換です。取り付け時は思い切り締め付けすぎない事が肝心と思います。
場合によって、うんともすんとも動かない厄介なねじがありますが、
あわてず、工具を変えます。なめてしまう可能性がありますし、ねじを壊さない内が道具を生かせますので、
ストレートの高級な長いめがねレンチで外します。
それでだめだったら・・・サンダーで削ってドリルで外し、タッピングし直して・・・。笑。
(目次へ)
Q:オイルフィルターを外すには
A:オイルフィルターを外す道具は、何種類かありますが、使用した経験上「カップ式」が一番使いやすく思いました。
手が入りやすいく、回せるスペースがあるならバンド式レンチでも構いません。
汎用タイプの物で全部うまくゆくと思うかもしれませんが、最近のフィルターの位置はとんでもない箇所にあったりしますので、
やむなく全車種の寸法にあったカップを揃えるようになりました。
もちろん仕事柄、他のレンチも揃っています。
ユーザーさんにおすすめする道具としては、たった一つで良いですから確実に回せる物があれば良いわけですが、
メーカーや車種によって使いやすい道具も様々ですから、購入される場合は、整備士さんに相談されると良いでしょう。
カップ式の場合、きちんと寸法が合っていませんとオイルフィルターが凹み滑ってしまい、外せなくなります。
きつく締まっているフィルターを外すには打ち抜き鉄板製は滑る傾向がありますので、カップ式でも硬性の高い
製品が良いと思われます。
それでも、中にはどうしても外せず、フィルター自体が歪んでしまうほど引っ付いた物があり、苦労します。
ほとんどの製品(フィルター)でエンジン部に当たるフィルターの付け根は接合部として分厚くなっていますから、
そこにドライバーなどを当て、外す方向へハンマーなどでたたいて回転させれば外れます。
もし、その位置までドライバーが入らない場合はフィルターの上部の凹んだ角などをたたいて回すと良いでしょう。
また、フィルターの中心は避けてフィルター側面からドライバーなどで貫通しドライバーごと回しても良いかもしれません。
注意したいのは、フィルターのオイルシールが当たるエンジン側平面を傷付けないことと、エンジン側から出ている
ねじを歪めたり傷つけないことです。
(目次へ)
Q:ドレーンボルトは何回ぐらい使えるか?
A:実際にどの程度で使用不可になるか、新車から見ていますが、
オイル交換が5000km毎としてもボルトだけならば20−30回以上大丈夫と思われます。
走行距離で言えば10−15万kmになりますから、ほとんど無交換で良いとも思えます。
中には20万キロ以上走行していますが、未だに交換していない物もありますから、
実際は、不具合を感じてから交換するというのが一般的な対応といえそうです。
不具合はねじの山で判断しますが、比較するためにも予備的な意味でもパッキン付きで新品を1個は持っておいた方が
良いでしょうね。普通500円から1000円までの製品のはずです。
ねじの耐久性などに関してはまた別に考えたいと思います。
ですが、オイルのパッキンは一旦使用しますと構造上、圧が掛かり変形したままになり、
再使用時にシール性が確保しにくくなりますので、メーカー指定ではパッキン自体は毎回交換を推奨しています。
こちらでも必要に応じて交換していますが、2回、3回くらいは一応問題ないでしょう。(保証はしませんが。)
どうしても必要以上に締め付ける傾向がありますから、ワッシャー状の金属パッキンの場合は出来るだけ毎回交換
した方が良いですし、ねじが変形したまま再利用しますとオイルパン側を痛めますから、
ねじ山が丸くなっていたり、ピッチの形がきれいに揃っていなかったら、交換をお勧めします。
こういった内容は「ねじ締結概論」酒井智次著:養賢堂などに詳しく書いています。
適当に交換っていうのが難しいですから、オイル10回交換でボルトも替えてしまうとか
オイルフィルターの交換のような決め方の方が良いかもしれませんね。
パッキンは銅製・アルミ製・アスベスト(樹脂?)製などあります。
(目次へ)
Q:フィルターやボルトの取り付け
A:取り付け方は外した方法と逆をすればいいのですが、シールワッシャーを新品に変える場合は、
ドレーンボルトに古いシールワッシャーが引っ付いていないか、確認された方がいいでしょう。
樹脂系パッキンなどほとんどの場合タンク側に引っ付いていますから、綺麗に剥がし取らないとダブルパッキンとなり
そこからオイルが滲んできますので要注意です。
フィルターなどもゴムシールがエンジン側に張り付いていることがありまして、これは取り外したフィルターのねじ側の
ゴムシールがちゃんとあるかを確認することによってゴムシールが残っていないかわかります。
シールが外れるくらいですから、結構堅く付いています。
エンジン側に残っていたら取り付け面に傷を付けないよう工具(スクレィパー)などを使い剥がします。
取り付け面が、砂やスラッジなどで汚れていましたら、綺麗にしておきます。
で、取り付けるボルトにシールワッシャーを付け、指の力で当たるまで締めてゆきます。
オイルフィルターも、ゴムシール部にオイルか、グリースを塗り(最初からグリース付の製品もあります。)
手で回るところまで軽く締めてゆきます。
ドレーンボルトはシールワッシャーの素材によってトルクも変わってきますが、
ワッシャーが潰れすぎてリング部が切れてしまわないように注意してください。
オイルフィルターの場合、大体その位置から3/4回転〜1回転程度で十分と言えます。
(締め付けすぎますと、次回取り外し時苦労しますよ。)
その後、工具などで増し締めし、エンジンをかけ、にじみがでないのを確認して取り付けは完了です。
普通締め付けトルクが規定であるのですが、実際はきちんとそのトルクをトルクレンチを使ってしめることはしていません。
実際はややオーバートルク状態になっていると思われます。
(普通は新車時以外、ほとんどトルクレンチを使ってしてない事の方が多いでしょうね。)
ある程度工具で締まらなくなったら、それ以上は締め付けないという力加減で良いと思いますが、
さて、これをどう説明するか困ったものです。
アルミワッシャーの場合でかなりのトルクをかけないと滲む場合もありましたし、樹脂パッキンの場合で締めてゆくと
リングの端が潰れ、亀裂が入ってしまったこともあります。
場合によって、シールの材質を変更する場合もあったり、ねじの山を整形しないといけない場合もありました。
どんな場合にもこの方法なら良いという力の入れ方が説明できませんので
このあたりは、「適当に」という事にさせて頂きます。
Q:熱い時に抜くか冷えている時に抜くか?
A:ユーザーさんの状態による。急いでいる場合は、来店後すぐですからほとんど熱い状態です。
まれに火傷することもありますが、そこまで熱いオイルは抜いても良いか不安に思える時もあります。
エンジンがある程度冷めてから交換した方が一般的には良いかもしれません。
大体の場合、熱い状態の場合の方がしっかり抜けるようですね。ただ、増粘を判断するためのディーゼル車の場合
冷え切った状態にしてから抜くこともあります。
夏はエンジンが暖かくても冷たくても、さほど抜ける量に変化は無いと思いますが、
冬は粘度が影響しやすく、やっぱり暖めた方が抜くのには「楽」ですね。
新しく入れるオイルなども出来れば「暖めておいた方が」、楽に入れられますよね。
翌日以降の納車になる場合は、後で冷え切ってから一晩かけて抜くこともあります。
(抜けすぎる場合もありますが・・・油圧機器にエアーがかむこともありますよ。)
自分の自動車はどうしているかっていいますと、残念ながら、「ついで的」に交換していますので、
ですから、冷たい時がほとんどです。
(目次へ)
Q:ドレーンから抜くかオイルレベルゲージ穴から吸い上げるか?
A:こちらには吸い上げる機械がないので、すべてドレーン抜きです。
フロントからジャッキアップする時と勾配の付いた台に乗せてそのまま抜く時がありますが、
どちらにしても
オイル交換でせっかく来店されたのだからと、下回りを「目視点検」出来ますのでそれも好都合です。
ある程度時間に余裕がある場合は、ほとんどジャッキにてボディを傾けて抜くようにしています。
おかげでオイル交換に1−2時間って言う場合も起こっています。
仕事としては成り立たないわけで、反省すべき点ですね(笑)。
上抜きが良いか悪いかより、「きちんと作業出来るかどうか」の方が本当は大事と思っています。
時間をかければ、すべてきれいにオイルが抜けていると思われるかもしれませんが
きっちり抜いてもやっぱり残っていると思います。(下記で説明)
それでも長期間交換しない乗り方をする場合はある程度きちんと抜いておいた方がいいでしょうね。
(目次へ)
Q:オイルが抜けた後、最後にエンジンをかけて更に抜く方法の是非
A:オイルフィルターの交換がない場合、オイルフィルター内部に古いオイルが残っていますので
適当にエンジンをかけてフィルター内部やラインの廃油を抜いています。
(ドレーンボルトはやや緩めに取り付けています。)
ついでにオイルプレッシャースイッチが作動するかも見られます。オイルの圧力が掛からなくなれば
「警告灯」が点灯するわけです。
車種によっては、結構残っていまして、抜けにくいのか、室内のメーターパネル内にあるオイルランプの
点灯が異常に遅い場合もあります。点灯した時点でエンジンOFF。
(逆に、新オイルを入れてもなかなか消灯しないスイッチもあります。少しアクセルONで、すぐ消えますよ)
大体200cc−500ccは、更に出てきます。車体を傾けますとよく分かりますよ。
ドライ状態でエンジンを回しているのか不安と思われる方も多いのですが、まあ、15分も20分も
アイドリングするわけではありません。精々1分程度でしょう。
廃油が残っていない方が、新油の劣化を遅らせることは言うまでもないのです。
(目次へ)
Q:どの方向に傾けるとオイルは良く抜けるか?
A:実はこれはドレーンの位置と異なり、配管内部の構造やオイル溜まり(例:ラルゴ)+
全体の関係にもなりますので、
確かめてみられると面白いですよ。画像ではうまくオイル溜まりが出ていないかもしれませんが、
300cc-500cc程度は残っている場合も見受けられます。
もちろん、廃油する最終位置がドレーンで一番抜けやすい傾きなのですが、適当に傾けられると
良く抜ける位置もあるみたいです。
ただし、ジャッキアップしていますから十分注意して安全に作業してください。
無理に傾けない方が良い場合もあります。
(目次へ)
Q:廃油の色・量は確認しているか?
A:間違いなく、抜けた(廃油)量は確認します。普通はエンジンの排気量からある程度、オイル量が解りますが、
誤差範囲(0.5L程度)を越える場合は、オイル漏れ、その他を確認します。
上抜きでない良さは、こういう際に、下回りの点検が出来ることで、まれにオイルパンが潰れていたり、
プレッシャースイッチから漏れが出ていたり、・・・LLCなどクーラントのホースとのバンド部からの漏れなど、
・・・・日頃あまり出来ていない点検が出来ます。
もちろん、廃油の状態を確認することは言うまでもありません。
で、どうやって廃油の状態でエンジンの状態を知るかですが・・・。
(簡単に説明できるようになれば良いですね。)
結構役に立つのが廃油の「におい」です。ガソリンや軽油がきれいに燃えているかが走行距離などから
判断しやすいです。
オイルが黒いのはカーボンが多い場合が考えられますので、エアクリーナーやプラグなどの吸気系も
点検しておいた方が良いでしょう。
ガソリン臭い場合や軽油臭い場合は、燃料漏れも確認してから、キャブ・インジェクターの掃除など必要かも
しれません。
(目次へ)
Q:廃油をどうするか?
A:廃油の処理は面倒な物です。出来ればゴミに出さず、スタンドとか整備工場にそのまま持って行き、
再利用(ほとんど燃料ですが)するようにしてもらうのが良いでしょう。
大体200Lドラム缶1本分は200円程度の廃油料と思いますので、(地域によってこの値段は分からない)
4L缶1本でしたら10円〜20円程度支払うのは礼儀と言えそうです。
いきなり持ってこられてもガソリンスタンドや整備業者は困りますから、あらかじめ
行きつけのお店に頼んでおいた方がいいでしょう。無理なら、そこで交換してもらいましょう。
廃油をガレージなどに保管する事が出来る場合は、20Lペール缶などで購入し、そこに入れておき、
たまったら処分に出すのもいい方法と思います。
こちらでは廃油処理業者により引き取ってもらっていますが、大方が燃料用とお聞きしております。
フィルターなども出来ればついでに捨ててもらいましょう。
(目次へ)
2.オイルの給油量
おおよそエンジンによってオイルの充填量は決まっていますので、
あらかじめ「取り扱い説明書」や「整備手帳」などで、調べておきましょう。
通常は「オイルだけの交換」の場合の量と、「オイルエレメントも交換」する場合の量が
記載されていると思います。載っていない場合は必ず、ディーラーで聞いておいた方が良いでしょう。
マルチグレード粘度の適応表なども知っておくと便利です。
まれに「オイルパンが凹んで」規定量が入らない場合もありますが、通常は規定量通り入ります。
(下まわりをどこかの縁石にぶつけた場合、必ず確認しておきましょう。)
オイルパンが凹んでいますと、規定量は入らなくなりますので、その際は
オイルディップスティックなどで入る量を確認します。オイルパン交換かどうかは整備工場などに
判断してもらうと良いかもしれません。
また、走行距離に対して抜ける量(廃油量)も知っていますと
普段と比較して抜けた量が少ない場合など、エンジン側などの異常に気が付く事があります。
Q:レベルゲージのどのあたりが理想的か
A:オイルの規定量は使用条件によっても変わります。
普通走行ではオイルが偏ってポンピング出来ないような事(エア吸い込み)は無いので、オイルパン自体の仕切も
それほど高い位置まで仕切られていません。(レース用などはオイルパンにも専用があります。)
ですから、自動車を普通に置いた状態で、オイルレベルゲージで見ればいいことになります。
基本的にはアイドリング状態で、ある程度暖まった状態でゲージを見ることになります。
どの位置が良いかは、いろいろご意見が多い訳なのですが、私はきっちりとオイルレベルの「HI」に合わせるように
することが多いです。
理想的にはLOWとHIGHの間で、ややHIGH寄りが良いと思えるのですが、
オイル消費はオイル劣化に(=エンジンにも)影響しやすいですから、
消費量を知った上でこまめのチェックが出来る人向きと思います。
HIレベルをどれくらい超えても良いかという事で以前テストしたことがありましたが、
通常走行ではオイル規定量の10%程度であれば問題ない結果と言えそうです。
(0.3Lから0.5L程度)
ユーザーさんで2.5Lのところにプラス1.0L程度入れて来られた方がおられましたが、
一応それでも支障は出ていないようでした。
ただし、同じ規定量の軽自動車で4.5Lものエンジンオイルが入っていた場合があり、この場合は
バルブステムシールからのオイル下がり状態と同じように、白煙もうもうになっていました。
オイルがあまりにも多いと、オイルの攪拌抵抗となり、油温上昇、気泡発生など良くない現象に
つながりますので、入れすぎは禁物です。
もちろん少なすぎるのも良くないことです。
(目次へ)
Q:少ない場合と多い場合の比較
A:多く入れすぎた場合と少なすぎる場合、上記のようにどちらにしても間違いなく良くないのですが、
期間的にも走行距離的にも「早めにオイル交換される方」は、やや少な目で良いでしょう。
途中で点検をすることがほとんど無い人の場合は、逆に多少多目に入れた方が良いかもしれません。
多すぎると攪拌抵抗になったりして、油温上昇に繋がるかもしれませんが、通常の走行ではほとんど問題になりませんし、
少なすぎて潤滑不良を起こすよりはましと思われます。
途中でレベルゲージを見て継ぎ足す場合は、出来れば、エンジン始動させる前に一旦ゲージを抜き取って、ゲージから抜き、
もう一度差し込んで見ます。2度目のディップスティックに付いた位置で調べますと正確なレベルが出ます。
(ディップスティックのゲージ穴が密閉されていたりいて、圧力が抜けず不足の低い面を指すことがあります。)
(目次へ)
Q:オイル量を多く入れすぎた場合どうやって抜くか?
A:実際にオイルを入れすぎたことは、過去2回あります。いずれも2回分入れたわけで洒落にもなりません。
こちらでは、もちろんドレーンですべて抜き、また適量を入れるわけですが、
(2倍のオイル量でもエンジンはかかります。
少しだけ入れすぎた場合は、ドレーン抜きする必要はないでしょう。
ハイレベルからオーバーする許容量は大体0.5Lまでと考えていますが、これはあくまでも目安にすぎません。
気になる場合はやはり抜いた方が良いでしょうね。
で、抜く時の方法などメールいただきましたので掲載させていただきます。ありがとうございます。
「オイルを入れすぎたとの抜き方ですが、ドレーンボルトを抜いて調整するのは難しいし、大変な作業なので、なお、いろいろ方法があるでしょうが、抜く時には水分・異物が入らないよう注意が必要です。
注射器を使って抜くと便利です。注射器に6mmの耐ガソリンのビニールのパイプ(両方とも南海部品等の2輪用品店で購入できます)
を私は使用しています。ビニールのパイプは1mもあれば充分です。注射器は50ミリリットルもあれば充分です。
もっとせこくいくのであればシャンプー等のポンプを使用します。
ビニールパイプは5mm位の物をホームセンターの熱帯魚用のエアポンプ用の物を使用します。
注射器に比べて抜くのは手間が掛かりますが値段は格安です。このやり方はエンジンオイル、ブレーキオイル、ミッションオイル、ATオイル、デフオイル等の作業にも応用が利くので便利です。
なお業務用には注射器を使用するのがやりやすく抜いた量もわかりやすいのでお奨めです。ぜひお試し下さいませ。注射器は医薬品の問屋や東急ハンズや2輪車の大手用品店で購入できます。確かバイクのFフォークの油面の調整用としてキジマ等のパーツリストに載っています。2輪用品店でカタログ等を見て下さい。
お近くの南海部品やコミネオートセンター等の2輪用品店で購入するのが値段は高いですが、確実だと思います。
もしくは2輪のレースをやっているショップできいてみてもいいと思います。」
とりあえず、思いつくまま箇条書きしました。
また気が付いたら、付け加えてゆきたいと思います。
メールが送れない場合:macchann@mbox.kyoto-inet.or.jp