排出源(HCのみ) | 排出割合 |
排気ガスより | 60% |
ブローバイ・ガスより | 25% |
燃料蒸発ガスより | 15% |
資料:特定自動車の窒素酸化物排出基準
車両総重量 | 排出ガスの測定モード | ディーゼル車 | ← | ガソリン・LPG車 | ← |
第31条の2の基準 | 平均排出ガス基準 | 第31条の2の基準 | 平均排出ガス基準 | ||
1700Kg以下 | 10モード、10.15モード | 0.48g/km | 0.25g/km | 0.48g/km | 0.25g/km |
↑ | D6モード | 100ppm | 70ppm | − | − |
1700Kgを越え
2500Kg以下 |
10モード、10.15モード | 0.98g/km | 0.70g/km | 0.98g/km | 0.70g/km |
↑ | D6モード | 210ppm | 150ppm | − | − |
↑ | D13モード | 4.6g/kwh | 3.4g/kwh | − | − |
↑ | G6モード | − | − | 360ppm | 250ppm |
↑ | G13モード | − | − | 4.6g/kwh | 3.4g/kwh |
2500Kgを越え
5000Kg以下 |
10モード、10.15モード | 2.14g/km | 1.53g/km | 2.14g/km | 1.53g/km |
↑ | D6モード | 350ppm | 260ppm | − | − |
↑ | D13モード | 6.80g/kwh | 5.0g/kwh | − | − |
↑ | G6モード | − | − | 600ppm | 450ppm |
↑ | G13モード | − | − | 6.80g/kwh | 5.0g/kwh |
5000Kg超え | D6 | 520ppm | 400ppm | − | − |
↑ | D13 | 7.80g/kwh | 6.0g/kwh | − | − |
↑ | G6 | − | − | 900ppm | 690ppm |
↑ | G13 | − | − | 7.80g/kwh | 6.0g/kwh |
資料:ディーゼル乗用車の排出ガス規定値
成分 | 49年度規制 | 52年 | 54年 | 57年 | 61・62年度規制 | 2年 | 3年 | 4年 | 6年 | 9年 | 10年 |
CO | 980ppm | ← | ← | ← | 2.70g/km | ← | ← | ← | ← | ← | ← |
HC | 670ppm | ← | ← | ← | 0.62g/km | ← | ← | ← | ← | ← | ← |
NOx
車両重量1265Kg以下 |
590ppm | 500ppm | 450ppm | 390ppm | 0.98g/km | 0.72 | ← | ← | ← | 0.55 | ← |
NOx
車両重量1265Kg以上 |
↑ | ↑ | ↑ | ↑ | 1.26g/km | ← | ← | 0.84 | ← | ← | 0.55 |
黒煙:3モード(%) | 50 | ← | ← | ← | ← | ← | ← | ← | 40 | 25 | ← |
黒煙:無負荷急加速
(%) |
50 | ← | ← | ← | ← | ← | ← | ← | 40 | 25 | ← |
粒子状物質(g/km) | − | − | − | − | − | − | − | − | 0.34 | 0.14 | ← |
識別記号
(車検証に記載) |
− | − | K | N | Q | X | QorX | Y | KD | KE | KH |
新型生産車の適用時期 | 49.9.1 | 52.8.1 | 54.4.1 | 57.1.1 | 61.10.1
(62.10.1) |
2.12.1 | 3.11.1 | 4.10.1 | 6.10.1 | 9.10.1 | 10.10.1 |
継続生産車の適用時期 | 50.4.1 | 53.4.1 | 55.3.1 | 57.12.1 | 62.9.1
(63.9.1) |
3.11.1 | 3.11.1 | 5.9.1 | 7.9.1 | 11.7.1 | 11.9.1 |
輸入車の適用時期 | − | − | − | − | 63.4.1
(1.4.1) |
5.4.1 | 5.4.1 | 6.4.1 | 8.4.1 | 12.4.1 | 12.4.1 |
PM(パティキュレート・マター:粒子状物質)
上記表でわかりますように、黒煙の欄は昭和49年の50%から平成9年に25%に規制されるまで、
野放し状態であったことがわかります。50%も40%も機器で測定などしなくても、目で見て判断できるほどのレベルです。
測定する汚染度%は一定体積(330±15cc)のシリンダーに1.4秒間に吸引されたスモークを
8cm3のフィルターに捕集し、その汚染されたフィルターに対する光の反射率がその汚染度%とされますから、
黒くない白煙・青煙はカウントされない可能性もあり、有害物資の正確な測定とは言えないところがあります。
なお、色から判断しますと下記のように分かれます。
黒=カーボン(スス)主体成分
白=水蒸気、SO2成分や燃料成分
青=オイル成分、SO2成分や燃料成分
茶=NOx主体成分
軽油の場合も燃焼しますとガソリンとほぼ同じでH2O、CO、CO2、HC、NO2、NOx、SO2、SOx、PMと黒煙(C)が発生します。
なお黒煙は60%相当のカーボン+40%相当のその他の複数の付着成分となり、
付着分の大半は水分・燃料とオイルの凝固成分となります。
吸入成分の重量% | 排気成分の重量% | ||||||||||||||
74.5% (N2+Ar) | 74.5% (N2+Ar) | ||||||||||||||
22.6% (O2) | 12.4% (O2) | ||||||||||||||
2.9% (燃料:軽油) | 9.2% (CO) | ||||||||||||||
3.5% (H2O) | |||||||||||||||
0.2% (PM成分)
下記成分のくっつきあった粒子
|
資料:ガソリン2輪(側車付き含む)排出ガス規定値
成分 | 測定方法 | 10年規制 | ← | 11年規制 | ← |
4サイクル | 2サイクル | 4サイクル | 2サイクル | ||
CO | 二輪車モード(g/km) | 20.0 | 14.4 | ← | ← |
HC | 二輪車モード(g/km) | 2.93 | 5.26 | ← | ← |
NOx | 二輪車モード(g/km) | 0.51 | 0.14 | ← | ← |
識別記号
(車検証に記載) |
BA | BB | BC | BD | |
対象二輪自動車 | 軽二輪 | ← | 小型二輪 | ← | |
新型生産車の適用時期 | 10.10.1 | ← | 11.10.1 | ← | |
継続生産車の適用時期 | 11.9.1 | ← | 12.9.1 | ← | |
輸入車の適用時期 | 12.4.1 | ← | 13.4.1 | ← |
ガソリンでの有害物質はCO、HC、NOxとされ、それぞれ低減方法が取られていますので、
一般的な部品や機構を下記にまとめてみました。
下記以外にも、エアクリーナー、インレットマニホールドの形状、燃焼室の改良などいろいろなパーツで改善されてきています。
軽減される有害物質 | 使用される装置 | 主な部品名など |
HC | 燃料蒸発ガス排出抑止装置 | チャコールキャニスター、パージコントロールバルブ |
HC | ブローバイ・ガス還元装置 | PCVバルブ(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション) |
NOx | EGR装置 | EGRバルブ(ステップモーター)、コントロールユニット |
HC、CO | 減速時二次空気吸入装置 | エア・コントロールバルブ、コントロールユニット
なお、キャブレター式の場合、下記の部品等になります。 ・ダッシュポット ・スロットルオープナー ・ミクスチャーコントロールバルブ ・フューエルカットソレノイドバルブ) |
HC、CO、NOx | 二次空気導入装置 | エア・ポンプ、二次エア・バルブ、コントロールユニット |
HC、CO、(NOx) | 電子制御式燃料噴射装置 | インジェクター、コントロールユニット、 |
HC、CO、NOx | 三元触媒コンバータ | O2センサー・モノリス型三元触媒 |
ここで、オイルに一番影響するのは、ピストンとシリンダーの隙間からクランクケースへ吹き抜けるブローバイ・ガスとなり、
ブローバイガス還元装置取り付け自体はかなりオイル劣化に影響を及ぼします。
ブローバイガスの組成は70%−95%が未燃焼のガス状になったHCで、残りが燃焼ガスや混合ガスからなっています。
クランクケース内はオイルが潤滑・冷却のため霧状に噴霧されていますから、その中をこういったNOxや水分なども含むガスが通り、
大気中へ放出さずに滞留しますと、エンジン内部の腐蝕やオイルの劣化を招きます。
とはいえ、大気中へ放出するのは環境問題になりますから
これをPCVバルブを通して吸気系へ戻して滞留しないよう燃焼させるようにしています。