添加剤にはそれぞれ添加の仕方があります。特殊な道具が全くない場合の簡単な 方法を経験からご紹介いたします。
また、添加する前に「エンジン・フラッシング」や「オイルエレメント」の交換を 指定している場合がありますが、一応新車からの使用状況で判断した方がいいでしょう。 新車から1万kmぐらいまでは廃油中に金属粉も多く含まれます。また、スラッジなどは オイルキャップからは分かり難く、オイルパンに溜まっている場合もありますので、 出来ればオイルエレメントは交換しておく方が無難でしょう。同様の理由で オイルフラッシングもする方がいいでしょうが、でもどこまで落ちるかは疑問です。 普段のメンテナンスの方がよっぽど効果がありますので、こまめにオイルメンテナンスしている人 にとっては「不要」とも思われます。
また、清浄分散効果の良いオイルを使用したり、急に粘度の柔らかいオイルを使用したり すると、まれにオイル上がり的な白煙が出ることがあります。
わずかでしたら問題はありませんが、オイルの量のチェックを忘れないで行ってください。
になりますが、オイル交換してすでに規定量が入っている場合は、総量に対して10%ぐらいになる 添加剤規定量であればそのまま添加しても問題はないでしょう。 それほど添加割合に厳しくこだわる必要はあまりない場合が多く、 オイル交換時であってもそのまま加えるだけでいいと思います。 ただし上限は500ccオーバーまでにしておかないと、オイルの油面が上がるため 問題が発生する場合もあります。
粘度が高い添加剤 | エンジンをアイドリングさせオイルの温度をある程度高温の状態に しておく。特に冬はオイルが冷えたままですと添加剤がオイルに攪拌されずにオイルパンに溜まったまま になり、効果がなくなる。一般的にいうと、「オイルを入れた容器であらかじめ 攪拌させておく」と確実。また場合によっては実際に走行する必要があります。 |
金属と反応する添加剤 | 多分このタイプはきちんと「説明書き」があるはずですからその指示に従ってください。 多くの場合は金属に定着するために効果的な温度があるはずです。 |
固体潤滑粉主体の添加剤 | オイル中に攪拌された粒子がオイルより重い場合がほとんどですから、粘度が高い場合とほぼ同じ になります。またこういった固体潤滑剤は経験上、分散して何回かに分けて規定量入れた方が 効果的と思われます。入れすぎはよくない場合もありますので、規定量を守った方が安心です。 |
特に注意書きのない場合 | ただ混ぜるだけの場合は、粘度が高くなければアイドリングだけで十分です。 |
上記表にあるように、効果が出ない場合もあります。
高粘度の場合はすぐ実走し、十分攪拌されるまで油温を上げるようにする。綺麗なオイルトレイ がある場合は、1度ドレーンから抜いて攪拌させてからもう一度入れるという方法もあります。 ただしゴミが入らないように注意。
同時使用はよくないと言われるタイプ | モリブデン系オイル(添加剤)にテフロン系添加剤(オイル)など |
金属にコーティング膜が形成される成分同士 | |
ポリマー系に反応する(酸化させる)成分を含む添加剤など | |
金属系添加剤にその他の固体潤滑剤 |
基本的に金属と反応するタイプの添加剤は、金属面に着いた汚れを取り除かないと コーティング膜が出来ないので、取り除くまでのタイムラグがあります。
ですから、どの添加剤もかなり強い清浄分散作用を持っていると考えて間違いはないと思われます。
使用する前に「フラッシングせよ」とあるのはこのコーティング膜の形成を効果的にするためです。
また、落とした汚れなどでオイルフィルターを詰めたりしないとも限りませんので、「オイルフィルターを
交換せよ」となります。
大体は溶剤系の洗浄成分が主流で、その強さもまちまちですから、洗浄性能がどれぐらいなのか
判断しにくい面がありますが、
反面、オイルに入っている清浄分散剤では落とせない汚れも落とす成分の場合、その成分がオイルシールに影響を
与えないかどうか心配です。(元々スラッジなどで目詰まりしていたためオイル漏れがなかったのかも知れませんが)
ただし、金属面に元からある弱いコーティング膜の上から相乗的に効果を出すタイプもありますから 一概に遅いとも言えない場合があります。
ここら辺の効果の現れ方は、メーカーサイドのデータを信用するしかないでしょう。
ただし、どんなに遅くとも5000km以内に結果は出るはずですから、次回のオイル交換は 焦らず待ちましょう。
それで、満足がゆかず次の添加剤を入れる場合、出来ればきちんとオイル交換してから入れる方が
いいですし、オイルフィルターも交換してください。
メーカーサイドではオイルとの相性はテストしていますが、他の添加剤との相性など
まずテストしていません。
コーティング膜が形成されるタイプを先に使った場合は、上記と同じように効果が現れるのに時間がかかります。
また、先の成分が金属の間に入り込んだ場合も、非常に落ちにくくなっています。
テストするなら仕方ないですが、出来るだけ期間を空けて別の添加剤を使用した方が安心と言えます。
生物は自己修復機能がありますが、機械は1度きりで壊れる方向に向かいますので、
次に使用する添加剤のメーカーに問い合わせて反応性などを確認する方法もあります。
同時に使用した場合、どちらの添加剤が効果があるかは分かり難いものです。
2種類以上の成分が入るわけですから
−反応して劣化するか
−反応しないで相乗効果をもたらすか
−効果があまりでないか
になります。
データがない場合が多いので結果が推定出来ない場合は避けて通りましょう。
やむを得ず入れる場合、エンジントラブルを覚悟してください。
これは、新しいオイル添加剤を作るのと同じ事ですから。
同じ系列でないタイプを
使うようにしたらひょっとするといい添加剤になるやも知れません。
(普通の添加剤同士では添加剤量が多すぎてオイル自体をダメにしてしまう可能性の方が高いですが・・・。)
広告は宣伝ですから、悪い結果は出しません。
それを見た人が使いたくなる内容でなければなりませんので、僅かに燃費が上がった結果があれば「
燃費向上」となります。オイルに入っている成分より「上質」な添加剤成分が入っていることが普通ですから
(値段が高いからそれぐらい当たり前ですね)「オイルの寿命を延ばす」
「エンジンを綺麗にする」「ノイズを下げる」などなど、ほとんどどれを使っても同じような
文句ばかりになります。
カタログデータも、人為的に選ばれていますし、他の商品との比較もその商品より性能が落ちる場合だけを
公表する事になります。
また、他の商品にないいいところは積極的に「売り文句」として宣伝されます。
こういったことは他のページにも書いてます
のでそちらを参照してください。
ある機関が調査したオイルなしでの潤滑テストの結果から、固体潤滑剤を含む添加剤(特にテフロン系を中心に書いてあったが)を入れても、オイルだけでもエンジンは同様に焼き付くのです。
特に固体潤滑剤を含む添加剤を入れた方はシリンダーのライナーにひどい傷が付き、入れない方は傷が付かなかったという報告があります。
これは「オイル=潤滑」という考えから見れば、ピストンリングのまわりにはオイルが絶対的に必要であるという結論になり、
おおよそのオイルメーカーが固体潤滑剤の使用を避けている理由の1つでもあります。
そういったものは例外なくエンジンや機器類を損傷させるという懸念があるからです。
従って、オイルメーカーは有機化合物(液体状、例えば有機モリブデンなど)の方を使用しています。
また、有名人や、有名企業、公的団体の名前が宣伝内容に入っている場合や、あたかもそれらの人が
推薦していたり、データを分析評価している場合がありますが、よくよく見てみると薦めてもいなく、
データの内容も陳腐だったりします。
添加剤は一人の科学者だけで出来るものでもなく、その人が本当に推薦しているのでもない(TV−CMを
見ればわかりますよね、演出の場合がほとんどでしょうね)場合だってあります。
データや根拠がしっかりしていない場合や、データに裏付けが取れない場合は胡散臭く感じてなりません。
また、化学用語や専門用語だらけの説明は意味不明の場合ちゃんと理解できてから判断しましょう。
そういう文章を書くからには、間違いがあればすぐわかりますから、そういう製品も避けましょう。
固体潤滑剤の場合:
成分の固体が物理的に劣化してしまうと、オイル中では「ゴミ」扱いになります。
また、コーティング膜が形成された場合でも、1度剥がれればやはり「ゴミ」になります。
固体潤滑剤が即効的で寿命が短いのはこのためです。
どの添加剤も1度きりで永久的に再添加しないで効いているはずがありませんので
寿命は早いか遅いかの区別だけあると見なしてください。
ポリマー系添加剤の場合:
ポリマーは油温に対して非ニュートン弾性粘度を表す場合が多く、
剪断安定性もかなり向上していますので、効果は長いタイプのものが主流です。
ただし、そのポリマーが劣化した場合は他の成分と反応したりする物もありますし、
本来の特性が出せなくなってしまうこともあります。ポリマーですから化学合成製品と思われがちですが、
基本は炭化水素から出来ているのでオイルと同じように剪断・酸化・分解・重合します。
オイルとして最初からブレンドされる場合も多くなりました。
こういった製品はそれぞれの特質があり、数種類のブレンドで出来ていることが多く、
オイルの品質を高めるのですが、劣化自体は避けられませんので長期使用は
やはり禁物です。
有機系・化学系添加剤の場合:
極圧や高熱に対して変成し、別の化合物となる場合が多く、
定着性も良い製品が多く見受けられます。添加量も僅かで変成しなければ、オイル中に浮かんでいますので
オイルパンに溜まることはありません。ただし変成した後の成分が金属の腐食性を持っていたり、
デポジットになったりしますので、変成しつくしたら寿命と言えます。
中には再生する=オイルに戻るタイプの製品もあるなど、今後とも期待できそうな
商品が開発されています。ただし、添加剤成分が安定していてもオイル自体(既存添加剤を含む)の劣化の方が
早いのでその場合でもオイル交換は避けられません。(市販オイルに最初から含まれる
添加剤の場合はベースオイルより寿命は短く、早く劣化してしまいます。また以前は添加剤的存在だった
エステルなどの化学合成油や特殊なポリマーなどは現在ベースオイル的になってオイルの進化が進んでいます。)
このタイプには、「潤滑=オイル」という従来の研究者の考え方から1歩進んで、 「潤滑=オイルの劣化と関係なく境界潤滑に対して効果のある成分」 を考える研究者と異なる見識を持っている場合があります。 学問的にも別の系に位置します。 ですから金属の摩耗や、いつまで機器を新品の状態で保たせることが出来るかが中心で オイルの状態より機器の状態に眼点が置かれます。 最近オイルメーカーが磁性を持ったエステルを扱う事からも、 段々両者が近づいてくるとは思われますが、 ユーザー側としては今後の発展を期待したいものです。
オイルの方に費用をかけるか、添加剤にかけるかは難しいところですが、 満足のいく商品と思った場合は使い続けた方がいいのではないかと思います。 使用する車の寿命(乗り換えを含む)から考えてみるのも1つの方法です。 基本は満足感でしょうから、自分の判断を大切にしてください。
どうなったら、エンジンの調子が悪くなるかを見るとそのダメージの原因がわかってきます。
しかし、エンジンの症状も様々で、入れてから症状が悪くなっても、
それが添加剤の影響と考えるわけにもゆきませんので難しいところです。
添加剤を販売しているからには、たとえ少しでも市販オイルの性能を上げる物であると思いますが、
その販売価格や広告内容との食い違いが「大幅に期待と異なる場合」がっかりさせられます。
オイル添加剤でのエンジンに与えるダメージをまとめようとしましたが、基本的には
満足感=(価格+改善度)の関数、という見方の方が大きな関心と思われます。
ダメージとして見る場合は
O長期に使用するとスラッジ化してオイルラインを詰めるもの
O金属を腐食・研磨させる成分が含まれ、エンジン寿命を短くするもの
Oオイル中の添加剤と反応してオイル劣化を早めてしまうもの
O環境に悪い影響を与える成分を含むもの
でないかどうかを確認(これが難しいのですが、宣伝文句から類推。そういったことが「ない」と書いてあれば信じるしかないのですが、書いてない場合は「ありうる」と判断。)してください。
修復剤的な添加剤もありますが、症状によって効いたり効かなかったりします。
ただし、今までもあったことですが、安全といわれた添加物が、非常に危険なものだったり、
極圧には効果あるけれどそれが金属に浸透してゆき、結果として金属自体を腐食させたり、排気ガスに出てくるとハイドロフルオリック酸になり
マフラーなどを内側から腐食させたり・・・・まだまだいろんな問題点が
多く山積みのようです。
ですが、調子が悪くなるといったことは添加剤のせいばかりとも言えません。
(別の原因だったりすることもあります)
ということで、答えは試してみるしかないでしょうね。
それでも心配な人は、「入れない」と言うことも大切でしょう。
入れないからエンジンが壊れることもあまりないことですし、自動車メーカーを
信じて、オイル管理をしてください。そのメーカーが添加剤を薦めても「入れない」ぐらいの
気持が大切です。
添加剤を入れるきっかけは、整備する人との信頼関係だったり、広告だったり、少しでも 自動車を良くしたい(あるいはランニングコストを下げたい)という気持からでしょうから、 どんな添加剤からでもいいと思います。あるいはオイルのグレードを上げてみることからでもいいと思います。
満足感が大事ですから満足できそうな製品を試してみることから始まります。
マニア的な性格のある人は「はまり」、ない人は、「どうでもよく」なります。
私は完全に「はまって」ますが、こういった人に支えられて潤滑剤を作る人も、
さらに良い物を作ろうと努力しているわけですから、こういった傾向は自動車でも、家電製品でも
共通です。
ただ、心配なのは次世代に影響がないように、安全な製品を作ってほしいものです。