音が聞こえるのは、発生源→媒体→聴覚という図式で表されるように思えます。
1,聴覚・・聞こえてくる音
聞こえる音が、心地よい場合は良いのですが、不快な場合は雑音として とらえられます。
快不快は主観的である場合が多いので(=好き嫌いに個人差があるということ)
車を作るに当たってはすべてひとまとめにしてdbデシベルで表されます。
これは音量だけにしぼったもので、音質ではありませんが、音が音波として
"もの"の振動に関わるので
客観的に判断する場合には仕方のないことかもしれません。
ともかく、人の聴覚は20Hz〜20000Hzまでを音として判断するため、
(それ以外は超音波or超低音波=聞こえない振動、圧力、圧迫)ある基準値以上の振動は
発生させないように各企業努力しています。
2,媒体・・この場合”空気”とその”共鳴”=音を大きく増幅させる構造
普通は空気が振動を伝える役割を持ちます。 しかし、音の大きさは振動の大きさだけとは限りません。
例えばスピーカで有名なBOSEの場合 共鳴用ダクトを設計して取り付けることにより、
パイプオルガンのように小さな振動を 大音量に変化させています。ですから、
自動車の場合も共鳴するかしないかは、かなり重要な 課題となっています。わずかな音源でも、
いくつもの音源の振動が重なると大きな音 になってしまう場合があります。タイヤノイズなどはそれを逆に使って、
各部の振動をうち消すようにパターンが 考えられ、ずいぶん静かになっています。
3,発生源・・楽器で言う”弓と弦”=振動するもの
発生源になる物質は、金属であったり、ゴム、プラスチック、その他いろいろあります。
けれども、共通していることは、それらは振動している、ということです。
そして、その振動が媒体となるものを振動させるということが条件となります。
(ですから、常温で電子や分子が如何に激しく動いていても、 媒体としての空気を動かさないので、その音は聞こえません。)
音を出すことに関しては、楽器が身近なものですので、そこから考えてみます。
こする、たたく、震わす、という音の出し方があります。
A、擦ることによって振動する=バイオリンなど弦楽器に代表される 振動する部分と振動させる部分の摩擦によって、振動する部分が一定の振動数で震え、 その振動数を媒体に伝える構造を持ちます。 圧力をかけることにより、振動の波形が変形する場合は、音質に変化がみられます。 コオロギなども羽を擦るタイプの音を出します。 B、たたくことによって振動する=ティンパニー、木琴など打楽器に代表される 物体に圧力をかけるとその物質特有の弾性力が働き、もとに戻ろうとします。 その繰り返しが多く続けば余韻を残すシンバルように長く続きます。 短ければ、カウベルのように一瞬の音です。拍手は、たたき方によって、音の出方が 異なるし、音の大きさも違ってきます。 C、震わすことによって振動する=クラリネット、トランペット、など木管・金管楽器に代表される フルートなどは空気の振動を起こさせやすい構造。クラリネットなどの場合リードと呼ばれる 薄い木の板を震わせることによって音を出し、トランペットなどはマウスピースで唇の振動を利用して音をだします。 この場合、倍音と呼ばれる特有な振動も共鳴装置があるため出すことが可能になります。 口笛はフルートに、草笛はクラリネットに近い音の出し方といえます。トランペットは ちょっと言いにくいのですが、強いて言えば”おなら”かな・・失礼。
この音は添加剤と言うより、修理で直すのが普通だと思いますので修理工場へ・・・。
エンジン自体の騒音、あるいは振動を小さくする方法には次の4通りがあります。
ただ、振動を起こす回転数は、ガタや精度の悪さによって、本来でないはずの、
2分の1の振動(0.5次)という かたちで現れます。それが各回転で0.5次加わった0.5次、1.5次、2.5次・・・と各次の間にきて、
それが、3000回転や4000回転ではビート(うなり)を打つため、
添加剤で精度を上げることが出来る場合は 効果が出てきます。
周波数が近いとうなり音が出ることは、ギターの調弦で簡単に確かめることが出来ます。
調弦は2つの異なる弦で同じ音を出し、うなり音がなくなるように弦を張るという
方法がとられます。
周波数がちょっとずれていればうなりは周期が短く 早いうなり音が聞こえ、
ほんのわずかずれているときはゆっくりとしたうなり音に なります。ゆっくりしたうなり音へ近づけ、重なって、
それ以上弦を張れば、また、うなり音が 早くなるので重なっているポイントがつかめます。
安い添加剤や高級オイルでも、高回転にすると、多少音質がましになります。
が、それは多分ビート音ではありません。
どちらかというと、それは摩擦によって出来た騒音ではないかと思われます。
添加剤で出来るとすれば、そのビートによる振動も押さえられるはずですから、振動が 少なくなるかどうか確かめてください。
エンジンにおいて、燃焼室での爆発の瞬間が一番回転スピ−ドが速く、徐々に遅くなってゆくため、
トルク変動(=1サイクル中の回転むら)も、振動となり、エンジン音と結びつくことがあります。
これは、回転を高くすることや多気筒化する事でその絶対値は小さくできます。
フライホイールを重くすることで同様に回転むらは小さくできてエンジンは滑らかに回りますが、
その反力である 車体の振動には何の効果もありません。
2,カムとタペットなどが当たる音=打音.共鳴音.擦れ音の打音はいろいろ考えられます。
金属同士がたたき合う場所は、
打音を楽器で説明します。マリンバ(もっきん、でも可)など、たたく方のスティックに
毛糸の袋を付けている場合があります。
何故か、そうすると、音質が柔らかくなります。直接、硬質の木と、硬質の板をぶつけて、
音を出すより、布(=毛糸)のように柔らかいものをはさむ方が、音量が減り
音質も複雑な波形から少し整った波形へと変化します。
この場合、布という緩衝材が働いて、 そのようになると考えられます。
エンジンマウントなどは、分厚いゴム質の緩衝材をエンジンとボディの間に挟むことで、
エンジンの振動がボディに伝わり、
車体全体の振動を和らげるよう工夫されています。
サイドスラストのスラップ音は、ピストンピンの位置を中心から少しずらすことによって(=
オフセットする)
シリンダーにぶつかる力を弱めています。(余談ですが、こういった事を
最初にどうやって知ったのでしょうね。)
音は音波として伝わるのですが、ボンネットの裏側に断熱材や吸音材を貼る事によって
音波の伝わる経路を絶つという方法もとられます。
さらに、オイル自身の粘度による抵抗がピストンの動きにブレーキをかけることも考えなくてはなりません。
もう一つ考えられることは、オイルの膜圧が、振動を軽減する緩衝材となりうるということです。
振動とは、外部のエネルギーですから、そのエネルギーを奪い取ればいいわけです。
オイルは多少なりとも、その役目を果たしていますので、経験上、”堅いオイルはエンジンを静かにするし、
エンジンを重くするが、コンプレッションを高める”といわれる由縁です。
粘度が高い = 1.コンプレッションが高くなる・・・トルクや馬力が上がる 2.弾性が高くなる・・・・・・・・・金属接触を少なくする=振動が減る 3.流体抵抗が増える・・・・・・・・オイル抵抗が増える=エンジンのふけが悪くなる 4.ポンピング抵抗が増える・・・・・始動時にオイルが潤滑しにくい=オイルレス これらの条件を考え、最適なものを選ぶようにします。 基準は、5w−40などというSAE粘度分類を参照してください。 このとき、1.鉱物油か2.部分合成油か3.100%合成油かで同じ分類でも異なる感じがします。 その時は動粘度を参考にみると良いわけですが、 それでも、近いものを選んでも体感が異なります。 一般的には・・・粘度指数の大きさが高いほど、温度によるオイルの粘度変化が少ない。つまりピストン やシリンダーについているオイルが温度で柔らかくなって流れ落ちて少なくなりにくく、 油膜になって残っている。ということですが、同じぐらいの粘度指数、40度−100度の動粘度 の10w−40を選んでテストしても、エンジンの吹けの雰囲気としては 合成油<部分合成油<鉱物油という感じで、鉱物油が重く感じます。 始動時の温度での動粘度(40度以下)が多分少し異なるせいとも考えられますが、摩擦係数の違いや、 含まれているハイドロカーボン=炭素化合物=CxHyの違いも影響しています。 合成油はCxHyの分子構造が特定の範囲内で造られていますが、 鉱物油は蒸留精製のいわば残りカスから出来てますので、様々な状態ののCxHy+R の分子が混じって抽出されます。 原油が悪いと残りカスの重油にオイルに適してない成分が多く混じり、溶剤での化学反応で全ての不適成分 除ききれず、新たに添加剤を加えてその穴埋めをして、性能を上げ、市販されるわけです。 が逆に、まだ知られてない有効な炭化水素化合物や有機金属でオイルに適した成分もあるわけですから、 ベースオイルの善し悪しが鉱物油の性能とも言えます。ここらあたりを公表していただけると、ありがたい のですが、研究室の中での話しとして曖昧にしか伝わってこないのが実状です。 このあたりで流体の抵抗に関係する”非ニュートン弾性流体”という言葉の化合物が出てくるのでしょうが、 非ニュートン弾性流体については詳しく知らないので、そのうち、勉強しておきます。基本的に理想的な流体はHe(液体ヘリウム)で抵抗が”0”つまり粘性が ありません。しかし、
ニュートン流体・・・粘度つまり抵抗値が一定の「水」「空気」など
非ニュートン流体・・粘度は剪断力や引張力に比例しないもの「血液」「高分子溶液・融液」「磁性流体」など
多分、粘度はあっても抵抗が極めて少ない高分子化合物の液体を使って、オイルにしているのでしょう。
(低分子液体は ニュートン流体になります。アルコール、ベンゼン、また一般の潤滑油など)
しかし、オイル自身は高分子化合物(ポリマーなどを含むので)ですので非ニュートン弾性流体の性質は
全くないのかどうか??? ことさら”非ニュートン弾性流体”といっているからにはなんかすごいものなのでしょうかね?
潤滑グリース、アスファルト、高分子溶剤などが「非ニュートン流体」とされるのですが
これは剪断速度と剪断応力の関係が比例するグラフによって示される「ニュートン流体」と違うという
事を言い表しています。
それらは、1.粘度系、2.時間に依存する系か、3.粘弾性系によるかで異なるようです。
詳しくは「レオロジー」という分野になります。
1.剪断速度が大きくなると粘度が高くなる場合・・・
固体粒子が多く入っている液体中の場合、その粒子がすべり合って細かくなり、液体全体に占める粒子量が空間的に大きくなる。
すると液体自体動きにくくなる=粘度が上がる。
低くなる場合・・・
粘度指数向上剤のように、ある値以上になると粘度が下がる「擬塑性流体」
2.剪断速度が大きくなると粘度が高くなる場合・・剪断によって構造の形成を助長したり、今までなかった構造が形成される。「レオペクシー」
低くなる場合・・グリースなどは剪断を受けて繊維状のミセルがバラバラになり、粘度が下がります。
ただし静止すると元の網目状構造に戻るのでかたくなります。
3.粘性に加えて、弾性(内部のひずみ)もある・・早い変形に対しては弾性を示し、高温や長時間の変形に対しては粘性を示します。
潤滑油やグリースは、高圧高速のころがり条件で、弾性変形します。
振動というと・・・悪いイメージばかりかも知れませんが、聾唖の人とお付き合いして気がついたことがありました。 耳の不自由な人にとって、振動は健聴者の”音”そのものです。エンジンがあまり調子良すぎても かえって、エンジンの調子がつかめないと言われたことがあります。故障を起こしては困りますが、 小気味よい振動音を頼りに、エンジンその他のコンデイションをつかんでいるのです。 どこかで聞いた話でしたが、耳の不自由な人にとって、ネオンの光や木洩れ陽に音がするのだろうか、 と、感じるらしく、音が振動そのものであった方が分かり易いと言うことに気づかされました。
1.高いグレードのオイルを使用し、と言うことで、大体の解決が出来そうなのですが(一部無理そうな場合もあります。)、 効果的と思われますので、
2.オイル交換を早めにし、
3.添加剤を使用する。
油圧タペット使用車種:
トヨタ1G−EU(1982〜88年式)*(88年〜1G−Fには油圧タペットなし)チューブアッセンブリーパイプ・油圧ラッシュアジャスターを通しロッカーアームよりオイルを吹き出すタイプ:
日産VG系(1983〜98年式)*(90年〜JZ系・94年〜VQ系には油圧タペットなし)
など
日産SR18DE・SR18DI・SR20DE・SR20DET可変バルブタイミング(1)+リフト機構(2)装着車
(SR20DETの内、パルサー・リベルタビラ・ラングレーは調整式)
トヨタ-----(1)VVT−IとVVT車種が多くありますので、 詳しくは、ディーラーでお尋ねください。
日産-----(1)NVCSとVVL
ホンダ---(2)VTEC(DOHCとSOHCがある)
三菱-----(2)MIMEC
外国車---BMW・メルセデスベンツ・ローバー・ポルシェ・ゴルフなど