市販で燃費や出力向上に役立つとされる代表的な商品としては、
添加剤として
1.ポリエーテルアミンを中心とした燃焼室の清浄を中心として考えられた「グリーンプラス」・「F−1」や
その他のクリーナー系製品、BTX(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)を溶剤としていることが多く
アルコール系添加剤も含んでいることが多い。
2.燃焼速度を速める効果のある成分を配合した「ナプロGX」などのように燃料自体に作用する添加剤
なお、これ以外の商品で実際に燃焼速度を速める製品は、某メーカーのテスト結果からほとんどの商品で早くなっていない。
3.燃料系統の潤滑を中心にして燃焼を改善させる「TE」のようなタイプ。
即効的な潤滑剤と遅効的な潤滑剤がある。
4.波動=いわゆる遠赤外線度と同様な電磁波的な成分(?)で燃料を活性化させるとした「クリスタルc−3000」
などで、触媒効果を合わせていることも多い。
5.燃料の分子構造を細分化させて燃焼を促進する各種バイオ系触媒系の添加剤で、
微生物が不純成分を分解したりする効果が、ディーゼルスモークの低減や
ラッカー、ワニス成分の生成阻止になるといわれる。
そして、これらの効果が重なるようにさせた製品群となるように思えます。
また、それらと同様に補助的な機器としては
6.トルマリン・セラミックなど遠赤外線効果により燃料を活性化させ、燃料の着火遅れを改善させるタイプ。
なお、これにはラジウム鉱石も含めて考えて良いと思えます。
こちらでは桁違いに遠赤外線の強い効果があるという「パワーアップペイント」を
現在(発表日まで未公開ですが)テスト中です。
7.磁石・電磁石などを用い磁気の効果で燃焼促進させようとする機器。
(永久磁石の場合、遠赤外線効果も含まれる可能性が高い)
8.吸気効率や排気効率を高める事で燃焼を促進・改善させるエアクリーナーやマフラー及びその周辺機器。
これもいろいろあるようですね。
等々が販売されているようです。
また、電気系からは
9.プラグコードやプラグ、アーシングや電気接点改良剤など電気的な不具合の解消や強化をする
現実的な対策によるタイプ。
10.CPUのチューニングで燃料の噴射量からコントロールしてしまう、いわばチューン的なタイプ。
等々も考える必要があるのかもしれません。
それで、燃料系添加剤や機器で何を「改善」して、どのような「効果」を得ているのかを考えて見ますと、
基本的には
燃料の理想的な燃焼=膨張になるのを助ける役割と
燃焼させることでどうしても出てしまう有毒ガス(CO、HC、NOx、PM、その他)の排出を抑える事になります。
空燃比が高い数値となるような、燃料の割合が薄すぎるリーンの状態でも、圧縮比が高くなれば燃焼可能ですし、
そういった状態で比熱が下るようにしますと、
元々リーンバーンはスロットルロスが少なくなるように設計していますから
うまく燃焼温度が下げられれば、NOxも減らせます。
ただ、どうしても燃料が多いわけではないので、
燃料を無駄遣いしなくてはならない加速時ではパワーが不足しがちとなりますから、
現在は通常の濃さと薄いリーンと使い分けて燃料を噴射するエンジンになっています。
エンジン側としては、ストイキよりかなり濃い目に出している燃料を
今までより少なく出しても加速レスポンスの良いエンジンにし、
ポンピングロス・吸気ロスや過給によるのロスが少ない吸気構造と
確実な着火と火炎伝播が出来る燃焼室構造・点火装置、
それでなおかつNOx等の有害ガスをす少なくさせる触媒や燃焼温度調整、
また、慣性質量を低減させるためシリンダー・コンロッドなどが軽くし、
排出する排気ガスが抵抗にならない排気管構造になれば理想的です。
しかし、現実はそういったエンジン開発はメーカーによってなされますから
ユーザーは購買によってそういった意志を表す事しか出来ません。
また、購入してしまった自動車はそうそう買い換え出来ませんので、
少しでもエンジンの状態を好ましくするため(メーカーはそこまでしないので)こういったグッズが販売されることになります。
購入後で添加剤とか装置などで出来る改善策としては上記にも記載していますが
という事になります。1.吸気での効率をいろいろな方法で改良する 2.燃焼状態を、燃料の改質・摩擦低減や潤滑性・気密性の向上などから改善する 3.燃焼状態の劣化(カーボン・スラッジ・ワニスなどでの)を防止する 4.排気をスムーズにする
1.吸気での効率をいろいろな方法で改良する
a.吸気抵抗の低減
取り入れる空気はシリンダーが下がって、大気圧より気圧が下がっても、急にはシリンダーに
充填されないので、配管回りで吸気抵抗を減らせば、より多くの空気を取り入れることが出来ます。
雰囲気的に表現しますと、「水鉄砲」の口を大きくすると、
力が少なくて簡単に水が十分に入れられる(ポンピングロスの減少)事を考えているわけで、
同様に「水」ではなく「空気」を入れる方がもっと簡単ということから、
充填する混合気をいかにスムーズにするかも考えている場合もあります。
吸気ダクトなどに発生する電気的な抵抗(摩擦力)を減らす事が出来ると、混合気の充填効率が上がると
考えられますので、そういった装置など販売されているようです。
エアフィルターに入っている濾過エレメントの濾過抵抗を下げる商品もそうですし、
マイナスイオン効果や配管内部面での層流を促す装置などもこれに当たると考えられます。
加えて、各シリンダー間に充填される混合気が同じ量で充填され、同じような燃焼をしなければ
シリンダー間で燃焼のばらつきが起こり、出力低下が考えられますので
ここの差をなくすような吸気構造・燃料の微細化も必要になります。
b.吸気する大気の活性化
O3(オゾン)を吸気する空気に混ぜて燃焼させても(最高50%まで各段階を調べても)、
燃費は良くなることはない(=混合しない場合と変化無し)という実験が企業で試験され、検証されたようです。
反応の強さ(酸化しやすさ)と出力の向上・火炎伝播のスピードとの関係は一筋縄ではゆかない関係だとわかります。
通常の大気中の成分を変えることなく、より燃焼スピードを上げることにつながれば良いわけなのですが、
単に大気の活性化をする事だけではこれは難しいようで、
スワールやタンブルなどの渦流をうまく利用し、燃料噴射などで燃料の微細化をする事の方が
効果があるため、先にこちらの技術が進みました。
もちろん、大気の酸素を活性化して酸化しやすくする事で燃焼スピードが上げられるかどうかは
そういった装置を販売するメーカー側がどれくらいのレベルで有効かご存じなのでしょうが、
見ていないので比較データがあるとわかりやすいです。
しかしどちらか考えますと燃焼スピードではなく、混合気の完全燃焼を促す事によって、
その差分が燃焼ガス圧力を上げ、トルク増大につながると考えられます。
燃費が良くなる事は、その結果として出てくるのですが、
図示熱効率で見てゆくとわかりやすいと思われます。
視点としましては、
1.燃焼室内の初期性能維持
ガソリンエンジンでは必ずCO・HC・NOxという有害な成分が発生しますが、ある程度三元触媒でCO2・H2O・N2
へ酸化・還元されています。ただし、混合気の温度と酸素濃度が決まった数値内にありませんと
うまく機能しません。
それらの低減に加えて
燃費が良くなる事により、CO2の発生自体を少なく出来れば更に良いことになります。
通常は、燃焼室内のスス・デポジット等の堆積物が燃焼の妨げとなっていますので
2.燃焼効率は上がるか=メンテナンスとしての初期性能の維持
燃焼速度(スピード)は早いほうが良いのですが、ガソリンの場合は圧縮比を上げることでも可能ですが
ノッキングの発生がその上限となります。
ノッキングは燃焼速度が速すぎる異常な燃焼ですから、通常の意図された燃焼速度と異なりますし、
いろんな解説書にもそれが起こると悪い理由が書いてありますので、ここでは説明を省きます。
で、視点を変えて見ますと、燃焼速度とは
燃料がシリンダーのどの位置に来るまでに燃え切るかが大切となる事柄で、
理論的にはクランク角で言われる上始点から40度までに燃焼を完了しないと、ピストンを押し下げるガス圧が
無駄になってしまうから大切だと言われている事になります。
で、回転数が遅い場合はクランク角40度になるまでの時間は十分ありますので燃料は有効に仕事をしたことになります。
あまり早くプラグに点火してしまうと、ピストンが上昇するまでの抵抗となってしまいますし、
回転数が早くなりますと燃焼時間も早くならないとゆっくりしていては40度までに燃え切りませんので
回転数が遅い時と比較すると早めにプラグに点火して、40度までに燃え切るように進角させているわけです。
ですが燃料自体が悪いとそれでも40度までに燃え切る事が出来ず、せっかく燃えた燃料が仕事をせず、ロスとなり、
パワーもレスポンスも悪いと感じることになります。
3.燃費は本当によくなるか
4.排気ガスに有毒な成分が出ないかどうか
5.どんな添加剤(装置)がよいのか
参考文献:兼坂 弘「究極のエンジンを求めて」「続・究極のエンジンを求めて」「新・究極のエンジンを求めて」三栄書房
「二級ガソリン自動車エンジン編」(社)日本自動車整備振興会連合会、その他